世界と日本の歴史の違い、動向、つながり関係とは?

世界と日本の歴史の違い、動向、つながり関係とは?

国家(あるいは政治体制)を倒す手段に「戦争」と「革命」とがありました。過去形の表現にしたのは、今の国際社会では両者とも簡単には起こし得ないからです。しかし、まったく起こせないわけではないので、注意は必要です。

なお、最近はマネーが露骨に社会の表に出るようになり、負債で国が破綻する可能性が出てきました。軍事力でも、知力でも、倫理力でもなく、金が全ての頂点に立つ社会にすると誰が決めたのでしょうか。なお、大航海時代には宗教が違うと国が滅ぼされる事例もありました。

国家の滅亡

革命はその国の不満分子がそれまでの支配者を倒して政権を把握する事態です。よく知られている事例に、フランス革命とロシア革命があります。どちらもそれまでの王政が倒され、王族は悲惨な最期を迎えました。

しかし、フランスとロシアだけで起き、ヨーロッパの他の国で起きなかったのは何故でしょうか。

革命の種はその国に住む民衆だと思うのは軽率かもしれません。外から煽動する勢力がいるかもしれないからです。戦前のわが国が共産主義者による国家転覆を恐れたことはご存知でしょう。この場合も日本人の共産主義者を煽動する勢力がいたとは思いませんか。

戦争によっても国家は滅亡させられます。第2次世界大戦ではナチスドイツとイタリアと日本が敗戦国になりました。ドイツはヒットラーの死で国家元首がいなくなりました。「参った」と言う当事者がいなくなったのです。

ポツダム宣言を受諾した日本に対し、その履行を監視するため軍隊が駐留し、マッカーサー元帥を長とするGHQによる占領支配が始まりました。

占領の初期の段階でGHQが作成した憲法草稿を修正する形で日本国憲法が成立し、象徴天皇を元首とする新たな国の形が作られました。戦前の日本と戦後の日本は同じ国ではないのです。

憲法への分裂促進剤の注入

日本国憲法には国と国民とを一体にさせない仕掛けが組み込まれていると言われます。換言すれば分裂を促す要素が注入されているのです。

例えば、「戦前の家」としてのまとまりを壊し、夫婦単位のまとまりにしました。戦前の家は親族を強くまとめていたため壊すのが大変だったのです。そして家父長制を廃し、夫婦をすべての面で平等にすると、家庭も分裂し易くなります。夫婦別性を認めればさらに崩壊を助長するかもしれません。

天皇と国民とのつながりも大幅に弱められています。人間としての天皇であり、象徴としての天皇であり、主権は国民にあるとされます。

個人には基本的人権や自由・平等を保障しました。これは家庭においても個人単位に分裂する要因となり得ます。

人権や自由は義務も伴うものですが、憲法では納税などの最小限の規定しかないようです。

個人情報保護法の悪い意味での徹底も、家庭における親と子、夫と妻との分裂を助長させるでしょう。

このような施策を進めるための錦の御旗となるのが自由と平等です。ところで、自由と平等とは両立するのでしょうか。自由と平等とは、現実世界には存在し得ない造花かもしれないのです。

素直な見方でないと思うかもしれませんが、日本国憲法には社会や家庭をバラバラにし、紐帯を壊す要因が随所に組み込まれているようです。国家も家庭も個人も、分裂しないように注意しなければなりません。分裂を歓迎する人々がいるかもしれません。分裂すると自壊しやすくなるだけでなく、他国の手による崩壊も容易になるのです。

世界と日本 (2) 暴発を抑制しよう、国も個人も知力で対処

どうにも我慢できなくなって、自分の思いをそのまま口にしたり、行動に出したりして、取り返しのつかない事態になることがあります。個人でも、国家でも、起こり得ることです。後悔しても後の祭です。

我慢できずに暴発する

浅野内匠頭が殿中で吉良上野介に刃傷に及んだ事件も暴発の例です。「ならぬ堪忍するが堪忍」とひたすら耐えて欲しかったのですが、世故に不慣れな若い殿様には無理だったのでしょう。ならば重臣が暴発の防止策を事前に講じるべきです。
謝って許してもらえる場合もあるでしょうが、そうならない場合はおしまいです。「こんな会社にいてやるものか」と思うだけならよいのですが、口に出したらそのままでは済まないことを覚悟すべきです。
だから感情を制御する力を養うべきです。よい人生をもてない可能性が高まります。ところが学校では感情を制御する方法を教えてくれません。小さい時は両親がしつけてくれますが、ある程度の年齢になったら自分が意識的に鍛えねばなりません。しかし、算数や数学のようにこれを学べばよいという学習メニューがありません。その気になれば何からでも学べるでしょうが、その気がないと教科書は見つかりません。

我慢力を養う

各人は人生観、信条、人柄、信念などをもとに、知識と知恵を使って個々の課題・問題に対応します。だから我慢力の源泉も知識と知恵にあります。ひたすら耐え忍ぶのは基本要素にすぎません。子供は発展途中ですから当然ですが、知力が乏しいと、人も、民族も、企業も、国家も暴発しやすいのです。
社会活動に関係する我慢の対象には例えば以下のような事がらあります。
・人間関係や外交関係に対しての暴発を抑える。
相手の態度、行動、要求、主張などに対して不満がある場合です。
・職務の大変さに対しての暴発を抑える。
・職務内容に対しての暴発を抑える。
・待遇・処遇の不適切さに対しての暴発を抑える。

これらに対する我慢力の源泉は以下のような事がらでしょう。なお、自己の立場などは当然わきまえていることが前提です。
・相手を知る。
・主張そのものを知る。
・主張の背景を知る。
・相手の立場や抱えている事情を知る。
・相手が依拠する母体を知る。
・相手がなした過去の事例を知る。
・相手の狙いを知る。

例を挙げましょう。例えばハル・ノートです。
ハル国務長官が大統領の指示で1941年11月26日に野村大使に手交したハル・ノートへの日本の対応です。この文書には日本がどうしても承服できない条項が幾つも含まれていました。欧米や中国などは権謀術数の外交経験が豊富ですが、この種の経験に乏しい日本はハル・ノート手交の裏事情を読めず、米国との戦争に踏み切る動機となりました。欧州戦線に参戦することへの国民の同意を得たいルーズベルト大統領政権がしかけた罠です。日本を怒らせるような条項のオンパレードは当然です。日本はものの見事に罠にはまったのです。大統領は外国での戦争に若者の血を流さないことを公約して当選したのです。真珠湾への攻撃を事前に把握していてもハワイ基地には知らせなかったほどです。
わが国は積極的にハル・ノートを受諾し、その実行は様々な理由をつけてのらりくらりと遅らせればよかったのです。なお単に受諾するだけでなく、アジア・アフリカ諸国の植民地支配からの解放と、共産主義者による国家の破壊工作の禁止を声高に主張することも忘れてはなりません。
スパイ天国といわれた日本も、最近は情報の管理を改善しようとしているようです。大切な情報の漏洩を防止することと、世界情報を正規な方法で収集し、分析・評価できる国にならないと独立国とは言えないでしょう。それにしても大学の教養教育を軽視する文部省の姿勢は問題です。本稿で扱った暴発抑止能力の育成に関与する大切な学問分野だと信じるからです。

スポンサーリンク
広告代

世界と日本 (3)  ソフトが得意な国、ハードが得意な国

電子機器の実現手段にはハードウェア方式とソフトウェア方式とがあります。前者は機能のすべてを物理的な素材や部品で実現します。後者は機能の殆どをソフトウェアで実現しますが、ソフトウェアを動かすのに必要な機能だけはハードウェア方式で実現します。ハードウェア方式が基本的な方式で、ソフトウェア方式が派生的な方式です。両者は両極に位置する方式で、現実には両方式の中間の方式が用いられます。

ソフトが得意、ハードが得意

(1) コンピュータ

コンピュータはソフトウェアを動かすためのハードウェアと、コンピュータを機能させるために必要なソフトウェアとがあります。このソフトウェアには、(A) コンピュータハードウェアに直接かかわるソフトウェア、(B) アプリケーション・プログラムを動かすためのソフトウェア、(C) 個々の業務のためのソフトウェアに分けられます。(A)と(B)はオペレーティングシステムと呼ばれ、Windowsや Linuxなどの名で知られています。(C)は汎用的な業務のソフトウェア(メールサーバー、ウエブサーバー、マイクロソフト社のオフィスなど)以外は使う企業の責任で開発します。
説明は省きますが、コンピュータハードウェアの設計も論理設計と物理設計とに分かれ、論理設計はソフトウェアの設計と根は同じです。(B)や(C)の範疇で社会を大きく変革したソフトウェアは日本からは生まれていません。日本人には大規模ソフトウェアの開発は不得手のようです。大きな事物について、着想し、構想を進め、次第に具体化して行き、最後にすべてを実在化させる壮大な規模の事業をなし遂げる適性は日本人にはないようです。アレキサンダーやカエサルの血が流れてないのかもしれません。

(2) コンピュータ制御機器の開発

日本の優れたもの作りを代表する製品に、自動車やウォッシュレットや炊飯器やロボットなどがあります。いずれもマイコンが搭載されています。自動車はやや規模が大きいですが、他の機器は規模も適正なサイズで、日本人が扱える範囲です。さらに様々な機器や機能部品のマイコン化を進めて世界の先頭を走りたいところです。ソフトウェアとハードウェアの技術者の育成は大切ですが、ソフトウェアとハードウェアの両方に精通する技術者の育成はもっと大切です。ソフトウェアとハードウェアの機能分担を的確に判断すべき技術者だからです。電気工学科や情報工学科の学生の教育も大切ですが、応用物理の学生の教育が必要です。

社会活動をソフトとハードの視点でみる

コンピュータから離れて思考範囲をさらに広げます。

(1) 貨幣制度について

金貨や銀貨、あるいは兌換紙幣が流通する社会は一種のハードウェア方式の社会です。貨幣や紙幣には金(ゴールド)への裏づけがあるからです。政府は発行済の兌換紙幣に相当する金(ゴールド)をもたねばなりません。他方、金(ゴールド)の裏づけのない不換紙幣が流通する社会はソフトウェア方式の社会です。政府が信用の源です。信用を保てるなら不換紙幣の発行量を増やすこともできます。今日の世界は不換紙幣が流通する社会ですが、実体経済との差の大きい英米などは超ソフトウェア方式の国で、差の少ない日本のような国は原始的ソフトウェア方式の国と言えるでしょう。不換紙幣は見方を変えれば単なる紙片です。政府が信用を失うと紙くず同然になります。

(2) 産業について

鉱物資源、木材、漁業、農業、工業生産などの産業を主体とする国はハードウェア方式の国で、米国や英国のように債権・証券の売買などの金融を主体とする国はソフトウェア方式の国といえます。製造業や農業が健在なわが国はハードウェア方式の国です。麻薬や兵器の売買で富を得る国も準ソフトウェア方式の国かもしれません。

(3) 情報収集活動について

政治経済に関する情報収集は国家の政策運営に不可欠な活動です。情報収集を大使館など出先機関の要員によって得る方式をハードウェア方式と言うなら、コンピュータ中の情報ファイルやネットワークを流れる情報から得る方式はソフトウェア方式と言えましょう。米英や中国や北朝鮮などはソフトウェア方式の国ですが、スパイ天国などと揶揄されかねないわが国は非常に遅れたハードウェア方式の国です。

(4) 最後に

ハードウェア方式の国とソフトウェア方式の国とが混在する場合、ハードウェア方式の国は競争に負ける可能性が高いので注意しなければなりません。自国を大切に思うなら、この点を注意して国民の義務を果たさねばなりません。

世界と日本 (4) 搾取のない日本

理想の国とはどんな国でしょう。ひとつだけ選べと言われたら何にしますか。機会均等を保障する国でしょうか。官僚など支配者層の腐敗のない国でしょうか。思想や行動の自由が保障される国でしょうか。兵役義務のない国でしょうか。

複雑な社会では3字から15字程度で理想の国を表現しても、様々な問題を含むことは避けられません。例えば、教育における機会均等です。機会均等の本旨は、民族、肌、宗教、社会的身分、貧富などの違いにより就学の機会が差別されないことだと思います。例えば昔のヨーロッパの多くの国では、ユダヤ人には教育の門を閉ざしていたようです。

君主の非搾取、あるいは君民共治

ユダヤの老師モルデカイ・モーゼ師は著書「日本人に謝りたい」の中で、ユダヤ人思想家ジャン・ジャック・ルソーが「社会契約論」のなかで、「人もし随意に祖国を選べというなら、君主と人民の間に利害関係の対立のない国を選ぶ。自分は君民共治を理想とするが、そのようなものが地上に存在するはずもないだろう。したがって自分は止むを得ず民主主義を選ぶのである。」・・・と述べていることを紹介しています。ルソーの理想の国は、国のないユダヤ人はもちろん、すべての人にも理想の国だったかもしれません。

だがそのような国が地球上にある筈がないと思っていたようです。ところが、ポツダム宣言を受諾したわが国に進駐した人々のなかに、天皇のいる日本がまさにそのような国であることをはじめて知った人たちがいたようです。昭和天皇がマッカーサー元帥への面会に赴いた時のことです。天皇は開口一番、自分のことはどうなってもよいから、国民を救って欲しいという趣旨のことばを述べられたそうです。

自分の生命と財産の保証を求めて亡命を頼みに来たものと予想していたマッカーサー司令長官は驚くわけです。日本国民は天皇が亡命を希望することなど想像すらしませんが、欧米の流儀では亡命を望まない天皇など想像できなかったのかもしれません。

搾取のない日本を再び

日本以外の国では、君主が民衆から搾取するのは普通のことで、不思議でも何でもありません。蓄財は国外に預けておき、いざという時には亡命するのです。これは西欧人(正確には日本人以外)の基本的な考え方なのでしょう。国王の重臣や、現代の企業経営者や高級官吏の似たような行動が報道されます。企業経営者たちの高額の報酬も同様な考えに基づいているのでしょう。わが国の義業でも、日産、ソニー、銀行経営者、ソフトバンクなどの経営者の高額な報酬が時折報じられます。

かつてのわが国では、一流企業の経営者が億円規模の報酬を得ることはなかったと思います。賞与を含めても高々数千万円でしょう。松下幸之助氏のような創業者が保有株式から得る配当所得は別の話です。工場などでは幹部が社員食堂で昼食を摂ることも珍しいことではありませんでした。小泉首相の頃からでしょうか、欧米流の考えが徐々に浸透してきました。経営幹部の層、中間管理職を含む正社員の層、非正規社員・派遣社員・パート労働者の層の三極分化です。

西欧化によるよい面もあれば悪い面もあるでしょう。根幹に関わる要素に悪い面を取り込むと後の再生が不可能になります。私たちは思慮深くなり、見える部分だけでなく、見えない部分にある本質に関わる部分を見抜く眼をもたねば国を守れません。

世界と日本 (5)  極東アジアの混乱と中大兄皇子

定説では、中大兄皇子は宝皇女と舒明天皇の嫡男の葛城皇子です。同母妹に間人皇女(はしひしのひめみこ)がいます。後に伯父の孝徳天皇の妃になった人です。そのほか、弟とされる大海人皇子がいます。不思議なことに弟の方が4才ほど年長のようです。しかもその弟に実の娘とされる4人を嫁がせているのです。どうも同じ両親の兄弟ではなく、しかも警戒すべき相手だったようです。
中大兄皇子の時代のわが国は緊迫した国際環境の渦中にありました。特に百済の滅亡(633)に次ぐ白村江での倭国軍の敗北(637)で、列島は唐・新羅の政治工作軍の介入を受け、中臣鎌足、藤原不比等らが懸命に独立を守ろうとしたようです。

百済滅亡まで

(1) 唐の標的になる百済

母の宝皇女は実は百済の王女です。倭国に来て舒明天皇の妃になりましたが、その前は高向王という人と結婚して漢という息子がいました。当時は隋が高句麗遠征の失敗もあって滅び、代わった唐の興隆期でした。唐も安全上目障りな高句麗の征伐に乗り出すのですが遠征が冬にかかると困難を極めます。そこで、韓半島南東部の新興国:新羅の提言を容れ、先に百済を滅ぼそうとします。領地の争奪で百済と度々争っていた新羅には「しめしめ」と言える状況ですが、標的となった百済は存亡の瀬戸際ですから必死です。高句麗と連携する一方、倭国の支援を期待します。最悪の場合は王族・重臣らの倭国への移住も考えます。先行する形で宝と弟と母などのほか、義慈王(宝の弟)の子や高官が倭国に移ります。

(2) 蘇我本宗家の滅亡

高句麗と新羅もそれぞれの立場で倭国に接近します。列島内には朝鮮三国からの渡来者の地盤があったからです。古くからの渡来人である蘇我本宗家は倭国に定着し根を張っており、三韓諸国とは一線を画して国力の充実に専念する姿勢です。邪魔者と見た百済と新羅はこの点では手を結び、蘇我蝦夷・入鹿父子を殺害します。乙己の変といわれるこの事件が定説どおりの殺害劇であったかは疑問です。

(3) 百済滅亡

乙己の変のあと皇極が退位し、弟が孝徳天皇として即位し難波に宮を開きます。孝徳は新羅寄りの政策を進めますが、やがて中大兄らは孝徳を捨てて難波から飛鳥に戻ります。失意のうちに孝徳は死に、後に息子の有馬皇子も謀反の罪を着せられ刑死します。孝徳のあとは母が斉明天皇として二度目の皇位を継ぎます。その後、百済は唐・新羅連合軍に破れ、百済の義慈王は息子(扶余隆)と共に捕えられて唐に連行されます。百済の遺臣は地方に散り、高官の鬼室福信(きしつふくしん)を将として唐・新羅軍に抗戦します

白村江の敗戦とその後

(1) 倭国軍の白村江での敗北

鬼室福信は倭国には応援を求めるほか、王子余豊璋の返還を求めてきます。斉明・中大兄皇子母子は余豊璋を百済王として百済に戻すだけでなく、後には救援の倭国軍を派遣します。しかし、若い余豊璋は経験豊かな鬼室福信を反逆の疑いで殺害してしまいます。倭国軍は白村江海域の地理に疎いうえ、軍船も唐軍より劣っていました。待ち伏せされた倭国の軍船は焼かれただけでなく、折からの満ち潮で退却不能になり壊滅的な敗北を喫します。多くの兵は溺死しましたが、捕虜として唐に連行された者もいたようです。倭国に戻れた兵は僅かだったのでしょう。

(2) 百済遺臣軍の倭国への移動

この敗戦で百済の遺臣の多くは倭国に逃れ、新設の官位を得て活躍の場が与えられます。そのうえ中大兄は、豪族の反対を押し切って飛鳥から琵琶湖畔の大津に遷都し、飛鳥にある倭国とは別に日本国を建てました。

(3) 天智天皇の即位

白村江の敗戦後、葛城皇子は薬草狩に出かけた山科の地で暗殺されたようです。唐側の手によるとの説もありますが不明です。その後に即位した天智天皇は百済の余豊璋でしょう。万世一系を謳う日本書紀ではこのなり代わりを書き残すことはできません。私たちが中大兄皇子とか天智天皇と言う人は、葛城皇子と百済の余豊璋を足した人物のようです。天智天皇の死後、壬申の乱を勝利した大海人皇子が天武天皇として政治を執るのですが、唐による干渉や破壊工作はその後も続きます。

まとめ

7世紀の極東アジアの政治的混乱の一端を解説しました。唐・新羅の政治工作軍が倭国に進駐し、破壊工作を行い、政治に干渉した可能性があることを直視すべきです。なぜなら、今日のわが国は自国の防衛を米軍に依存しており、真に独立した国ではありません。このため米国の干渉を受けていることを認識すべきだからです。

世界と日本 (6) TPPで日本らしさを失なわないように

貿易は紀元前数千年も前から行われていた物の交換です。無い物を買い、余った物やあっても使わない物(例えば錫)を売りました。売る物がない国が何かを買えば金や銀などが流出したことでしょう。

貿易は互恵関係を作りもしますが、相手を倒すこともします。古代ローマでは属州エジプトからの小麦でパンをつくるようになると、本国やシチリア島での小麦栽培は衰えました。かつては堂々と麻薬を売りつけた国もありましたが、今は見えない世界で売買が続いています。その利益は誰が何に使うのでしょう。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)

(1) 概要

FTA( Free Trade Agreement)は国や地域間の関税や輸入割当を一定の期間後に撤廃することを約した協定です。EPA(Economic Partnership Agreement)はFTAに加え、投資、政府調達、知財、人の移動、事業環境の整備などの一律化を含む経済協定です。TPPもEPAの一種ですが、原則的にルールは加盟国に一律に適用されますから、守りたい分野をもつ国には厳しい協定です。ある見方をすれば、TPPは経済活動の分野で仮想的な地域統一国家を作る試みです。そのルールが域内の国家のルールに優先されるのです。社会環境が整ってない国の参加は危険なように素人には思えます。

(2) 経緯

環太平洋戦略的経済連携協定は、連携により小国の貿易上の存在感を高めることを目的に、シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの間で結ばれ2006年に発効しました。2010年の第1回拡大交渉会合で米国、豪州、ベトナム、ペルーが、第3回会合でマレーシアが加わりました。2012年の拡大交渉会合からカナダとメキシコも加わり、わが国も2013年から交渉参加国になり交渉参加国は12になりました。中国は人民元問題があって参加しないと見られ、韓国の参加も微妙です。

(3) 交渉参加国のGDPの差

参加国のGDPは、メキシコとオーストラリアを基準にすると、カナダ1.5、日本5.5、米国14.5で、日米で全体の8割強を占めます。輸出拡大を図る米国が日本を標的にするのは明らかです。

(4) 米国と日本

米国は日本を相手に金融、保険、投資、薬剤特許、航空機、農産品などで自国の利益を強く主張するでしょう。米国はコメ以外の農産品と工業製品の関税の完全撤廃を要求したそうです。他の国は困らないので米国の要求を支持するでしょう。

米国の動きと日本

(1) 米国議会でのTPA法案通過の動き

米国の最近の動きは、議会がもつ通商交渉の権限を6年間に渡って大統領に委ねるというTPA法案を成立させる動きです。オバマ大統領にTPP交渉を加速させ、オバマの次の大統領のときに実施の基礎作りをするのでしょう。

(2) 日本は輸出中心の国か

日本は中国や韓国のような過度に輸出に依存する国ではありません。日銀の金融緩和で円安になっても、トヨタなど一部の企業が恩恵を受けただけで社会全体にその効果が広がることはありませんでした(競合製品を輸出する他国は円安で自国通貨が割高になって影響を受けたかもしれません)。

(3) 米国の国益追求姿勢

関税をさらに下げても参加国の購買力が弱ければ輸出は増えません。そのうえ、オバマ大統領の声高な主張は自国の輸出拡大です。貿易赤字を減らし、失業率を改善することが狙いです。加盟国の幸せを念頭に置いたルールづくりではなく、自国の利益を追求しているのです。

(4) 穀物輸出

米国の狙いのひとつはコメを含む農産品の日本への輸出拡大です。新鮮な野菜は無理としても、保存可能な穀物を戦略的商品として輸出を拡大するのです。穀物の収穫は気候の影響を受けやすく価格が変動します。いったん日本の穀物農家が崩壊したら取り返しがつきません。穀物が政治力にもなり武器にもなるのです。いまでも既に少数のグローバル企業が種子の供給を独占しているのです。

(5) 貴重な日本文明をまもる

関税を含む貿易が注目されやすいのですが、商慣行、知財の扱い、政府調達などの経済活動の一律化の方が気になります。世界に類のない日本文明を壊したくないからです。ましてや、世界政府への一里塚なら断固拒否したいです。一律の社会は世界政府を目指す人には都合が良いでしょうが、普通の国々、普通の人々にとっては多様性こそ人類の宝です。

まとめ

TPPについて知ろうとしても資料に困ることはないでしょう。本稿では一通りTPPについて紹介したあと、私の心配を少しだけ述べました。食料問題や水問題も心配ですが、経済活動の統一化で日本らしさが失われることが最も心配です。既に米国の占領政策による洗脳と憲法の押しつけで日本らしさが失われているのですから。

なお、GDPの小さい国では負の面の影響は小さいかもしれませんが、わが国のようにGDPの大きな国は負の影響は大きいかもしれません。協定が妥結しとしてもそれでおしまいではありません。効果や危険の分析と検証、負の面への備えなどに力を注がねばなりません。守るのは軍事力だけではないのです。日本の良質な水を世界に販売する外資系会社、日本海のメタンハイドレードを取り出す外資系会社も出来るようになるのでしょうか。

世界と日本(7) 日米関係を考える

見る位置を変えると見慣れた風景が別の風景に変わる場合があります。例えば韓半島から弓なりの日本列島を見ると、半島の先端からは九州北西部に、新羅東南部からは山陰や北陸に簡単に渡れそうです。

米国からアジアを見る

  1. アジア諸国は米国の隣国
    米国西海岸から太平洋を西に移動します。はるか西南方にオーストラリアとニュージランドが見えます。さらに西方に行くと広大なユーラシア大陸の東端や東南端が見えてきます。手前には時計回りに日本、台湾、ヒリッピン、マレーシア、インドネシアなどの島国が見えます。なかでもロシアと中国に対向した日本列島は米国の前線基地になりそうです。
  2. アジアの大国たち
    大陸東部には中国とロシアが、さらに西南方にインドがあります。これらの国は第2次世界大戦の戦勝国で核武装をした大国です。多民族国家であることが波乱要因で、米国の出番もありそうです。
  3. 中国について
    • 戦前にあった大陸進出の思い
      日本がロシア(ソ連)の南下を恐れ、共産主義者の破壊活動を危惧して大陸に進出した事情がわかる日本人は少ないでしょうが、米国では知識人でも理解しないでしょう。天皇を元首に戴く別制度の国とは見ず、自分達と同じ路線を歩む後発者と見ているからです。その米国も事業経営として満蒙を含む中国に進出したいと思っていたようです。
    • 冷戦終結後に世界の工場になる
      経済面で国際社会の仲間入りを認められ、人件費の安さを武器にあっという間に世界の工場になりました。工場の建設には外国資本も参加し、米国企業も資本を投下して工場を建設し安価な製品を作りました。米国の資本家は利益を優先するため米国内での工場建設を選択しなかったのです。国内の失業率は下がらず輸入は増えます。
    • 人民元の切り上げ拒否
      中国の輸出攻勢を防ぐため人民元の切り上げを要求しますが、輸出価格の高騰を嫌った中国は応じません。中国は輸出で得た多量のドルで米国債を購入しました。今では中国と日本はほぼ同額の米国債を保有しています。
    • 米国の要求
      米国の希望は中国が内需を拡大し米国製品を多量に購入することと、米国への輸出を減らすことです。しかし米国製の商品を購入する庶民層はまだ育ってないし、米国への輸出も抑えないでしょう。

米国から日本を見る

  1. 日本の利用価値
    経済力をつけた新興中国はアジアの不安定要素です。ロシア以上に先が読めません。すでに大国として露骨に振舞おうとしています。日本列島は米国にとって重要な前線拠点です。
  2. 警戒、そして飴と鞭
    日本は潜在能力があるので独自の途を歩むかもしれません。核武装を含む戦力をもち、政治や軍事で日本独自の行動をはじめる危惧があります。米国と協調する路線を継続させるには、日本研究を怠らず、親米日本人を育て、時には飴と鞭をも使わねばなりません。
  3. 戦前日本の解体と洗脳
    ポツダム宣言を受諾した日本を軍事占領し、戦前の諸制度を廃止し、国、地方、村落共同体、家族制度、職場などの紐帯を切断しました。さらに組合活動を奨励し、共産主義者の活動を大目に見、ジャーナリズムを洗脳するなど、社会の随所に混乱要因を仕込みました。旧体制の犠牲者は国民だったとして、戦前の社会や教育や軍国主義を非難するよう洗脳しました。GHQには共産主義への共鳴者もいたようです。
  4. 戦力否定の憲法と安全保障条約
    国際紛争の解決に武力を用いないだけでなく、戦力を保持しないとする憲法を制定させ、日米安全保障条約によって基地の提供を受ける仕組もつくりました。
  5. 富の消費
    経済成長を続けるといずれは本格的な軍備をする筈だとする考えが欧米にはあるようです。国民が去勢されても安心できません。人心は僅かの契機で変わるからです。大事なことは日本が富を蓄積することを防ぐことです。徳川幕府が諸藩に参勤交代や土木工事などを命じたのと同じやり方です。

今後の日本

米国に従属する状況を改め、日本流の行動で世界に貢献できれば理想です。米国との協調は必要でしょうが、ある場面ではノーと言い、ある場面では忠告できる力を持ちたいものです。

軍事力だけが力ではありません。倫理、知力、洞察力、人類の歴史認識、交渉力なども力なのです。今はこの力が不十分なので必死に修得すべきです。しかし、占領時代に洗脳された分子が政党や労働組合やジャーナリズムに残っていて真の独立への変身を妨げるでしょう。それらを説得できないようでは、変身は無理です。

なお、憲法の全条文を一字一句吟味して真に日本国の土壌に根ざした憲法を作るべきです。現憲法はワイマール憲法を真似たという説があるからです。

世界と日本 (8)  統治の構造

政治は様々な人や団体を統治する働きです。善悪も清濁も併せ持った世界を統治するのです。政治に影響力のある最大のものは世界的規模をもつ地下勢力でしょう。本稿では地下勢力の特徴を分析してみます。

古代ローマの政治体制の変化

  1. 王政
    古代ローマ時代の初期には終身制の王が統治しました。王の選定には慎重を期し、優れた人物なら他部族からも王を迎える努力をしたようです。終身制なのでひどい王であっても代えられません。時には事故死などとして暗殺したこともあったかも知れません。優れた王の指導の下にイタリア半島の領土を拡大していきます。
  2. 共和制
    王制の反省から、二人の執政官による共和制に変わります。候補者は元老院(議員は貴族から選出)で選出され、民会で信任の選挙がされます。任期は1月からの1年間です。施策は二人の執政官の合意したものが実行されますが、元老院の承認が必要です。平民が意見を述べる民会があり、護民官という政務官がいました。領土は共和制末期になると、ヒスパニアやガリアから東はエジプトやシリアにまで拡大します。兵制も、必要な都度、貴族の中から選んで軍団を編成する方式から、志願兵による常設軍が主体の軍になっていきます。
  3. 帝政
    ローマ世界がイタリア半島から地中海周辺の世界へと拡大するにつれ、迅速な判断と行動力をもつ卓越した人材が必要になり、皇帝による統治に移行します。「ガリア戦記」の著作で有名なユリウス・カエサルの甥のアウグストゥスが初代皇帝です。なお、皇帝は単なる為政者ではなく、全ローマ軍の司令官です。事があれば軍の先頭で指揮をとります。捕虜になった皇帝もいたほどです。

現代の米国は

米国の統治機構は形の上では古代ローマの帝政の統治方式に似ています。任期4年の大統領はローマ帝国皇帝に、議会の上院が元老院に、下院が民会に対応するとしてよいでしょう。立法権の議会と行政権の大統領との相互チェックの統治機構です。

上院の定員は100名で各州から2名ずつ一般投票で選ばれます。任期は6年で、2年毎に1/3ずつ改選されます。下院の定員は435名で、任期が終わる2年ごとに全員が改選されます。定員は各州の人口比で配分され、州が定める小選挙区から一般投票で選出されます。

議会は法律案の企画・検討・作成や審議のため、資料の整備も含めて数1,000名のスタッフを擁しています。このほか、各議員は自分専用のスタッフも抱えています。日本の国会とは異なり、米国議会は厖大なスタッフを擁したシンクタンクと言えます。

政治に影響する勢力

法律案の作成や審議、あるいは大統領の政策などに影響を与える勢力について考えます。一般的には下記の三種に分類できるでしょう。

1. 特定の影響力のある人物

大学の恩師、経済人、長老政治家など、大統領や議員に深くかかわり、影響力のある人物。

2. 支援団体・利益団体

上下院議員や大統領など特定候補に選挙資金を提供したり、投票したりする団体です。労働組合、石油・原子力などのエネルギー団体、金融、軍需産業、農業、医療関係、宗教関係、報道等々の団体です。大統領であれ、国会議員であれ、支持団体の意向に反する政策の実行は容易ではありません。

3. 地下勢力

政治を左右する地下の勢力は非常に大きな力をもちます。議員のように短い任期ではありませんから、長期間にわたって影響力を行使します。

  1. 力の源
    莫大な資金力のほか、世界的規模の情報収集能力とその分析力は不可欠です。それに加えて果敢な実行力が必要です。
  2. 意思の実行地下勢力は社会の表には出ません。表の人や組織を介して地下勢力の意志を実現します。場合によっては隠れ蓑的な組織を利用することも考えられます。
  3. 規模の分類影響力の及ぶ範囲の大小で分けると、国内、域内、国際に分けられます。特に注目すべきは影響範囲が世界規模の国際地下勢力でしょう。世界的な現象、例えば世界統一政府とか、世界戦争、貨幣の暴騰や暴落、株式市場大変動などが考えられます。
  4. 意図する事業
    地下勢力の意図する事業を推定します。正確に言えば、地下勢力の善悪の判断基準は普通人とは異なっていると思います。
  • 予算規模の観点から表社会の通常の政策に出せない事業。
    • 新形兵器の開発と実験
  • 通常の社会では非現実的な事業
    • 普通人の宇宙旅行、海底都市・地下都市の建設
  • 通常は悪とみなされる事業
    • 新しい病気の開発と流行
    • 気象兵器の開発や使用
    • 好ましからざる人物の排除
    • 戦乱の誘発、戦費の融資
    • 秘密にすべき事業
    • 核シェルターの建設

世界と日本 (9) 独立国の条件

子供の独立は待ち遠しいものですが、どんな状態なら独立を確信できるでしょうか。通常の生活資金や住居費は収入で賄わねばなりませんし、将来へ備えての蓄えもして欲しいものです。人並の仕事ぶりをしていることも親として確信したいでしょう。しかしこれらは真の独立への部分条件です。結婚して伴侶と人生を共にできることを確認し、さらには子供を授かり、一喜一憂と右往左往とを繰り返しながら、育てていけるかを確認したいでしょう。この辺が普通人の独立した状態でしょうか。

独立の条件

その1 企業の場合

個人の場合と同じく営業収入で支出を支弁できるほか、改革のための蓄えができねばなりません。以下には組織の構成を示しますが、採用部門と営業部門のない企業は独立した企業ではないとしました。また、何らかの形の開発部門がない企業も独立しているとは言えません。

  • 広報部門をもつ。
  • 庶務・厚生部門をもつ。
  • 労務部門をもつ。
  • 人事教育・採用部門をもつ。採用部門がないと独立企業とは言えません。
  • 設備管理部門をもつ。
  • 営業部門をもつ。ない企業は独立しているとは言えません。
  • 広告・宣伝部門をもつ。
  • 会計部門をもつ。経理部門をもつ。
  • 財務部門をもつ。
  • 現場部門をもつ。製造・建設・医療などの現場、顧客対応部門など。
  • 企画部門をもつ。経営企画、製品企画、商品企画などです。
  • 製品設計部門をもつ。ない企業は他社ブランド品の製造請負企業です。
  • 研究開発部門をもつ。次世代の製品や技術の研究開発です。
  • 製造業なら、資材購買部門、検査部門、品質保証部門などをもつ。
その2 国家の場合

個人の場合と同じく税収ですべての支出を支弁できねばなりません。借財をする場合も毎年繰り返すのは異常ですし、他国に頼るのは危険です。以下には省庁の組織を挙げましたが、憲法に規定された軍隊がない国は独立してないとしました。

  • 立法 議会は法律案の審議のほか、法律案の作成をどの程度するかが問題です。
  • 司法
  • 行政
    • 内閣府  危機管理・防災などを含む。
    • 財務
    • 国土保全、環境、自治、法務
    • 運輸、通信、農林漁業、商業、工業、建設、金融、医療、報道など
    • 社会保障、労働政策、教育、科学技術、知財管理
    • 外務、通商
    • 警察・保安・情報管理 情報収集・管理機能が弱体な組織は問題です。
    • 軍務
  • 軍隊 憲法で規定された軍隊のない国は独立国とは言えません。

国の独立を望みますか

(1) まやかしの独立

1945年に米軍に占領され、それまでの社会の支柱であった制度や組織が廃棄解体され、個人の権利や自由が重んじられる社会に変えられました。やがてサンフランシスコ平和条約の批准により国際社会の仲間入りをしました。

実際には、国際紛争の解決手段としての戦争、武力による威嚇、武力の行使などの放棄を謳った憲法に縛られ、自国の守りを米国に委ねる状態が続いています。自衛隊はありますが、個々の事態への対応能力には穴が多いといわれます。自衛隊員の士気や質の問題ではなく、制度が整備されてないためです。根本原因は、自国を守り抜く覚悟と誇りを醸成できない現憲法にありますが、憲法の再編手続きの敷居が高いうえに、改変を阻む勢力がいるからです。

(2) 真の独立の条件

日本が米国に従属している原因は現行憲法と日本人自身にあります。憲法をもとで、米軍が日本を防衛しようとするのが日米安全保障条約です。そのために日本は米軍に基地を提供します。しかし、日本が提供する基地は北東アジア、東南アジア、西アジアへの前線基地としても重要なのです。

日米安全保障条約は、日本国の軍事的独立を抑える効果と、基地の提供を受けると言う効果を米国にもたらします。条約の存在は抑止力として日本の防衛に役立ちますが、米本土が核攻撃を受けるような究極な場合には無に等しくなるでしょう。本国が危急の場合でも日本を守りぬくことを議会も国民も許すはずがありません。

国民の意識変革

真に独立国になるには、極めて当たり前のことですが、自国は自国民が防衛する国にならねばなりません。軍の装備や規模や質の問題ではなく、国民と政府、官僚、議会と軍のそれぞれが、国土防衛の当事者にならねばなりません。

お金が不足するときはいつも実家に頼ろうとする息子と、不足しても実家には頼れない・頼らないとする息子では、事物の見方・接し方・考え方とは当然異なります。ものを大切に使う、感謝して使う、工夫して使う、見栄は張らない、不要なものは買わない、買うときはじっくり調べるなど、物への接し方が前者とはまったく違うはずです。自国の防衛を自らが担う気構えが国民の諸階層に浸透するには、20年、あるいはそれ以上の時間を要するかもしれません。しかしこの意識は、社会活動のあらゆる極面に無意識の形で浸透するはずです。それが日本国民の真の再生ではないでしょうか。

世界と日本 (10)  人間らしい外交は可能か

外交ではどの国も自国の利益を主張します。武力を使わない戦争と言われる所以です。人と人との関係では、教える・教わる、育てる、忠告する、協力する、助ける、友情を結ぶなどが普通に行われるのに、なぜ国同士のことになると殺伐とした関係になるのでしょうか。

外交について

諸国との外交

外交とは、国と国(複数の国)との間でなされる外交的意志の伝達行為です。外交的意志の内容は、友好親善、経済、通商、金融、環境、文化・芸術、軍事、医療、技術、教育などと様々です。伝達行為も、儀礼、斡旋や仲介、交渉、抗議、謝罪、感謝、要望、報告、提案などと様々です。伝達行為の手段には、会談、会議、電話、文書、メールなどが使われます。

外務省の役割

独立国ならどの国にも外務大臣を長とする官僚組織(外務省)とその出先機関(大使館)があります。外務省固有の業務は単独で行いますが、外交的意志が他の省庁管轄の場合、環境づくりは外務省が担い、意志伝達の主体は主管省庁になるのは当然です。

外交を支援する組織や人々

外交政策の企画・立案、作成、実施などの各段階で協力者が必要です。組織全体、組織の一部、組織中の個人、特定の個人などと様々です。所在地は自国の場合もあり、相手国の場合もあります。同様に、国籍は自国と相手国の双方があります。協力する内容には、情報提供、相手への働きかけ、要望の伝達、根回しや地ならしなどが考えられます。人脈作りの事業は簡単ではありません。行き当たりばったりでなく計画的に時間をかけて行うべきものです。

個人の協力者をつくる手段に留学制度があります。留学生は留学先の国の理解者になります。日本では若手官僚が米国などに留学するほか、大手企業が若手社員のために設けた留学制度があり、大学教員の留学制度も大きなものです。逆に外国の学生・研究者が日本に留学する場合もあります。留学中に日本語を修得するので日本語が使える日本通の外国人になります。彼は日本の応援者になる場合もあり、自国の意志を日本に伝える役を担う場合もあり、日本を支配する政策に関与する場合もあります。なお、留学中に得た友人は帰国後も交流が続くため貴重です。

人間味ある外交は可能か

日本国憲法の前文にある「・・・いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、・・・」に謳われた世界は70年後の今日でも理想にはほど遠く、大国の外交は世界の政治・軍事・経済での位置争いに終始しています。

欧米系社会の特徴

欧米の社会は、少数の支配者層と多数の被支配者層に二分される社会です。支配層は被支配層から搾取するのが当然のような社会です。支配者層の使用人は日本の家の子郎党的な関係とは異なるようですし、人種についても肌色の違いのほか、北欧系、南欧系、東欧系による違いもあるようです。

日本社会の特質

日本は家系による差別は目立った形ではありません。出身大学の違いは社会の各所にあるかもしれませんが、家系による支配層と被支配層への二分化社会に比べればその差は微々たるもので、欧米社会に比べて平等な社会と言えます。

大国外交の特徴
  • 国益主体です。
  • 他国の力を弱める活動を裏では行います。
  • 他国を、搾取、攻撃、弱体化、利用などの対象とします。
  • 大国の場合は昔から諜報活動が盛んです。
  • 役立つ国は国益を実現するための駒として利用します。

今後の日本外交

日本は米国・ロシア・中国のような広大な領土と人口を有しません。その意味での大国にはなれません。仮に何らかの分野で大国まがいの立場になっても、これまでの大国のような覇権争いをすべきでありません。

日本の村落共同体のような世界を目指して欲しいものです。しかし簡単ではありません。大国のなかには覇権争いを続ける国もあるでしょうから、他の国々と力を合わせて阻止すると共に、一段高い水準の世界共同体づくりに力を合わせねばなりません。

そのためには実績作りが重要です。その成果をもとに世界各国に日本流のやり方に賛同する人たちを作らねばなりません。米国のような留学制度は有力な方法ですが、他の方法も考える余地はあります。しかし、スパイや盗聴やハッキングなどによる情報収集は廃絶したいものです。進化した村落共同体にふさわしい外交の方法を作り出すべきです。

スポンサーリンク
広告代
広告代

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする