バレエ公演を観に行こう!初心者国内、海外、歴史について

バレエを全く知らないあなたへの「バレエの1,2,3」」

バレエというと思いうかべるものは、「ふわふわの短いスカートでのつま先立ちの踊り」でしょう。

そして、「ちょっと退屈だし自分には縁のないモノ」と思われている方が多いのではないでしょうか。

でもちょっと待って、バレエって非常おもしろくかつ実用的なものなのです。

ではここでバレエがいか役に立つか、例を挙げてみていきましょう。

1.「趣味はバレエ鑑賞」=エレガントな人と認定してもらえる

これ、間違いなく口にしたらその瞬間からその方の周りにエレガントな香りが漂います。

男女問わず、芸術通の香り、というものがほんのりと漂う人間ってあこがれの的ですよね。

できることなら自分がそう思われたい、そう願っている人も多いでしょう。

実は数多の芸術の中で、バレエって最も鑑賞術が身につけやすいものなのです。

そしてこの事実を知っている人は非常に少ない!これを利用しない手はありませんよ。

2.「クラシックバレエが少しできる」=生涯の健康管理にメチャクチャ役立つ

クラシックバレエを使った動き、というのは、非常に美しく洗練されたメソッドの上に成り立っています。

それを上手く取り入れたエクササイズは沢山存在するのは皆さんご存じですよね。

バレエのエッセンスを取り入れた動きが身につくと、見た目以上に軽やかな印象になります。

何よりも「ちょっとだけ柔軟な身体」って、あらゆる健康法の基本になりますから!

3.「バレエ眼」=スポーツ観戦が3倍楽しくなる

フィギュアスケートの選曲や振り付けがバレエをベースにしたものが多い、というのは有名ですね。

なので、バレエの知識を持ってフィギュアスケートを見ると「ああ、これはこういうことなのか!」という発見が山盛りになります。

スケートに限らず、体操やシンクロナイズドスイミングなどの芸術系スポーツでも同じような感動を味わうことができます。

バレエにちなんで「1,2,3(アン、ドゥ、トロワ)」と挙げてみましたが、実際のお得はもっとずっと沢山です。

これをお読みになってバレエに興味を持たれた方、バレエへの入り口はあらゆるところに開いています。

ぜひお入りになってみて下さい。

「バレエを観に行こう!バレエ鑑賞デビューの入り口」

いざバレエを観に行こう、となっても果たしてバレエ公演ってどんなものなのか今ひとつピンとこない、という方も多いのではないでしょうか。

まず、お子さんがいらっしゃる方ですとお子さん若しくはお友達がバレエを習っている場合、発表会をご覧になる機会があるかと思います。

発表会、それは舞台で踊っている生徒さんにとってはもちろんですが、観る側にとってもバレエへの入り口となる絶好の機会です。

もちろん舞台は生徒さんの発表の場であり、プロの公演のそれとは違う点も多々あります。

しかしバレエのすばらしさのエッセンスは発表会に凝縮されています。

ご縁があって来訪したバレエ発表会をきっかけに本格的に鑑賞を始めた、という人はかなり多いのです。

もちろん発表会以外にも、バレエ鑑賞デビューへのきっかけは沢山あります。

バレエというのは、音楽に合わせて踊られるものですので、特にクラシック音楽がお好きな方ですと、「視覚化された音楽」というものに興味を持って会場に足をはこばれ、結果としてバレエ鑑賞にハマッたという方も沢山いらっしゃいます。

興味はあるけど自分はどちらにもあてはまらないな、という方にオススメなのが、クリスマス時期に上演される「くるみ割り人形」に行かれることです。

日本では年末の風物詩というとベートーヴェンの交響曲第九番ですが、欧米ですとそれに当たるものがバレエの「くるみ割り人形」なのです。

なので、会場は子供連れも多く、通常の公演よりもバレエ初心者になじみやすい雰囲気に満ちています。

踊りと音楽の美しさもさることながらストーリーのわかりやすさと上演時間の短さも、バレエ鑑賞への入り口として、ぴったりのものとなっています。

バレエへの入り口はまだまだ至る処に開いています。どうかあなたにあった入り口が見つかりますように。

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バレエを観に行こう!バレエの公演ってどんな種類があるの?

バレエ公演を見に行こうと思ってエンターティメント系の公演情報をあれこれ調べると、バレエってけっこう沢山上演されているんだな、と思われるでしょう。でも演目だけみても、どんな公演なのか今ひとつピンとこなかったりしませんか。ここでは大まかにバレエ公演の分類をしていきます。

・全幕物

これは、その公演=一つの作品の上演、という意味です。一幕毎に休憩があります。「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」、「眠りの森の美女」など、有名なバレエは大抵これです。バレエの題名=公演名になっていることがほとんどですので、分かりやすいかと思います。

・小品集

短い作品を何個か上演するもの。作品毎に休憩があることが多いです。1公演に3個上演というのが比較的多いでしょうか。この3作品上演の公演形態は、特別に「トリプル・ビル」と呼ぶこともあります。

・ダンサー(グループ)系

これは人気ダンサー(若しくはグループ)の名前を冠した公演です。全幕物上演の場合もありますが、大抵は作品からの抜粋、もしくは10分程度の小品を何個か組み合わせた構成にされています。冠ダンサーの「十八番(おはこ)」がメインなので、そのダンサーの魅力をたっぷり味わうことができます。もちろんそのダンサーだけでは公演は成り立たないため、ゲストも何人か出演するわけですが、そのゲストダンサーのパフォーマンスが極めて素晴らしい場合が往々にしてあるのも、この種の公演の大きな特徴と言えます。

・お祭り系

「ガラ・パフォーマンス」若しくは「ガラ公演」という名称のものです。スターダンサーが一同に集結し、それぞれが華と技を競い合うものです。公演の構成は、上記のダンサー名を冠した公演と同様、10分程度のものをダンサー達が交互に踊ります。ガラは最高に楽しいものですが、通常の公演よりもチケットのお値段が高いことと、チケットの争奪戦が激しいのが難点といえば難点です。

以上四つで、世界中のバレエ公演形態の9割はカバーしているかと思われます。

バレエを観に行こう!さて、何着て行けばよいのかな?

どんな場合であれ、初めての場所に行くときには、何を着ていけばよいのか頭を悩ませるものです。

特に劇場のようなハレの場であればなおさらです。

人は見た目ではない、とは言えやはり、身なりで判断されてしまうことも多いのが現実。

期待に胸を膨らませて劇場に足を運んだのに「気がついたら自分だけ浮いていた」ということはできたら避けたいものです。

ではバレエ鑑賞に赴くには何着ていけばよいのか?

一言で言えば「いつもより少しだけドレスアップした服」それが最適です。

女性ですと、所謂オフィスカジュアル系の装いなら問題はないでしょう。

もし余裕があるなら、ちょっとキラキラしたアクセサリーやスカーフをプラスできたら素敵ですね。

男性ですとジャケットは必ずしも必要はありませんが、やや固い感じかつ清潔感のある装いが好ましいでしょう。

どんなにオシャレであっても、くるぶし~膝は出さないのが(要するに短パンと素足NG)無難です。

最近は和装の方もよくお見かけします。

華やかな和装はそれだけで劇場に華をそえるものですが、和装での鑑賞には注意すべき点があります。

それは帯のお太鼓。和装の場合どうしても背中に帯を背負う形になってしまいます。

その結果、座席に背がぴたりとつかなくなってしまうのです。

実は劇場の仕組みとして、前に座っている人が座席に背中をつけてくれないと舞台が見えづらくなってしまうのです。

バレエは目で見て楽しむもの、せっかくのおしゃれが他の人の楽しみを奪ってしまうことになったら残念ですよね。

和装の場合は着付けの際にお太鼓を小さくすることを心がけることをお忘れなく。

バレエ公演だからといって、特別に気負う必要がないことはお分かり頂けましたね。

ほんの少しのオシャレ心、それが一番大切なのです。

バレエを観に行こう!会場でひんしゅくを買わないためのお作法

人が集うところには多かれ少なかれお約束があります。

バレエ鑑賞にも同様のお約束がいくつか存在します。

バレエ鑑賞をこれから始めるあなたのために、ここでいくつかのものを紹介します。

・開演したあとはむりやり会場に入らない

バレエに限らず大抵のパフォーミングアーツの公演でひんしゅくを買う行動です。

厳に慎みましょう。

開演に遅れてしまった場合には、劇場の案内に従います。

基本は休憩時まで待っての入場になりますが、演目の隙間を縫って席まで案内してくれる場合もあります。

・背中は座席につけて鑑賞する

舞台に集中するあまり、どんどん前のめりになっていってしまう人いますよね。

あなたが前のめりになっていくにつれて後ろの席の方の怒りのボルテージもどんどん上がっていきます。

だって、前の人が座席に背中をつけてくれないと、後ろの席の人全然舞台が見えないのですもの。

「上演中は背中はお席」、鉄則です。

中には「前にのめらないと見えないし」っていう席もありますね、特にお子さんだと。その場合に備えて座布団を貸し出してくれる劇場もあります。

・上演中に音を立てない

これもあまりに当たり前のことですが、なぜかバレエ公演って音を立てる人が多いのです。

クラシック音楽の公演だと音を立てたらドひんしゅくですし、音を立てた人は会場全体の罵倒の対象にもなります。

それに比べたらバレエの公演は上演中の音には比較的寛容かも知れません。

そのためなのかなんなのか、ヘンなときにヘンな音を立てる人がけっこういるのです。

あめ玉をむく音とかオペラグラスを取り出す音とか・・・。

皆が気持ちよく舞台に集中できるように気をつけたいものですね。

上記どれも簡単なことばかりです。どうかしっかり心に留めて下さいね。

バレエを観に行こう!幕間のお楽しみあれこれ

バレエ公演に出向くと言うことはもちろん、舞台で繰り広げられる踊りそのものの感動を味わいにいくものです。でも実はバレエ公演って開幕前や幕間にもお楽しみが沢山あるのです。

まず、会場でしか手に入らないグッズがあります。

こう言うとアイドルのコンサートグッズのようですね。

実はバレエにも「公演オリジナルグッズ」がけっこうあるのです。

バレエ公演に来る層は自身も踊っている方も多いからか、実用性のあるTシャツやタオルの場合が多いように思いますが、中にはフレグランスやアクセサリーなどもあったりします。

バレエがモチーフなだけに、どのグッズもエレガント。

自分のためにはもちろん、ちょっとしたギフトにも最適です。

また、上映演目や出演者のDVDが販売されていることも多いですが、たいていの場合これらにも会場特典がつきます。

ポスターやファイルがほとんどですが、中には出演者登場のイベント参加券、なんていうお宝物件もあったりします。

そして幕間の最大(?)のお楽しみは、なんと言っても「バレエ公演は芸能人遭遇率がべらぼうに高い」ということでしょうか。

芸能人、特にモデル系の方々にはクラシックバレエ経験者が沢山いらっしゃいますが、皆さんバレエをご覧になることもお好きなようですね。

また、一流の芸術に触れることで感性を高める目的もあるのでしょうか、会場ではびっくりするような大物芸能人もよく見かけます。

バレエの観客のスゴイところは、どんな芸能人を会場で見かけようがギャーギャー大騒ぎすることはまずない、ってところです。

基本、ちらりと見た後知らんふりです。

もちろんみんな心の中では「○○見たっ!」ってミーハーに騒いでいます。

でもバレエの観客にとって、「舞台の上のダンサー以上の輝きは会場に存在しません!」が正しいスタンスなのです。

幕間の楽しさを覚えたとき、あなたはバレエ鑑賞のとりこになっているはずですよ。

バレエを観に行こう!「あら、この人ツウだわ」と周りに思わせる鑑賞道

むかしむかし、「見栄講座」(内容を一言で言えば、「お金持ち系遊び人」ぶるためのノウハウ本)なるものが日本を席巻したことがありました。

・・・リアルでご存じのあなた、アラフィフでしょうか?

その時代から幾星霜、「手っ取り早く形を覚えてその道のツウぶりたい」という気持ちは時代を問わず変わらないもの。「芸術に通じる知的さん」ぶりたいあなたに贈る、「見栄バレエ鑑賞講座」です。

まず、男性でバレエに通じている、それだけで素晴らしくオシャレで知的レベルが高いって思ってもらえること確実です。

その場合、一番大切なのがスケベ心を一切出さない、ということです。

バレエというのは一般に、お顔もおみ足も美しい女性が舞うもの。

ダンサーの美しい容姿に魅了されるのは男性としてある意味当たり前のことなのです。

でも、アイドルや芸能人を愛でるような目線でバレエダンサーを観ていることを公言しては「ツウ」とは言えません。

作品と音楽に魅了されていることを前面に出すのが「ツウ」への近道です。

そういえば少し前だと哲学、とか持ち出す男性もけっこういましたね。

これは女性でも同様。

特に20世紀終わりに男性ダンサーの活躍がめざましかったこともあり、ダンサーをアイドル的に愛でる女性は今でも数多くいらっしゃいます。

それはそれで確立されたスタイルではりますが、やはり「ツウ」をめざすにはミーハー心は封印するのがベター。

やはり男性同様作品や音楽のすばらしさに心を留めることで「ツウ」のオーラは一気に吹き上がります。

それプラス女性ならではの「バレエを観ると自分の美意識が高まる」=自分を高める手段としてのバレエ、というとらえ方を打ち出すのもなかなか粋であると思います。

バレエを観に行こう!同伴者別、作品選びのコツ

もちろんバレエは一人で観に行くのもオツなもの。

幕間にゆっくりとワインなどを傾けつつ、華やかな雰囲気に身を任せるのも、大人の余裕を感じさせるものです。

でも一緒に観る人がいると舞台鑑賞の楽しさもぐっと広がります。

感動の時間の共有は、何物にも代え難いものです。

できれば一緒に行く人に合わせた公演を選びたいものですね。

まず、一緒に行くのがご家族、しかもお子さんであるなら、やはり見終わったあとに幸せな気持ちになれるような、おとぎ話系の美しいバレエがおすすめです。

代表的な物が「眠りの森の美女」と「シンデレラ」でしょうか。

どちらもお姫様が幸せになって終わるハッピーエンドです。

ご家族でクリスマスシーズンに「くるみ割り人形」を見行けば、幸せな思い出としてお子さんの生涯の宝物になることでしょう。

恋人同士でバレエを見るなんて考えただけでうっとりしちゃいませんか?

いつもと違ったデートプランに、二人の関係も一層深まることでしょう。

おすすめの演目は「カップルが主役のもの」です。

代表的な物として「ロメオとジュリエット」と「ドン・キホーテ」です。

「ロメオとジュリエット」は悲恋のお話、「ドン・キホーテ」はハッピーエンド(カップルにとっては)と、結末は正反対ですが、この二つはどちらも恋する二人の情熱と疾走感を存分に感じることのできる作品です。

以上、代表的な作品を例に挙げましたが、バレエ作品は沢山あります。

公演によっては特定のテーマを設けているものもありますし、入門的な企画の公演も多くあります。

「この公演、○○さんにぴったり!」と思うものがあったら積極的にお誘いして、舞台の感動を共有できたら人生の楽しさも倍増しそうな気がしますよね。

バレエにちょっと詳しくなろう!世界のバレエ事情(ロシア編)

みなさんが思い描く「THEバレエ」のエッセンスは、すべてロシアバレエが源泉といって過言ではありません。

「白鳥の湖」を初めとする有名な古典バレエのふるさとはロシアなのです。

「白鳥の湖」を産んだ時代から現代まで、ロシアはバレエの王国でありつづけています。

そんなロシアを代表するバレエ団といえば、モスクワを拠点とするボリショイバレエとサンクト・ペテルスブルクを拠点とするマリンスキー(旧キーロフ)バレエです。

どちらも世界的に最高水準のバレエ団ですが、二つのバレエ団の個性ははっきりとした違いがあります。

ボリショイバレエはとにかくダイナミックさが特徴。特に男性舞踊手の踊りのダイナミックさはボリショイバレエならではのものです。

「ボリショイ=大きい」という意味なのですが、本拠地であるボリショイ劇場の舞台はとても広い!

その広い舞台せましとダイナミックな踊りを夜な夜な繰り広げています。

一方マリンスキーバレエは、ロマノフ王朝の都であったサンクト・ペテスルブルクで皇帝の庇護のもとに発展した歴史を持つバレエ団。

「眠りの森の美女」も「白鳥の湖」もこのバレエ団で初演をされたのです。

典雅で優雅な舞台が特徴です。

厳格なワガノワ・メソッドに則ったバレリーナの優雅な踊りは他のバレエ団を圧倒するものです。

近年ではこの二つのカンパニーの交流も進み、同じ公演で二つのバレエ団のダンサーの踊りを楽しむ機会もロシア国内外で多々あります。

ソチオリンピックの開会式・閉会式の、スヴェトラーナ・ザハロワやディアナ・ヴィシニョーワらロシアバレエの名花を惜しげもなく披露した、バレエ王国ロシアの面目躍如の演出は、世界中の人々の記憶に残るものとなりました。

バレエにちょっと詳しくなろう!世界のバレエ事情(アメリカ編)

アメリカを代表するバレエ団といえば、ニューヨークシティバレエとアメリカンバレエシアターの2つです。

ニューヨークシティバレエはその名の通りニューヨークのステイツシアターを、アメリカンバレエシアターは同じくニューヨークのメトロポリタンオペラハウスを拠点に活動しています。

また、ロシアから渡米した振付家ジョージ・バランシンによって創設されたニューヨークシティバレエ(NYCB)は、アメリカンカルチャーの象徴的存在と言われています。

バランシンは1933年の渡米から1983年に没するまで、音楽性に溢れる流麗なステップのバレエをニューヨークシティバレエに作り続けました。

特に作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーとのコラボレーションにより作り上げられた作品は、バレエ史に燦然と輝く名作揃いです。

バランシンの作品は今日世界中で上演されていますが、「音楽を純粋に視覚化」したと評される、スタイリッシュなバランシン振り付けのバレエは、クラシック音楽好きならずとも1度は見ておきたいものですね。

アメリカンバレエシアター(ABT)の特徴は何といってもその舞台のグラマラスさです。

アメリカンバレエシアターには世界中から集ったスターダンサーが多数在籍しています。

公演全てがガラパフォーマンスのごとき華やかさです。

そして、アメリカンバレエシアターのレパートリーは、バランシンの作品を主なレパートリーとするニューヨークシティバレエと比してはもちろん、世界中のカンパニー中で一、二を争う広さであることも特筆すべき点です。

「バレエの博物館」と自負する所以です。

どちらのバレエ団にも言えることは、アメリカという国を象徴するような陽気さを随所に感じるところでしょうか。

バレエにちょっと詳しくなろう!世界のバレエ事情(イギリス編)

シェイクスピアの国イギリスは、バレエにもそのお国柄が現れています。

イギリスを代表するバレエ団といえばロイヤルバレエですが、やはり数多くの「演劇的バレエ」のレパートリーを誇っています。

「演劇的バレエ」とはどんなものかと言いますと、バレエと言う動きによってストーリーのみならず人間の感情の機敏をも表現するものです。

ロイヤルバレエによって演じられる「演劇的バレエ」を見たらば、バレエの動きとはこうも情感溢れるものなのか、とバレエに対する認識を新たにすることとなるでしょう。

このような「演劇的バレエ」を多数作った振付家もまた、イギリスから輩出されました。

フレデリック・アシュトンとケネス・マクミラン、そしてジョン。クランコがその代表格ですが、三人とも後世まで残る名作を残した20世紀の巨匠でもあります。

アシュトンの演劇的バレエ代表作と言えば「シンデレラ」、「リーズの結婚」です。

どちらも細やかなステップに感情の機敏がたっぷり含まれています。

マクミランの振付は、人間の感情の美しい面だけはなく陰惨さからも目を背けることなく激しいトーンでバレエで表現し尽くしています。

マクミランと言えば何といっても「ロメオとジュリエット」と「マノン」でしょう。

両作品ともにバレリーナが踊ることを熱望する、圧倒的にドラマチックなバレエです。

ジョン・クランコはマクミランとは違い、人間の感情のほのかなうつろいを鮮やかに表現した「オネーギン」や「じゃじゃ馬ならし」などの佳作を世に残しました。

40代という若さで世を去ったのが惜しまれます。

そして21世紀の現在でも、このような演劇的バレエの佳作は、バーミンガム・ロイヤルバレエの芸術監督であるデイビット・ビントリーによって作り続けられ、世界のバレエファンに愛され続けています。

バレエにちょっと詳しくなろう!世界のバレエ事情(フランス編)

「王は踊る」という映画をご覧になったことがある人もいるでしょう。

映画の主人公は十七世紀フランスに「太陽王」として君臨したルイ14世です。

そのルイ14世がバレエを踊ることを熱愛したため、フランスには王立の舞踏アカデミーが設立されました。

そしてそれがフランスを現代に至るまでバレエの都と位置付けるきっかけとなりました。

21世紀の現在でも、フランスのパリオペラ座バレエ団は、世界に冠たるバレエの殿堂で有り続けています。

パリオペラ座への入団は、世界のバレエ団の中でも最高級に難しいため、ダンサーは皆俊英揃いです。

そしてバレエ団には6段階にも別れた階層制度があります。

その選び抜かれたダンサー達の最上位、エトワール(フランス語で「星」という意味)の位は、フランスではバレエ界のみならず社会的にも高い地位とされています。

エトワール達の踊りは、文字通り天上の星々が地上に降り立ったかのごとき煌めきがありますが、特に1980年代半ばから世紀をまたぐ頃にかけて活躍した、ルドルフ・ヌレエフが育て上げたエトワール達の煌めきは、類を見ないほどに傑出したものでした。

またフランスは、振り付けの世界でも類い希なる星々を世に送り出しています。

19世紀にロシアで「眠りの森の美女」や「白鳥の湖」をはじめとする作品を創り、古典バレエの父と言われるマリウス・プティパは実はフランス人なのです。

また、20世紀になってからは、バレエに哲学や思想を持ち込み、男性ダンサーの魅力を前面に現すことでバレエの新たな境地を切り開きモーリス・ベジヤールや、いかにもフランス的なエスプリの効いた作品で愛されたローラン・プティが代表的な振付家として挙げられます。

バレエにちょっと詳しくなろう!世界のバレエ事情(日本編)

今から100年ほど前、G.Vローシーというイタリア人によって日本にバレエが紹介されました。

ここでは日本のバレエ団や日本人ダンサーをご紹介します。

まず日本では主にダンサー、特に名バレリーナ達によって設立されたバレエ団が数多く存在します。

代表的なバレエ団として、牧阿佐美バレエ団、松山バレエ団、スターダンサーズバレエ団、小林紀子バレエシアター、そして熊川哲也さんによって設立されたK-BALLETがあります。

チャイコフスキー記念東京バレエ団は、舞台プロデューサーである佐々木忠次氏により設立されました。

これらのバレエ団はそれぞれ特色溢れるレパートリーを誇っています。

また、1997年の新国立劇場の開場に併せ、新国立劇場バレエが設立されました。

このバレエ団は海外の多くのバレエ団がそうであるように、専用の劇場(オペラハウス)を拠点として活動をする、日本で初めてのバレエ団です。

毎年10月~翌年7月までがシーズンとなっており、その期間には数々の演目の公演をこなします。

1974年に森下洋子さんがヴァルナ国際コンクールで金賞を受賞して以来、世界のバレエ界で日本人ダンサーのめざましい活躍は続いています。

前述の熊川哲也さんは日本人で始めて英国ロイヤルバレエのプリンシパル(最高位)ダンサーに昇りつめました。

胸のすくような回転と空中にとどまっているかのような跳躍でバレエ界を席巻しました。

同じ英国では、吉田都さんはバーミンガムロイヤルバレエでプリンシパルに昇進した後にロンドンのロイヤルバレエに移籍、長くロイヤルバレエの名花として活躍されました。

最近ではスウェーデンロイヤルバレエ団に所属の木田真理子さんがブノワ賞という大きな賞を獲得されました。

彼女はマッツ・エックという、稀代の振付家のジュリエットの舞台が評価されての受賞とのことですので、日本でもぜひ上演の機会があるとよいですね。

バレエをもっと知ろう!どうやってつま先(トウシューズ)で立ってるの?

バレエといえば「つま先立ち=トゥシューズ」ですね。

バレエを始めたばかりのお嬢さんなら、一日も早くトゥシューズで踊りたいと願っていることでしょう。

でも、一体全体人間がどうやってつま先立ちで自在に動けるのでしょう?

何か特別の仕掛けでもあるのでしょうか?

気になっている人のために、トゥシューズのしくみについてのお話を。

まず、多くの人が誤解していることとして、トゥシューズの地面に接する部分(プラットホーム)には鉄板などは入っていません。

布に糊状のものを塗り、乾燥させて固めてあるだけです。

なので、固いことは固いのですが、トゥシューズで安定して立つことが出来る原動力は「身体を引き上げる力」なのです。

この、「身体を引き上げる力」は、適切なバレエのレッスンを継続することで獲得出来るものです。

素人がちょっと試しにトゥシューズを履いて踊ってみる、ということをしてみてもまずもって無理なばかりか、怪我をする危険も大きいのです。

バレエのお教室でも、先生の許可があって始めてトゥシューズを履くことが出来るのでが、そのときの喜びは、バレエ経験者なら一生忘れないものなのです。

さて、実はトゥシューズと言うものは、買ってきたら直ぐに履いて踊れると言うものではありません。

手間隙かけてカスタムして後ようやく踊ることが出来るようになるのです。

まず、リボンを縫い付けます「あれってついてないの?」とびっくりするでしょう?

実はほとんどのトゥシューズに始めリボンはついていません。

またリボンだけでは脱げてしまうため、ゴムも縫い付けます。

それだけではなく足にフィットさせるために足底をガンガン打ちつけて柔らかくしたりもします。

中にはおろし金でガリガリ削ってしまうダンサーもいるのですよ!

そうして手間隙かけたトゥシューズの寿命はと言うと、「儚い」の一語に尽きます。

プロダンサーなら保って1週間、場合によっては一回履いてサヨウナラだったりもします。

そうはいってもやはりトゥシューズはバレエ最大の魅力のひとつですよね。

お仕事拝見、バレエダンサーの生活って?!

バレエダンサーは一つの職業です。

でも一体どんな生活なのか、なかなか想像出来ませんよね。

「欧米のバレエ団に所属する若手ダンサーの劇場シーズン中の一日」を例に取ってみてみましょう。

大体午前10時から11時の間に朝のバレエクラスが始まります。

これは毎日バーレッスンから始まり、基本的なテクニックをさらいます。

バレエダンサーは現役であるかぎり、ほぼ毎日バレエクラスを繰り返します。

バレエのテクニックを維持するためには日々の鍛練が欠かせないものなのです。

そしてバレエクラスが終わってからは、個々の作品の練習や公演のリハーサルが行われます。

若いダンサーはコールドバレエを担当することが多いのですが、他にも数多くの役をこなさなければならないので、出なくてはならないリハーサルは沢山あります。

また「アンダースタデイ」や「カバー」と呼ばれる、主役級の役の代役に選ばれた場合、その役のリハーサルにも出る必要があります。

これは主役ダンサーが踊れなくなった場合には大抜擢で一躍スターになる可能性もあるため、代役といえども真剣に取り組む必要があります。

リハーサルは大体夕方前に終了します。

公演のある日は指定時間までに楽屋入り(チェックイン)します。

リハーサルも楽屋入りも、決められたものに時刻通りに出席しない場合はペナルティの対象になってしまうため注意が必要です。

そして公演で踊りますが、前記の代役の場合、自分の出番のない公演でも不測の事態に備えて指定の時間まで劇場に留まります。

終演は大体午後10時過ぎ。ようやく一日が終わります。

この生活が劇場シーズン中の(大体10月から翌年7月)基本的なものです。

かなりハードですよね。

でも、舞台に立つ喜びは何物にも替えがたいものだそうですよ!

良いこと沢山!!大人になってから始めるバレエ

女の子なら誰もが一度はバレリーナにあこがれるのではないでしょうか。

そしてバレエのお教室に通いたいと願っても叶わずに月日が流れて大人になった方もいらっしゃるでしょう。

嬉しいことに今では成人向けバレエクラスは沢山あります。

プロのバレリーナになるのはちょっと難しいかもしれませんが、大人になってからレッスンを始めても、真面目に取り組めばトゥシューズで踊るのは夢ではありません!

ほんの少しの勇気を出して、お稽古場の門をたたいてみましょう。

スポーツクラブに通っているなら、多くのクラブにはバレエをベースにしたエクササイズがありますから、試してみることをお薦めします。

なかにはかなり本格的なバレエレッスンのプログラムもあります。

また、都市部ではオープンクラス(料金を支払えば参加することが出来る)を設けているダンススタジオも沢山あります。

入門からプロフェッショナルレベルまで細かくレベル設定がされているところも多いため、トライしやすくなっています。

また、カルチャーセンターや、主にお子さんが通うお教室でも平日午前や休日に「成人初心者」や「マダムクラス」を設けているところもあります。

いざバレエを始めてみると、ほんの些細にみえた動きがいかに大変なものであったか思い知らされます。

正直初めのうちは手も足も出ないかもしれません。

でも、美しい音楽に合わせて身体を動かすことに専念するうちに、身体も心も解きほぐされていくことを感じるはずです。

柔軟な身体と心はそのまま健康な身体と心に通じます。

続ければ間違いなくあなたは回りの人から「最近きれいになったね」と言われるでしょう。

そしてどんなダイエットエクササイズにでもなかなか到獲得できない「気品ある身体のラインと気品ある動作」を手に入れることができるのです。

さあ、始めて見ませんか?

バレエをもっと知ろう!超特急で語るバレエの歴史~ロマンから古典まで~

歴史を知ればどんなものでもずっとおもしろくなるもの。

ここではバレエの歴史について超特急で語っていきます。

バレエ発生の歴史は、ルネッサンス期のイタリアでの貴族による宮廷舞踊にさかのぼります。

それがメディチ家のお姫様カトリーヌ・ド・メディシスとフランス王アンリ2世の結婚によってフランスにもたらされます。

そして17世紀フランスでは太陽王ルイ14世の庇護のもとに王立舞踊アカデミーが設立され、発展していきます。

18世紀半ばには芸術としてロマン主義が台頭しますが、バレエもこのロマン主義の潮流にがっちり乗ります。

マリー・タリオーニら女性舞踊手による、エキソシチズムや異次元の世界への憧憬に溢れた「ロマンティック・バレエ」は世を熱狂させます。

現在でも残る当時の代表作として「ジゼル」があります。

この後バレエは急速に衰退し、パリにおいてはバレエ=大衆芸能と化していきます。

大きな理由としては「飽きられた」からですが、時代背景として普仏戦争の勃発や芸術では自然主義が台頭してきたことが挙げられます。

しかしヨーロッパ芸術文化の中心地であるパリでは衰退したものの、ヨーロッパの辺境、ロシアの地でバレエは皇帝の庇護の許に新たな花をさかせることとなるのです。

19世紀初頭にディドロが、そして19世紀半ばにはマリウス・プティパがペテルブルグへと向かいます。

この、マリウス・プティパはペテルブルクで「眠りの森の美女」「白鳥の湖」「ライモンダ」「ドン・キホーテ」などおよそ50作品を振り付けましたが、これらがすなわち「クラシック(古典)バレエ」と呼ばれ現在でもバレエの主要レパートリーとなっているものなのです。

芸術では普通「古典→ロマン」の時系列なのですが、バレエの場合は「ロマン→古典」の流れなのが特徴的であります。

知れば「文化人偏差値」爆上がり!バレエリュッスって何?

「バレエ・リュッス」と聞いてピン!とくるあなた。なかなか文化通ですね。

バレエに限らず「バレエ・リュッス」は20世紀芸術の一大テーマです。

なのでバレエ・リュッスについてちょっとした知識を披露すれば、周りの人のあなたを見る目を変わるかもしれませんよ。

バレエ・リュッス、正式名称は「セルゲイ・ディアギレフのロシアバレエ団」といいまして、活動期間は1909年から1929年となっております。

ゼルゲイ・ディアギレフとは元々はロシアの芸術愛好家ですが、バレエ・リュッスの活動で稀代の興行師となります。

そして1929年とは彼の没年です。

1909年にディアギレフがパリのシャトレ座でロシアのオペラとバレエの公演を行い、パリの人々に大きな衝撃を与えます。

特に西欧で衰退していたバレエの魅力に圧倒されます。

ロシアのバレエダンサーの高度な水準はもちろんですが、バレエ・リュッスの舞台のエキゾシチズムとエロティシズムに熱狂したのです。

当時の代表的な作品は「シェラザード」です。

オリエンタルな世界のハーレムを舞台にした、女主人と奴隷の恋物語は、踊り以上に斬新な舞台装置と衣装でパリを席巻し、ファッションのトレンドまでがらりと変えてしまうほどでした。

代表的なダンサーとして初期にはヴァスラフ・ニジンスキーやアンナ・パブロワ、タマラ・カルサヴィーナ、中・後期にはレオニード・マシーンやセルジュ・リファールがいます。

特に男性舞踊手ヴァスラフ・ニジンスキーの踊りがパリの人々に与えた衝撃は大変なものでした。

この、バレエ・リュッスの活動がバレエ再生の契機となっていくのです。

1929年のディアギレフの死後も、バレエ・リュッスの遺産は世界中に引き継がれて今日のバレエ界の礎となっています。

シャネル、コクトー、ピカソ、ストラヴィンスキー・・・みんなバレエ・リュッス仲間です。

バレエ・リュッスの何がすごかったのか、というと「関わった人達があまりに豪華」の一言につきるのではないでしょうか。

ディアギレフは初期にはロシア人芸術家を主に重用していましたが、次第にパリで活躍する新進芸術家にも目を向けます。

芸術愛好家ディアギレフの慧眼によって実現した、バレエと超一流芸術家達とのコラボレーションは21世紀の現在でも普遍の輝きを放っています。

まず音楽の分野でバレエ・リュッスに関わった面々を挙げますと、リムスキー・コルサコフが挙げられます、実は彼はディアギレフの音楽の先生だったのです。

ディアギレフ、実に恵まれた音楽環境に育ったのです。

その彼のお眼鏡にかなうのですからビッグネーム揃いになるのは当然、ドビュッシーは「牧神の午後」をストラヴィンスキーは「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」のストラヴィンスキー三大バレエをバレエ・リュッスに作曲しました。

どの作品も発表時に大変な話題となっています。

その他にはサティ、ファリャ、ミヨーなどがバレエ・リュッスの曲を手がけています。

舞台美術の世界も負けてはいません。ブノワ、バクスト、ゴロヴィン、ゴンチャロワなどのロシア人芸術家の他に、「パラード」の背景画がいまでも傑作として残るピカソ、バレエとモードの最初のコラボレーションであるシャネル、ルオーなどが手がけています。

シャネルはバレエ・リュッスのパトロネージュとしても有名です。

そして文芸の分野からはなんと言ってもコクトーでしょう。

このように綺羅星のごとき芸術家がバレエ・リュッスと関わったことが、バレエ・リュッスが解散した後にもバレエが芸術の一分野としての地位を維持していることにつながっているのです。

音楽あってのバレエです。バレエのために作られた音楽たち

バレエと音楽は切っても切れない関係です。

そもそもバレエとは音楽に振り付けをするわけですので、バレエのために作曲された曲は数多く存在します。

中でもバレエ音楽を作曲した人と言えば、まず誰もがご存知なのがチャイコフスキーでしょう。

「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」はチャイコフスキー三大バレエ曲としてクラシックコンサートでも度々取り上げられます。

どれもチャイコフスキーの面目躍如と言える華麗な旋律に彩られています。

特に「くるみ割り人形」は、チャイコフスキーの作曲の完成度の高さゆえ、振り付けが追い付かないほどだと評されたりもします。

チャイコフスキーと並ぶバレエ音楽の巨匠はストラヴィンスキーでしょう。ディアギレフの元でバレエリュッスのために作曲した作品と、アメリカでジョージ・バランシンのために作曲した作品、どちらも佳作揃いです。

そしてストラヴィンスキーにも三大バレエ曲が存在します。

「火の鳥」「ペトリューシュカ」「春の祭典」です。

ストラヴィンスキーの三大バレエ曲は、チャイコフスキーのもの以上にバレエを超えてクラシック音楽としても重要なポジションにあります。

特に「春の祭典」は、20世紀に作曲された最も重要かつ優れた曲の一つと言われるほどです。

この三曲、コンテンポラリーダンスの分野でも大変人気が高く、現在でも多くの振付家の創作意欲を掻き立て続けています。

プロコフィエフも素晴らしい曲をバレエに作ってくれました。

「ロメオとジュリエット」「シンデレラ」は彼の手によるものです。

実はチャイコフスキーもストラヴィンスキーもプロコフィエフも演奏する側にとっては難曲揃い。

バレエ公演で演奏下さる音楽家の皆さま、本当にありがとうございます。

チャイコフスキーの三大バレエについてのちょっとした知識

「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」は、チャイコフスキーの三大バレエと呼ばれています。

この中で最初に作曲されたのが「白鳥の湖」です。

ただ残念なことに初演時には振付家にもダンサーにも恵まれなかったため、失敗に終わってしまいました。

なので、次に帝室バレエから「眠りの森の美女」を委嘱された時には当初乗り気ではなかったと言われています。

しかし、ぺローのおとぎ話をもとにした台本が気に入り、振付家マリウス・プティパの細かい指示のもとに作曲を進めることとなります。

そのために「眠りの森の美女」は三大バレエのなかでも最も音楽と躍りとのステップが整合したものとなっています。

そののちに「白鳥の湖」のプティパとイワーノフによる蘇演があります。

これは1幕と3幕はプティパ、二幕と四幕はイワーノフの振り付けなのですが、華やかな技巧に満ちたプティパの振り付けと、コールドバレエを初めとする白鳥のムーブメントの美しさが際立つイワーノフの振り付けは、各章の音楽と大変マッチした素晴らしいものとなっています。

「くるみ割り人形」は、病に倒れたプティパに変わり、イワーノフが振り付けたのですが、音楽の完成度が極めて高かったため振り付けには苦心のあとが見られます。

しかし1幕終わり、「雪の情景」の振り付けでは、イワーノフの才能が輝いています。

緻密なフォーメーションを繰り広げるコールドバレエの美しさと音楽のコラボレーションは、見るもの全てを引き込みます。

チャイコフスキーの三大バレエはプティパ、イワーノフの振り付けが代表格でありますが、実は現代に至るまで数々の振付家が手掛けています。

色々と見比べてみるのも面白いものですよ。

あれ、結末が違う?不朽の名作「白鳥の湖」のお話

プティパとイワーノフによる振付の「白鳥の湖」は、クラシックバレエの王道中の王道。

誰もが思い浮かべるバレエのイメージ、白いチュチュのバレリーナの佇まいはこの作品からなのであります。

でも実はこの「白鳥の湖」、色々なバリェーションがあることをご存知でしょうか?

まず、舞台によって「結末が悲劇」と「結末がハッピーエンド」と、正反対なのです。

プティパ、イワーノフの振り付けのものは、本来オデット姫とジークフリート王子はロッドバルドの呪いに打ち勝つことが出来ずに死して天上で結ばれるのです。

(これはこれで幸せな結末と言う見方もあるでしょうが)。

しかし、後世に改訂された版ではプティパ、イワーノフの振付を基にしたものであってもオデット姫とジークフリート王子が呪いに打ち勝ち、オデットが人間の姿を取り戻して王子と結ばれるという正真正銘のハッピーエンドのものも存在します。

この代表的なものが、ブルメイステル版と呼ばれるものです。

ブルメイステル版は、プティパ、イワーノフ版とは音楽の使い方等も細かいところで違ったりするのですが、二幕の白鳥の情景がイワーノフのものをほぼ踏襲しているため、全体のトーンは、皆がイメージしている「白鳥の湖」を大きく逸脱することはありません。

そう考えるとチャイコフスキーとイワーノフの作り上げた二幕こそが「白鳥の湖」というバレエのエッセンスと言えるかもしれませんね。

そして、チャイコフスキーの音楽の秀逸さと物語の持つ普遍性(青年の葛藤と愛の試練)は、現代でも多くの振付家の制作意欲を掻き立て続けています。

中でも話題になったのが、イギリス人マシュー・ボーンが振り付たものです。

何と白鳥が全員男性!男性の白鳥と王子の愛の物語なのです。

スタイリッシュかつ衝撃的な展開ですが、観賞後には感動の嵐に包まれる作品です。

面白いのがこの舞台でもやはり二幕の白鳥の群踊は踏襲されていることです。

全員男性の白鳥の群踊、あなたは見たくありませんか?!

えっ、こんな曲も!?バレエになった音楽のお話

バレエのために作られた曲以外にも、バレエは多彩な音楽に振り付けられています。

なかには「この曲がバレエに?!」と驚くものもありますよ。

やはりクラシック音楽とバレエの縁は深いもの。作曲家や曲の形式を問わず、クラシック音楽に振り付けられたものは実に多いです。

交響曲丸々一曲、というものですと代表的なのが、モーリス・ベジャールがベートーベンの交響曲第9番に振り付けたものと、ジョージ・バランシンがビゼーの交響曲ハ長調に振り付けたものでしょう。

どちらも交響曲名=バレエ名です。

ジョン・ノイマイヤーの「椿姫」という作品は、同名オペラと筋は一緒ですが、音楽は全編ショパンの作品です。

ショパンの美しい旋律によって語られるヴィオレッタのはかない運命は、感動の涙を誘います。

ジャズもまたバレエになっています。

バランシンの「フー・ケアーズ?」は、ガーシュインの音楽に振り付けられていますが、バレエのテクニックとジャズのリズムの組合せが斬新です。

また、ローラン・プティは、デューク・エリントンをバレエに使いました。

作品名はズバリ「デューク・エリントンバレエ」です。

ちなみにローラン・プティ、ピンク・フロイドもバレエにしましたが、その作品名も「ピンク・フロイドバレエ」でした。

意外なことにロックとバレエもなかなか好相性で、ピンク・フロイド以外にクイーンも巨匠の手による素晴らしいバレエ作品となっています。

前述のモーリス・ベジャールが夭逝のダンサー、ジョルジュ・ドンとフレディ・マーキュリーへのオマージュとして作った「デス・フォー・ライフ」はバレエ公演と言うよりはロックコンサートのような感動と盛り上がりがあります。

他にも民族音楽や前衛音楽など、それこそ音楽ジャンルでバレエに使われていないものはないのでは?と言うほどに幅広いものなのです。

身体は雄弁、バレエで語られる「おはなし」たち

バレエの題材は実はとっても幅広いものです。

「えっ、こんなことまで」とバレエの表現力に驚かされますよ。

まず、男女の恋愛模様はバレエに限らず芸術作品の一大テーマです。

男女の踊り、パ・ドゥ・ドゥという表現方法が備わっているバレエには得意分野とさえ言えるかもしれませんね。

なので、バレエで語られる恋愛は実に多彩ですし愛情表現も多弁です。

甘い愛の物語や美しい悲恋は勿論ですが、イギリスの振付家ケネス・マクミランは、男女の性的接触にも大胆に踏み込んだ、時には見るものに痛みまで感じさせられるほどの題材をバレエの動きで現しました。

思想や哲学もバレエによって表現されています。

これは特にモーリス・ベジャールの発表した作品によって一躍脚光を浴びました。

バレエを、所謂文化人と呼ばれる人々が「語るに資するもの」 と見なしたのは、ひとえにベジャールの功績といって良いでしょう。

踊りのスタイルはベジャールと全く異なりますが、ウィリアム・フォーサイスは哲学や時にはユーグリット言論までバレエで表そうとしました。

バレエは時事問題もテーマにしています。

自然破壊をテーマにしたものとして、デイビット・ビントリーが振り付けた「スティルライフ・アットペンギンカフェ」が有名です。

ペンギンカフェオーケストラの曲に合わせて絶滅危惧種の動物たち(ダンサーは動物の頭の被り物)が踊りまくります。

また、実際にあった殺人事件を取り上げた作品もあります。

アグネス・デ・ミル振り付けの「フォールリバー伝説」です。

十九世紀のアメリカの田舎町の出来事ですが、事件に至る背景である当時の女性の閉塞感の描写は圧巻の一語に尽きます。

バレエの表現力、無限の可能性があります。

バレエの華、「パ・ドゥ・ドゥ」ってどんなもの?

バレエ用語はフランス語が基本。「パ・ドゥ・ドゥ」もしかりです。

直訳するなら「二人のステップ」という感じですが、バレエ上では「二人(基本的には男女)での踊り」の意味で使われます。

パ・ドゥ・ドゥ形式の踊りは、バレエ作品の随所にちりばめられているため、バレエ鑑賞はまずパ・ドゥ・ドゥのみどころを押さえるところから始まるといっても差し支えないでしょう。

パ・ドゥ・ドゥのなかでも特徴的なものに「グラン・パ・ドゥ・ドゥ」があります。

これは、マリウス・プティパによって作り上げられたもので、有名な古典バレエ作品のクライマックスには必ずといってもよいほどグラン・パ・ドゥ・ドゥが登場します。

グラン・パ・ドゥ・ドゥの構成は、アダージオと呼ばれる男女での踊りから幕を明け、男性のヴァリェーション(一人での踊り)、女性ヴァリェーションと続きます。

そしてコーダと呼ばれる二人の踊りで締めくられます。

アダージオは二人の息のあった流れるような動きやパ・ドゥ・ドゥならではのリフトがみどころです。

男女別々のヴァリェーションでは、女性の踊りではポワント(トゥシューズ)での高度なステップ、男性の踊りでは跳躍力や回転の技が披露されます。

そしてコーダ。

男性も女性も舞台に登場する仕方からして「跳びながら」とか「回りながら」なことが多く、派手かつ華やかな技巧が繰り広げられます。

バレエ漫画で必ずと言ってよいくらい取り上げられる超難度技「32回転のグラン・フェッテ」はここで行われます。

フェッテが得意なダンサーだと、1回転のところを2回転する大技をバンバン入れてくれたりして会場も大いに盛り上がります(逆に苦手な人だとハラハラドキドキで会場中が手に汗握ることになります。)

グラン・パ・ドゥ・ドゥはぜひ会場で鑑賞してほしいもの。

会場一体となって踊り終わったダンサーに賛辞の拍手を送る喜びは何物にも替えがたいものです。

何事も分類があります。バレエ作品にもあります。

どんな分野でも、分類することでガゼン分かりやすくなるもの。

ここではバレエ作品の代表的かつ大まかな分類を見ていきます。

・「古典(クラシック)もの」「現代もの」

これは制作された年代による分類です。

ボーダーラインはバレエ・リュッス以前、以後と考えるのが基本です。

また、この場合の「古典(クラシック)」には、ロマンティックバレエの作品も含めるのが通例です。

・「全幕もの(幕もの、という場合も)」「一幕もの」

これは作品の長さでの分類です。全幕ものとは一公演すべてがこの作品上演にかかる長さのものです。

「白鳥の湖」などの古典バレエはほぼこれに当たりますが、現代でも沢山の全幕バレエが制作されています。

一幕ものとは、文字通り一幕の長さ(30分~長くて一時間)の作品です。

現代バレエには、この一幕ものに佳作が揃っています。

・「ストーリーバレエ」「アブストラクトバレエ」

何だか専門的でかっこいい響きですね。

「ストーリーバレエ」=バレエで物語を表現するもの。

「アブストラクト(抽象)バレエ」=音楽に乗せて踊りそのものを見せるもの、のことです。

・「姫もの」「娘もの」「赤黒もの」

これは主に古典バレエの作品を、主役女性のキャラクターで分類した言い方です。

「姫」=文字通りプリンセスが主役のもの、「白鳥の湖」や「眠りの森の美女」。

「ライモンダ」などがこれに当たります。

「娘」=素朴な村(町)娘が主役のもの。

「ジゼル」や「リゼット」が代表作です。

「赤黒」=衣装がこの色。基本的にスペインなどの南欧が舞台で情熱的なキャラクターの女の子です。

「ドン・キホーテ」や「エスメラルダ」、また、白鳥の湖でも3幕のオディールはこれに当たります。

以上、大雑把ですが、分類を知っているとバレエの公演情報を見たときにイメージがしやすくなりますよ。

お稽古デビューの前に知りたい!バレエレッスンの中味って?!

バレエのお稽古を始めたいけど一体どんなことをするのかしら?

プロフェッショナルクラスではなく「大人の初級者レベル」のお稽古の中味、以外と知られていないのではないでしょうか?

「大人のためのバレエ」という名称で開設されているクラスですと、大体クラスの初めの三分の一の時間はストレッチに当てています。

ストレッチというと、ぎゅーぎゅー押されて悲鳴をあげるのか、と辟易してしまうかも知れませんね。

でもそこはバレエ。ストレッチも優雅です。

美しい音楽に乗せてまるで踊っているかのようです。

これだけでバレエ心はアゲアゲになること請け合いです。

現に「バレエストレッチ」というクラスがカルチャーセンターやフィットネスクラブには存在するくらいですからね。

その後にバーレッスン。

大抵はプロフェッショナルレベルと同じ内容をやや易しくしたものです。

分からなくても前の人の動きを見ていれば大抵は何とかなるものです。ですので、本当に初心者の場合、バーレッスンのポジションは、バーのはじっこを避けるのか無難です。

バーレッスンが終わったらいよいよセンター。

初級レベルであってもしっかり「私、バレエ踊ってる!」という高揚感を感じさせてくれる、短いアンシェヌマン(動きの組み合わせ)を考えるのがバレエ教師の腕のみせどころです。

ちょっとしたジャンプや回転もここでトライします。

レッスンの最後はクールダウンを兼ねたレヴェランス(バレエの優雅なあいさつ)で締めくくります。

本格的なレッスンは90分ですが、初級クラスですと60分なことが多いです。

でも60分しっかりお稽古すると、信じられないくらい汗が出ますし、汗と共にモヤモヤしたストレスも流されていきます。

手軽なデトックスとしても最適。ぜひトライしてみて下さいね。

お稽古デビューの前に知りたい!これだけあれば大丈夫。レッスンに必要なもの

バレエ体験レッスンの「当日の服装」欄には、おおむね「動きやすい服装と靴下」と記されているようですね。

勿論その通りで全く構いません。

でも、「やっぱりもうちょっとバレエ心を盛り上げる格好はないのかしら」、とオシャレな女性なら考えてしまうもの。

ちょっとバレエをかじりたいあなたに送る、ミニマムなバレエグッズ情報です。
オシャレもバレエもまず足元から。

体験ではくるぶしの長さ、、もしくはパンプスのなかにはくソックスでも何とかなりますが、出来ることならその段階から「バレエシューズ」があったらグッドです。

あ、バレエシューズといっても小学生の履くそれとか、街ではくペタンコ靴ではありませんよ!

バレエ専門店で購入下さいね。今はネットでも購入出来ますが、出来ることならためしばきしたいもの。

ネットで購入する場合でしたら普段の靴のサイズよりもワンサイズから一センチ小さめのものを選ぶのと失敗が少ないです。(これはお店でも同様です。きついくらいがちょうど良いでしょう。)
実は靴さえ決まればレッスンに着る服は本当に「動きやすい服」でオッケーです。

でも注意することが一つ。

それは、膝の動きがしっかりわかるものを着ることです。

要するにタイツかレギンスです。

上はビッグシルエットのTシャツでも構いませんが、バレエは膝の動きが肝心要です。

バレエ教師は最もそこに注目したいのです。

ちなみにヒップホップ系の方がその格好でバレエクラスを受けたときにパンツの裾を膝上までめくらされたという話を聞いたことがあります。

勿論バレエクラスの正統的スタイルといえばレオタードに巻きスカートにピンクタイツ!

どうせなら靴を買いにいくついでにこの三点セットを揃えちゃうことをお薦めします。

というか靴を買いにいったら絶対欲しくなっちゃいますね。

だってバレエのお稽古ウェア、ものすごく可愛いのが多いのですもの。くれぐれも買いすぎにご用心を。

実は名作揃い!!バレエがテーマの映画、漫画について

バレエというのは存在そのものがドラマティック。

そのためか、バレエをテーマとした映画は数多く存在します。

中でも誰もがご存知なのが、1981年公開のフランス映画「愛と哀しみのボレロ」でしょう。

バラバラに始まった四つの物語が物語最後のチャリティー公演で一つになる、そのシーンで踊られているのがモーリス・ベジャール振付のボレロです。

ラヴェルの曲に合わせて、静謐の始まりからから熱狂のクライマックスへと向かっていく振り付けと、踊るジョルジュ・ドンの圧倒的な存在感がこの映画の要となっています。

この映画がきっかけとなってバレエに興味を持たれた方も沢山いるのでは。

最近のものでは、ナタリー・ポートマンの体当たりの演技が光る「ブラックスワン」が話題となりました。

ナタリー・ポートマン自身によって演じられたバレエシーンの美しさが印象的な映画です。

ポートマン、後にこの映画を振り付けたベンジャミン・ミルピエと結婚することとなりましたが、ミルピエ氏は2015年シーズンよりパリオペラ座バレエ団の芸術監督となることが決まっています。

最後にご紹介するのが1948年のイギリス映画「赤い靴」です。

これはアンデルセンの童話を下敷きにした作品です。

一人のバレリーナが辣腕プロデューサに見いだされ一躍スターバレリーナへ。

でも当時のスターバレリーナの習いとして恋愛はご法度です。

女性としての幸せとバレエとの板挟みになった主人公を悲劇がおそいます。

この映画のみどころは作中に挿入されたバレエ「赤い靴」です。

主役のモイラ・シアラーの可憐さと、作中に不気味な靴屋として登場するロバート・ヘルプマン(当作の振付家)の存在感は圧巻ものです。

他にも数多くの名作バレエ映画があります。「映画で楽しむバレエ」、なかなかオツなものです。

とにかくドラマティック!名作バレエ漫画について

戦後日本でバレエというものが一般に知られそれがブームとなるに従って、少女漫画(まれに少年誌)でも「バレエ漫画ブーム」が起こりました。

第一次ブームは1950年代から70年代くらい。

少女誌の中で可憐な少女達が「夢のようなバレエの世界(ドロドロ話であっても、あくまでもファンタジ的な世界)」を繰り広げていました。

そんな中で1971年から連載が開始された山岸涼子の「アラベスク」はそれまでのバレエ漫画とは一線を画するものでした。

一言で言えば「とにかくリアル」だったのです。

旧ソ連の国立バレエ学校を舞台にしたものですが、ダンサーの葛藤や当時のバレエ界の舞台裏のみならず、バレエというものの芸術性や哲学にまで踏み込んだ内容の濃さはもちろんですが、本来非常に画力が高い上に自身もバレエ経験者であったという山岸涼子の描くダンサーの体は、他の漫画家のそれとは全く違うものでした。

山岸涼子の描くダンサー、確実に「踊れます」。

他のバレエ漫画ですと、絵的に美しくてデッサンも狂っていないのにも関わらず、骨格や筋肉という観点(難しく言うとアナトミーとかキネオロジーって言い方です。)

からは大変残念なものが多いのですが、山岸涼子のダンサーはこれがぴたっと決まっています。

山岸涼子は「アラベスク」後も主に短編でバレエを題材にした漫画を発表していましたが、2000年より長編「舞姫 テレプシコーラ」を発表。これは舞台が現代日本です。

この作品もまた「圧倒的にリアル」なものです。

正直、「こんなことまで描いちゃってよいの・・・」とバレエマニアがはらはらするほどに徹底的にバレエの歪みや醜悪さにまで踏み込んだ傑作中の傑作です。

バレエ漫画はバレエガイドブックとして最良のものです。

舞台で踊るダンサー達の輝きが、いかに多くの犠牲(あえてこの言い方をします)の上に成り立つ尊いものなのか、是非ともバレエ漫画を一読してから劇場に赴いていただきたいです。

踊り心が弾みます。フィギュアスケートでのバレエ音楽(女子、男子編)

音に合わせて体を動かした、というか踊ったことがある人なら実感しているでしょうが、どんなにメロディーが素晴らしくても、踊りにハマらない曲ってけっこうあるものです。

その点バレエのために作られた音楽というのは、おおむね「ステップを踏みやすい」リズム構成になっています。

なので、音楽に合わせた振り付けの中で技術を披露する競技では、バレエ音楽は大変重用されています。

中でもフィギュアスケートではスケーターの国籍や年代を問わず、毎年多くの選手がプログラムに取り入れています。

最近ではソチオリンピックでのアメリカのグレイシー・ゴールド選手の「眠りの森の美女」の序曲とローズアダージオを組み合わせたプログラムが印象的でした。

日本人選手ですと、やはり安藤美姫選手の「火の鳥」は安藤選手の個性とマッチしたすばらしいプログラムでした。

中野友加里選手もこの曲を使用していましたが、安藤選手とはまた違ったトーンの、火の鳥の力強さを感じさせていました。

中野選手は他にもバレエ音楽を使ったプログラムが多く、「ジゼル」や「シンデレラ」でも、中野選手の清楚な魅力を存分にアピールしていました。

浅田真央選手のバレエ音楽使用プログラムというと「白鳥の湖」がありました。

このプログラムはロシア人コーチタチアナ・タラソワが振り付けたものです。

白鳥の湖三幕、黒鳥のパ・ドゥ・ドゥの音楽に乗せて難度の高い技を次々と繰り出すさま、特に終盤部のステップシークエンスと呼ばれる部分の怒濤の動きは圧巻の一言でした。

浅田真央選手の「黒鳥(あえて「白鳥の湖」はなく)」は、ある意味バレエのどんな振り付けのものよりも、チャイコフスキーの曲の輝きを引き出したものであったと言えました。

踊り心が弾みます。フィギュアスケートでのバレエ音楽(男子編)

男子フィギュアスケートの世界でもバレエ音楽は大人気。

なかでも毎年必ず誰かが滑っている、定番中の定番といえば「ドン・キホーテ」ではないでしょうか。

細かく言えば三幕のグラン・パ・ドゥ・ドゥの音楽。

多分耳にしただけで「ああ、この曲ね。」ってなると思います。

ドン・キホーテを作曲したのはミンスクという人ですが、この方は他にも「海賊」「ラ・バヤデール」「パキータ」などのバレエ音楽を作曲しています。

そして、これらはどれもフィギュアスケートでも使われる頻度が高い、言うなれば超重要作品たちです。

実はミンスクの音楽ってどれもあまりに踊りに特化しすぎていて(要は「ブンチャッチャーブンチャッチャー」の繰り返し)曲だけ聴くと退屈だったりしますが、踊り映えという点では群を抜いているのです。

日本人選手でも毎年誰かがプログラムに「ドン・キホーテ」を使っていて、どれも素晴らしいものですが、「忘れられないドン・キ」というとやはりカルガリーオリンピックでのヴィクトール・ペトレンコ選手のものを挙げる人が多いのでは。

ペトレンコ選手、実際大変なバレエの名手でもあったことは有名です。

ドン・キ以外ですとやはり人気(?!)は「ロメオとジュリエット」。

羽生選手にはロメオのプログラムが二つありますが、残念ながらどちらもプロコフィエフのバレエ音楽ではないものでした。

高橋大輔選手がプロコフィエフのロメオをフリー使っていますが、そのときのショートがヒップホップ調に編曲された「白鳥の湖」でした。

また、ソチオリンピックでは町田樹選手の「火の鳥」が多くの人の印象に残りました。

そういえば町田選手、「火の鳥」の前のフリープログラムは「ドン・キホーテ」でしたね。

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