道路の役割と機能及び分類、舗装に関する役立つ知識ベスト19

道路の役割と機能及び分類、舗装に関する役立つ知識について

「道のはなし」 Vol.1 道路の役割と機能及び分類についてお話しします

はじめに
皆さんは「道」というと何を連想しますか?
人生を「道」に例えて語る場合もありますし、一つの武道や芸術的なもの(絵や音楽など)を習得する時に、「道を極める」とか言いますよね~・・。
でも、ここで言う「道」とは、あくまでも普通に「道路」の事です。
そうです・・・皆さんが日頃、通勤や通学に利用している、あの道路の事です。
道路の事って、知っている様で知らない事が多いと思いませんか?
そこで、道路に関する事で、皆さんが知らない様な事・・知っていて損は無い様な事を、これから書いて行こうと思います。
なるだけ分かり易く書こうと思っていますが、どうしても専門用語を使わないと説明出来ない場合もありますので、其のあたりはお許し下さい。

①道路の役割と機能

昔から道は人が移動する際に利用され、多くの人がその上を行き来しました。
交通手段の発達した今では、人の移動は勿論、物資を運ぶためにも不可欠なものとなり、人々の生活向上に大きな役割を果たしています。
国民全員が利用出来るものであり、「あいつは嫌いだから通さない!」なんて事は出来ません。
(昔は「関所」なんて物があり、通行手形が無いと通れない所も有りましたけどね・・)

道路の機能には、交通機能と空間機能の二つがあり、交通機能とは、自動車や歩行者がそれぞれ安全・円滑・快適に通行出来る機能を持っているという事です。
空間機能とは、都市の骨格形成や市街地形成、火事が発生した際に延焼を防止するための防災としての機能、緑化や景観形成、沿道の環境保全のための機能、交通施設やライフライン(上下水道やガス、電気などの施設)を収容するための機能を持っているという事です。

②道路の分類

道路は必要な機能すべてを満足することが望ましいと思われますが、それだと予算的に厳しかったり、地域によってはそこまでの機能を求めていない場合も有りますので、一般的には重視する交通機能に応じて、だいたい五つの分類の中から、どの様な性格の道路にするのかを明確にして計画が行われます。

五つの分類を簡単に説明しますと・・・

まず最初に、「自動車専用道路」が有ります・・・これは自動車の通行機能に特化し、完全に出入制限された道路という事になります。
次に、「自動車の通行機能を重視する道路」で、これは、自動車の通行機能を重視しますが、部分的に出入制限された道路となります。
三番目として、「多機能道路」が有ります・・・自動車の通行機能だけでなく、アクセスや滞留機能、歩行者等の交通機能も兼ね備えた道路です。都市内の幹線道路などがこれに当たります。
四番目は、「歩行者の交通機能を重視する道路」で、自動車の通行機能よりも歩行者等の交通機能を重視した道路で、コミュニティ道路などがこれに当て嵌まります。
最後に五番目として、「歩行者専用道路及び自転車専用道路」が有ります。
自動車が通行しない、歩行者と自転車のための道路です。

以上が、道路の役割と機能及び分類の説明になります。

「道のはなし」 Vol.2  道路計画の基準や道路の区分等について

①道路計画を行う上での技術基準

道路を計画するに際しては「道路構造令」に基づき計画を行う必要があります。
「道路構造令」とは、道路の一般的な技術的基準を定めたものであり、昭和33年に道路法第30条に基づく政令として公布されたのち、昭和45年から今日まで数回の改正が行われています。
いわゆる道路を造る上での法律ですので、特別な場合を除いて守らなければいけません。
道路管理者(国や県、市町村)は新しい道路を造る場合や改築する場合は、道路構造令に従って計画を行います。
どんな事が書かれているかはのちに詳しく説明しますが、簡単に言うと、道路の区分や等級について、道路計画の基本となる設計速度について、道路の構造(車道や車線幅、路肩幅の基準等)について、また、道路を上から見た時の平面的な線形に関する基準や、道路を縦割りにした時の縦断的な線形の基準など・・・いろんな事が細かく定められています。

道路構造令は道路の幾何構造に対する基準(法律)が主ですが、それ以外の、例えば道路舗装に関する事や法面保護に関する事、道路の路面排水処理に関する事、盛土工事に伴う擁壁計画などの事は、日本道路協会などから出版されている要綱や指針(法律ではありません)に基づいて計画する事になります。

②道路区分について

道路は道路構造令により、第1種~第4種に区分されています。
第1種と第2種の道路は高速道路や自動車専用道路であり、第3種と第4種はそれ以外の道路という事になります。
また、第1種と第3種の道路は地方部に存在する道路を主とし、第2種と第4種の道路は都市部の道路が主となります。
つまり、全国にある高速道路は第1種の道路であり、都市部にある都市高速道路は第2種という事になります。
国道などのバイパスは地方部が主ですので第3種となり、市街地を通過する道路(都市計画道路等)は第4種の道路という事になります。

第1種から第4種に区分された道路は更に、計画交通量とその道路の存在する地域の地形状況に応じて、第1級~第4級とか、第1級~第5級とかに区分されます。
その区分された種級に応じて設計速度というものが定められており、また車線の幅員や路肩の幅員も規定されています。

③設計速度とは

設計速度は道路構造令の中では次の様に定義されています。
1) 自動車の走行に影響を及ぼす道路の物理的形状を設計し、これらを相互に関連付けるために定められた速度
2)道路の設計要素の機能が十分に発揮されている条件のもとで、平均的な運転者が道路のある区間で快適性を失わずに維持することのできる速度

難しく書いて有りますが、道路は直線だけで出来ている訳ではありません・・・様々な曲線半径が挿入されています。
曲線半径の様な線形要素は設計速度と直接的な関係を持っていまして、高速で走行可能な道路にはある程度大きな曲線半径を使用して計画を行う必要が有ります。
その曲線半径の大きさを選定する時に必要となるのが設計速度です。
また設計速度は、天候が良好で交通量が少ないなどの、車の走行条件が道路の構造的な条件のみに支配されている場合に、平均的な運転技術を持つ運転者が、安全にしかも快適性を失わずに走行出来る速度という事になります。
ただし、曲線半径などの幾何構造の規定は、車の走行安全性に対して余裕を持たせてあるので、条件が良ければ、その設計速度を超える速度で走行することも可能ではあります。

「道のはなし」 Vol.3  設計速度の具体的な速さや設計車両について

①設計速度の具体的な値について

道路区分毎に規定されている設計速度は、具体的にどのくらいの速さだと思いますか?
実際の道路には制限速度の規制がありますが、その制限速度と同じか、10km/hや20km/h程度上に設定されていると考えて良いでしょう・・・・正しい言い方だと「制限速度はその道路の設計速度と同じか、10km/hや20km/h下げた速度となっている」となりますかね・・。

第1種の道路である自動車専用道路の設計速度は、120km/h~60km/hの範囲となっており、第1級が120km/hで第4級が60km/hと、級が下がるごとに設計速度は遅くなります。
第2種のような都市高速道路は、第1級が80km/hで第2級が60km/hです・・・おおむね実際の制限速度と同じですかね・・・。
第3種の道路である国道や県道は第1級~第5級までありますが、設計速度は80km/h~40km/h(特例で20km/h)の間で規定されています。
皆さんが生活道路として良く利用されている県道や市道は、第3種で第3級や第4級が多いと思いますので、設計速度は県道で50km/h、市道で40km/hくらいで計画されているのが多いと思います。

②設計車両について

道路の設計にあたっては、定められた設計車両が安全かつ円滑に通行することが出来る様にしなければいけません。
道路構造令では設計車両として、小型自動車、小型自動車等、普通自動車、セミトレーラー連結車の4種類を定めています。
小型自動車とは一般的な普通乗用車が、小型自動車等とは一般的な救急車両が想定されています。
普通自動車というのは、後2軸のトラックやバスで幅が2.5mで長さが12mのものです。(普通自動車というのはあくまで構造令での呼び方です)
セミトレーラー連結車は幅2.5m、長さ16.5mのものが想定されています。

設計する際は、第1種、第2種、第3種第1級または第4種第1級の道路にあたってはセミトレーラー連結車が、その他の道路については普通自動車が安全かつ円滑に通行出来ることが原則です。

設計車両は道路区分を決めてしまえば、計画する上でそれほど意識はしませんが、交差点計画を行う時には設計車両の決定が大きな影響を与えます。
セミトレや普通自動車(トラックやバス)は最小回転半径が大きいので、これを設計車両として計画を行うと、必然的に大きな交差点形状となります。(幹線道路相互の交差点は大きいのでお分かりだと思います)
かと言って、小型自動車で交差点計画を行えば小さな交差点形状で済みますが、トラックやバスが左折などを行う場合に、交差道路側に停止している車両が邪魔になったり、歩道に乗り上げないと左折できない等の問題が発生するので注意が必要です・・・トラックなどが通行する頻度やバス路線なのかどうかを総合的に判断して、設計車両は決定する必要があります。

「道のはなし」  Vol.4  道路舗装に関する役立つ知識

舗装のはなしをします

今まで道路構造令の中身を中心にお話しして来ましたが、ちょっと話題を変えて舗装に関する話をしようと思います。

昨今は道路という道路はほとんど舗装されていて、土のままや砂利を敷いてあるだけの道路は山の中や田舎の農道辺りじゃないと見る事が出来ませんね。
道路の舗装は何と言う舗装なのかご存知ですよね~・・そうですアスファルト舗装ですよね。

それを説明する前にコンクリートの事を先に少し話しましょう・・・。

コンクリートとは・・・

コンクリートは広い意味では砂や砂利などの骨材を、セメントなどの糊状のもので結合させたものを指します。
セメントで結合させたものをセメントコンクリートと呼び、アスファルトで結合させたものをアスファルトコンクリートと呼んでます。
という事は、アスファルト舗装は正式にはアスファルトコンクリート舗装という事になるわけです。
ただコンクリートと言えば、セメントコンクリートの事を指すのが一般的ですがね。

話をアスファルト舗装に戻します。

アスファルトに骨材を組み合わせて適当な配合として、これを所定の温度条件で加熱混合して製造されたものを「加熱アスファルト混合物」といいますが、道路舗装では一層から二層に分かれた路盤と呼ばれる砕石層の上に、加熱アスファルト混合物を敷設して仕上げていきます。
大型車交通量の少ない道路は、この加熱アスファルト混合物は一層(普通は厚さ5cm)だけですが、大型車交通量が増えるに従い二層~三層で仕上げます。
高速道路や交通量の多いバイパス等はそうなっていて、加熱アスファルト混合物の合計厚さは10cm~15cmとなります。
ちなみに、歩道や自転車歩行者道は通常3cm~4cmの厚さです。

コンクリート舗装とする箇所があるのは知っていますか?

道路の中でも、セメントコンクリート舗装を使用しているところが有りますが何処だか分かりますか?・・・それはトンネルの中です。
コンクリート舗装はアスファルト舗装と違い、工事費が高くて初期投資が高くなりますが、その分強度が有り補修が必要となるまでの時間が長いです。
トンネル内は暗くて狭いので、そう度々補修など出来ませんのでコンクリート舗装の方が良いのです。
またアスファルトは黒いですが、コンクリートは白いですので、暗いトンネルの中でも落下物などを見つけ易くて都合が良いのです。
反対にアスファルトは初期投資は安いのですが、度々補修しなければいけません・・・でも、補修材料等は安く手に入りますし、簡単に補修出来ますので、一般の道路ではアスファルト舗装となってるわけです。

「道のはなし」  Vol.5  排水性舗装や透水性舗装に関する役立つ知識

排水性舗装のはなし

アスファルト舗装の事をお話ししたついでに、排水性舗装についても触れたいと思います。
排水性舗装というのは字のごとく・・・排水を目的とした舗装の事で、最近は高速道路等では主流となっています。
既往の普通のアスファルト舗装区間も、排水性舗装にやり替えているのを良く見掛けます。
普通の舗装区間の場合は、雨が降ると濡れているのが直ぐ分かりますね~・・・スリップする危険度が増しますし、水たまりが出来て水はねも起こります。また夜は路面が光って見づらい事がありますね。
それに引き替え、排水性舗装は降った雨が浸透するので、少しの雨量では雨が降った事も分からないですし、夜も光って見づらいという事はありません・・・何より車がスリップし難いというのが良いです。

どういう具合になっているのかと言いますと・・・

アスファルト舗装のところでお話しした様に、アスファルト混合物の層は二層~三層になっていますので、二層目を不透水性層として仕上げ、その上(一層目)に空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物を施工します。
すると、一層目を浸透した雨水等は二層目の不透水性層の上を流れて、排水処理用の側溝等に流れ込みます。
勿論、側溝も排水性舗装に対応した側溝でないといけません・・・最近の側溝は殆ど排水性舗装対応製品となってます。

透水性舗装との違いは

排水性舗装と似たような言葉で、透水性舗装というものがあります。
透水性舗装は歩道や駅前広場、公園広場等に適用される事が多く、色も黒では無くオレンジ色等で仕上げたものを良く見掛けますね。
排水性舗装と同様に、舗装表面から水を浸透させて路面の水を排除する方法は同じなのですが、排水性舗装が排水を目的とした舗装なのに対して、透水性舗装は水を透過させる事を目的とした舗装なのです。
透水性舗装は、雨水を表層や路盤等の空隙中を通過させて、直下の土の部分に浸透させる構造となっていますが、排水性舗装は車道部に使用されますので、路盤以下には雨水を浸透させない構造になっているのです。
路盤の下は路床といって、舗装から伝わる車両荷重等を支持する土の部分で大事な部分ですので、雨水を浸透させて強度を落とさない様にしなければいけません。

排水性舗装や透水性舗装の問題点ですが・・・

どちらも表層の空隙率が大きいため、砂や泥によって空隙がつまり、3年から5年くらいで機能が低下すると言われています。
よって、定期的なメンテナンスを行う必要が有り、普通のアスファルト舗装に比べて維持管理費が高くなります。

「道のはなし」  Vol.6 車道部を構成する中央帯や路肩の役目や機能とは

中央帯の役目や機能

道路の車道部を構成する要素の部分には名前が付いていますが、ここではその要素の部分を取り上げ、その役目や機能及び幅員を決定するに際して、考慮しなければいけない事などについてお話ししたいと思います。
道路を横断方向に切断して見た場合に、高速道路やバイパスなどでは、真ん中に緑化などが施された中央帯というのが有るのはご存じですよね~。
緑化された部分と車道の横に有る側帯という部分を含めて中央帯と呼び、緑化された部分は中央分離帯という事になります。
中央帯の役目は、往復方向を分離することにより、対向車線への逸走による重大事故を防止するとともに、道路中心線側の交通抵抗を減少させて高速走行を可能にさせます。
また、転回(Uターン)などを防止し、交通流の乱れを無くして安全性を高めたり、植樹や防眩網の設置により夜間走行時の眩光を防止します。
中央帯設置の原則は、車線の数が4以上である第1種と第2種及び第3種第1級の道路は必ず設置しなければならず、その他の道路で車線数が4以上ある場合は必要に応じて設ける事となっています。
「車線数が多くて設計速度が高い道路は必要だ」と覚えておくと良いでしょう。
道路の種類、交通量などの交通機能に加えて、延焼防止や景観形成、交通施設収容などの空間機能を考慮して中央帯の幅員を決定します。

路肩の役目や機能

車道の外側(歩道がある場合は車道と歩道の間)にあるのを路肩と呼び、側方余裕幅として交通の安全性と快適性に寄与するためのものであり、車道などの道路の主要部分を保護するためのものでもあります。
また、故障車が車道から退避出来るので、事故と交通の混乱を防止するのに役立ちます。
更には、路上施設や維持作業に対するスペースになりますし、歩道を有しない道路では歩行者の通行部分にもなります。

路肩を機能上の形式により分類すると3つに分類されます。

全路肩・・・全ての車両の一時停車が可能である路肩
半路肩・・・車の走行に大きな影響を与えない側方余裕幅が確保され、また乗用車が停車可能である路肩
狭路肩・・・走行上必要な最小限の側方余裕幅は確保された路肩

古くから有り、等級の高い(1級~2級)高速道路は全路肩が多い様ですが、最近の高速道路では交通量にもよりますが半路肩で計画されているのが多い様です。
一般の国道や県道では殆ど駐停車禁止としますので、狭路肩で計画を行う事が多いですね。

これとは別に、保護路肩といって路肩の外に50cm程度の幅を確保した部分が有りますが、そこは防護柵(ガードレール等)や道路標識を設けるためのスペースとして利用されています・・・道路の建築限界に含まれない部分になります。

「道のはなし」  Vol.7 歩道や自転車歩行者道の必要性と設置形態

歩道の必要性

歩道は都市部の道路においては歩行者空間としての役割だけでなく、都市景観の形成、ライフライン等の収容空間、沿道へのアクセスのための空間等としても重要な役割を持っています。
また、植樹を提供したり、電話ボックスや郵便ポスト等の占用物件等も収容するなどの、良好な市街地を形成するための役割も担っています。

地方部の幹線道路においても、歩行者が多い場合、歩行者の通行の安全を図る上で歩道の設置は必要な事です。

そのほか、歩行者数が少なくても、自動車交通量が非常に多い箇所や、学童・幼稚園児の通学・通園路となる箇所、人家が連なっている地区等で局部的に歩行者の多い箇所では、歩行者の安全と自動車の円滑な走行を図るため、歩道を設けて歩行者を分離する事は肝要な事です。

自転車歩行者道とする場合の注意点

自転車歩行者道は自転車の通行の安全を図るため、自動車の交通量が多い場合に、自転車や歩行者の交通の状況を勘案して設置されます。
自転車道は自転車の交通量がある程度以上多い場合に必要ですが、自転車の交通量が少ない場合には、自転車歩行者道として計画するのが現実的な方法です。
自転車が非常に少ない場合には歩道として計画する方が現実的ですが、この場合も自転車の通行の安全が図れるように留意する必要が有ります。

自転車歩行者道を検討するに当たっては、自転車交通と歩行者交通とのあつれきが生じないように適切な幅員を確保し、舗装色の違い等により通行区分して両者の安全性に十分配慮する必要が有ります。

歩道や自転車歩行者道の設置形態

自動車交通量の多い幹線道路では、歩道等を道路の両側に設置することが一般的ですが、山間部では自動車交通量が多い道路であっても、民家や施設等の立地がなく、集落等の連絡経路でもないような箇所は、歩行者等の動線が想定されず、歩道等を設置する必要性は低いです。
また、自動車交通量の少ない生活道路でも歩道等の設置の必要性は低いですね・・・しかし、その道路が通学路等、安全に関して特別な配慮を要するような道路であれば、片側のみであっても歩道等を設置する意義は有ります。
鉄道の駅周辺や商業施設が集中している地区、病院や学校等の公共施設の周辺は一般に歩行者の交通量が多く、また、通行形態も通常と異なる場合があるので、それらの立地を把握し歩行者の経路を検討して両側歩道にするか、片側歩道にするか、更には自転車歩行者道にするかを決定する必要が有ります。

「道のはなし」  VOL.8 車線や路肩の幅員はどう規定されているのか

車線幅の規定値について

車線の幅員は対向車とのすれ違い、追い越しあるいは並走に対して十分な余裕を持つものでなければいけません。
しかし、極端に広い車線幅員を用いると、2車線道路上では事実上3車線で走行する事態が生じて交通事故を招くおそれが有り、車線の幅員は広すぎることも好ましくありません。
車線の幅員は走行速度や快適性等に最も大きな影響を与える要素なので、車線の必要幅員は、その道路の設計速度と交通量に応じて定めるのが良いとされています。

そこで道路構造令では設計速度に応じて、80km/h以上で3.50m、60km/hで3.25m、60km/h~50km/hで3.00m、50km/h~40km/hで2.75mとしています。

これを先に説明しました道路区分に当てはめると、第1種の道路(自動車専用道路等)や第2種の道路(都市高速道路等)で3.50m~3.25mとなり、一般国道や一般県道に多い第3種の道路では3.5m~2.75m、都市計画道路のような第4種の道路では3.25m~3.00mとなります。

中央帯の幅員について

中央帯は広いものほどその機能が高いと考えられていますが、日本の場合、道路用地の取得は一般に難しく、地形や土地利用の状況からみて広い幅員を持つ道路の建設は難しいものになっています。
したがって、一般的に幅員を小さくし、車道面から高めた分離帯を設ける事を基本方針としています。

中央帯の幅員は、第1種の道路で4.5m~3.00m、第2種の道路で2.25m~1.75m、第3種の道路で1.75m、第4種の道路は1.0mとそれぞれ定められていますが、100m以上のトンネルや50m以上の橋等は特例として縮小可能となっています。
その理由は、トンネルや橋は一般的に工事費が高く、道路全幅に比例して高くなっていきますので、経済的な理由から縮小可能となっています。

路肩の幅員について

路肩は車道や歩道に接続して、道路の主要構造部を保護する役目を持つ重要な部分ですので、道路構造令においても車線幅員同様に細かく規定されています。
路肩の幅員は、第1種の道路で2.5m~1.75m、第2種の道路で1.25m、第3種になりますと1.25m~0.50mの間、第4種の道路では0.50mが基準値となっています。
また、中央帯と同様に特例として、50m以上の橋などでは縮小可能となっています。

ただし、この値は必要最小限の値であり、これより他に「望ましい値」というのが記載されていて、上記の値に0.75m~0.25m程度を加えた値となっています。
一時期は、望ましい値を採用する事が推奨されていましたが、今現在では経済性を考えて最小限の値で計画を行う事が多い様です。
ただ自転車は、歩道が有っても自転車通行可となっていない場合は路肩を通行しないといけませんので、自転車交通の多い道路では、路肩幅を出来るだけ広く取りたいところです。

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「道のはなし」  VOL.9  歩道等の幅員はどうやって決められているのか

歩道及び自転車歩行者道の幅員規定

歩道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路は3.5m以上、その他の道路は2.0m以上確保する事となっています。
何を基に決められているかというと、車イスの幅や歩行者一人の占有幅を基に決められていまして、歩行者の交通量が多い道路の3.5mというのは、車イス2台と歩行者2人のすれ違いが可能となる幅として決められています。
また、その他の道路の2.0mは、車イスどうしのすれ違いが行える様に定められたものです。
自転車歩行者道の幅員も同じように、車イスと自転車の占有幅を基に決められていまして、歩行者の交通量が多い道路は4.0m以上確保し、その他の道路は3.0m以上を確保することとなっています。
4.0mいうのは、車イス2台と自転車2台のすれ違いや追い越しが可能となる様な幅として定められており、3.0mというのは、自転車1台と車イスどうしのすれ違いが安全に行える幅として定められたものです。

車道と歩道の間に植樹帯を設けている道路が有りますが、植樹帯の幅は歩道幅員にはもちろん入りませんし、歩道と自転車道の間に設けている植樹帯もどちらの幅員には入りません。
植樹帯の幅員は別に定められていて、標準として1.5mを確保するものとなっており、おおむね1.0m以上2.0m以下で計画される事が多いです。
植樹帯は歩行者や自転車を自動車交通から隔離するためのもであり、歩行者や自転車の車道横断、飛び出しを防止し、自動車の歩道等への乗り上げを防止します。都市の修景や延焼防止などの空間利用、環境施設帯における緩衝空間としての役割を十分に発揮するためには、必要な幅員に加え道路全体の幅員とのバランスを考慮し決定する必要が有ります。

上記の規定を適用する場合の注意点

歩道上や自転車歩行者道上には路上施設として、横断歩道橋の階段部分や並木などが設けられる場合が有りますが、それらの路上施設を設ける場合は、歩行者、自転車の安全かつ快適な通行空間を確保するために、上記の規定に所定の幅を加えて計画を行う必要があります。
所定の幅がどれ位かといいますと、横断歩道橋を設ける場合は3.0m、ベンチの上屋を設ける場合は2.0m、並木を設ける場合に当たっては1.5m、ベンチのみを設ける場合は1.0m、防護柵や標識等その他の路上施設を設ける場合にあたっては0.5mを加える事になっています。
また、バス待ちや横断歩道等の信号待ちなどより、他の歩行者の通行が妨げられない様にするための空間を滞留機能として確保する必要がある場合もあります。
更に、様々な歩行者を想定し、歩行の過程で生じる立ち話などを含め、ゆとりと豊かさを備えた道路とするため、たまり空間を考慮することも必要です。

「道のはなし」  VOL.10  建築限界というのを知っていますか?

建築限界の意味

建築限界という言葉は、あまり耳にしない言葉では有りませんか?
道路計画では大変重要な要素の一つでして、皆さんも知っておいて損は無いと思います。
建築限界とは、道路上で通行車両の安全を確保するために、ある一定の幅、ある一定の高さの範囲内には障害となるような物を置いてはいけないという空間確保の限界の事です。
したがって建築限界内には、橋脚や橋台はもとより、照明施設や防護柵、信号機や道路標識あるいは電柱さえも設ける事が出来ない様になっています。
市街地や人家の多い場所に道路が有る場合は、ビルの看板や家の屋根も勿論その中に入っていてはいけません。
家が先に立っている場所に道路を造る時は、家の軒先がコントロールとなる事も有るでしょう・・・どうしても道路をそこに造りたい場合で、軒先が引っかかるのであれば、交渉して軒先を切らせて貰う場合も有るかと思います。

歩道の場合も建築限界は有ります。
歩行者や自転車の通行の安全を守るために、ある一定の幅と高さが決められています。お店の看板や旗などを立て掛けているのを良く見掛けますが、厳しく言えばそれもしてはいけない事になりますね。

車道部の建築限界の値

車道部の建築限界の値は道路構造令で決められていて、高さ的には、設計車両の高さ3.8mに余裕高を加えて4.5mとなっています。幅的には車道幅と路肩幅の合計になります。
なお実際の施工にあたっては、将来の舗装の修復に伴う高さの変化や、冬期の積雪を考慮して4.7m以上とするのが望ましいとされています。
ただし、第3種第5級または第4種第4級などの等級が低い道路では、特例として高さ的に4.0mまで縮小可能となっており、大型車の交通量が極めて少なく、その道路の近くに大型車が迂回する事が出来る道路が有る時は3.0mまで縮小出来ます。
鉄道の下を通る道路の場合などで高さが低い場合は、「高さ何m注意」みたいな標識が立っているのを見掛けたことが有りませんか?・・・あれがまさしく建築限界を表しています。

歩道部の建築限界の値

歩道や自転車歩行者道の建築限界の値は、高さ的には2.5m以上となっていまして、幅的には歩道幅あるいは自転車歩行者道幅となります。路上施設を設ける場合は、それに必要な幅を除いた幅となります。
鉄道の下や高速道路の下を通る、人道トンネルの様な形となっている通路の高さは2.5mとなっているはずです。
人間の身長は故ジャイアント馬場さんでも2.08mですし、自転車に人が乗っている場合の頭上までの高さは2.25mと考えられているので、建築限界としては2.5mで十分ですかね。

「道のはなし」  Vol.11  歩道構造の基本とその移り変わり

歩道の基本的な構造

歩道等は縁石や植樹帯を設置して車道部から分離するのが基本です。
縁石は歩道等と車道の区分を明確にするとともに、進行方向を誤り車道外に逸脱しかけて縁石に衝突した車両の進行方向を復元し、また縁石に衝突し乗り上げる車の速度を低下させます。
余談ですが、縁石は土木業界では何と呼んでいるか知っていますか?・・・一般の人は「えんせき」と呼んでいるみたいですね~・・この業界の人でも「えんせき」と呼ぶ人はいますが、通常は「ふちいし」と呼んでいます。「えんせき」が不正解という訳ではなく、「ふちいし」という呼び方で通っているという事です。
縁石の高さは、現在、車道等に対して15cmが標準になっています。ただし、一定区間において車両乗り入れ部を設けない場合または交通安全対策上必要な場合には20cmまで、橋またはトンネルの区間は25cmまで高くすることが出来ます。

昔の道路に多い歩道構造

ひと昔まえの歩道の多くは、歩道面が車道面より15cm~20cm高いマウントアップ構造で造られている事が多いです。
つまり、縁石の天端がそのまま歩道面となっている構造です。古くから有る地方の国道や県道は今もこの構造の物が多く残っています。歩道幅もかなり狭い所が多いですね。
このマウントアップ構造の欠点は、沿道施設への車両乗り入れ部の設置により、歩道部の切り下げ部では勾配や段差が生じてしまい、これらが連続するような箇所では波打ち歩道となってしまう事です。
これだと一般の歩行者はとにかく、高齢者や障害者の方は歩きにくいですし、車イスでの通行も大変です。
昔は現在の様にバリアフリー的な考え方が有りませんでしたので、狭くても多少歩きにくくても、とにかく車道と分離した物を造れば良いという感覚でした。

現在の歩道構造の基本的な考え方

現在は公共的な施設は勿論、一般の家庭でもバリアフリーの考え方が主となっているのと同じ様に、歩道においてもバリアフリーな構造とする事が基本になっています。
そのために、昔から有るマウントアップ構造では無く、セミフラット構造を採用するのが基本です。
これは、縁石の天端はマウントアップ構造と同じく車道面から15cm程度高い位置になりますが、歩道面は縁石天端より10cm程度下げた位置とした構造です。つまり車道面よりは5cm高くなっている構造です。
この構造ですと、車両乗り入れ部による波打ち歩道とはならず、降雨時の車道側からの雨水の流入の心配も有りませんので、現在の多くの歩道等で採用されています。
また歩道面の横断勾配は車イスの通行を考慮して1%が基本とされています。横断勾配がきついと車イスの通行が難しくなりますのでそうなっています。
更には舗装に関しても、透水性舗装を採用することにより水たまり箇所を無くし、スリップしない様に配慮するのが一般的になっています。

「道のはなし」  Vol.12  道路上の路面標示に関する話し

路面標示の重要性

路面標示は安価でありながら交通の流れを整え、運転者の注意力を必要な場所に集中させる効果が大きく、交通の安全と円滑にとって非常に有効な手段です。
濃霧の山道における車道中央線や車線境界線、また都市の多車線道路における方向矢印等の規制や案内に関する路面標示が、地理に不案内な運転者にどれだけ役立つかは、ハンドルを握られる皆さんにはお分かりの事だと思います。
ただし、運転者は運転行動上、常に道路上に注意を払っていることからも、情報伝達手段として路面標示の有効性は明らかですが、情報の過多は混乱を招く事にまなりますので、必要なものを適切に設置する必要が有ります。

路面標示と言えば区画線がまず思い浮かびますね

区画線とは道路上に引かれた車道中央線などの事を指します。
片側1車線の道路でしたら、中心に引かれたものを車道中央線と言い、両側の路肩との境に引かれたものを車道外側線と言います。両方とも幅15cmの白色の実線で引くのが基本ですが、車道中央線については、はみ出し通行禁止の処置として黄色の実線で引くことが多いですね。
片側2車線道路の場合は、同方向の車線の間に引く線を車線境界線と言い、破線を使って引きます。幅は外側線などと同じく15cmで、2:3の比率で引くことが多いです。設計速度にもよりますが、通常6m引いたら9m空けるという感じになります。
市街地の道路の様に交差点が多くて、その間隔が狭い場合は5mピッチで引く事も多いです。

横断歩道も区画線の一種ですが・・・

横断歩道やその手前にある停止線は45cm幅で引いて有ります。横断歩道の場合は45cmピッチという事になりますね。
ところで横断歩道の標示が1992年から変わったのは気付いていますか?・・以前は縦線が有ったのですが今は横線だけとなっています。
そうした理由としては、縦線が有ると水が溜まり易くスリップや水はねの原因となっていたからです。また、縦線が無い方がドライバーからは視覚的に横断歩道が浮き上がって見えるというのも有る様です。
それともう一つ、国際基準に合わせようというのが有ったかと思います・・・世界の主な都市では最初から縦線は無かったのではないでしょうか・・・。

減速帯というのを知っていますか?

下り勾配でスピードが出やすい場所とか、道路の曲線半径が小さい場所とかに、車道中央線と車道外側線の横にそれぞれ30cm幅で1.5mピッチ程度で引かれているものです。
ドライバーに対して視覚的に減速を促す効果を期待して設置されています。
滑り止め舗装とかと併用して設置される場合も有りますが、いずれにしてもスピードの出し過ぎが原因で事故につながりかねない箇所に設置されていますので、皆さんもくれぐれも注意して事故のないように安全運転でお願いします。

「道のはなし」  Vol.13  カラー舗装の目的と適合箇所及び施工法

カラー舗装の目的

交通事故防止対策として、道路の危険と思われる個所などをカラー舗装化しているのをよく見掛けると思います。
それにより交通事故防止には大きい効果を上げていますが、カラー舗装はどんな目的を持って施工されているのでしょうか?

道路をカラー化する事の目的は次の様なものが有ります。

・視覚的な改善を図り目標物や通行方向を明確にする
・滑り止め効果を持たせる事によりスリップ等を減少させ事故防止に繋げる
・歩道部を明確にする事により運転者の意識を向上させ歩行者の保護に役立たせる

カラー舗装を行い効果が有るとされる場所

何処もかしこもカラー舗装にしてしまっても意味は有りません・・ではどんな箇所をカラー舗装とすればその効果が期待出来るでしょうか?・・・一般的には次の様な箇所が適しているとされています。

・交差点部・・・・・・・・・・・・通行する車線を明確にし進行方向を周知させる(特に右折車線の強調)
・下りの急勾配区間・・・・急勾配区間の存在を認識させ減速を促す
・小曲線半径区間・・・・・・曲線半径が小さい事を認識させ減速を即しスリップ防止を図る
・歩道部・・・・・・・・・・・・・・車道から分離した歩道が無い箇所で通学路などに利用される路側帯の強調
・バス停・・・・・・・・・・・・・・路線バスの停車位置を明確にし一般車両に周知させる
・高速道路分岐点・・・・・・高速道路の入り口や分岐点を通行車両に周知させる
・自転車道・・・・・・・・・・・・歩道に並列する自転車通行帯をカラー化し通行区分を明確にする。

実際に中央部分をカラー舗装とした交差点はよく見掛けますし、直進車線はオレンジ色で塗り、右折車線は青色で塗るなどの区別をしている交差点も見掛けます。
下り勾配でなおかつ小半径の曲線区間では、手前の直線区間などをゼブラのカラー舗装として減速を促し、曲線区間はスリップ防止として全体的に滑り止め効果を持たせたカラー舗装としている道路も有ります。
市街地の歩道が無い狭い道路などでは歩行者の通行に供するため、路肩部分を緑色のカラー舗装としているところも多く見られますね。

カラー舗装の施工法

カラー舗装の施工法は大きく分けて4つに区分されます。
舗装面にカラーコーティング材を張り付ける「貼付式工法」や、舗装面に速乾性の高い塗料で吹き付けたりローラーで施工する「ペイント工法」の様な簡単なものから、舗装面に路面標示と同様な溶融型塗料を骨材とともに塗布し滑り止め効果を持たせる「溶融型工法」や舗装面にバインダーとして可撓性エポキシ樹脂を薄く塗布し、その上に耐摩耗性の硬質な骨材を散布して路面に固着させる「ニート工法」などが有ります。

「道のはなし」  Vol.14  道路用防護柵の定義と車両用防護柵の設置個所

防護柵の定義

防護柵とは、主として進行方向を誤った車両が路外や対向車線または歩道等に逸脱するのを防ぐとともに、車両乗員の障害及び車両の破損を最小限にとどめて、車両を正常な進行方向に復元させる事を目的としている施設の事です。
また、歩行者及び自転車の転落もしくは危険な道路横断を抑制するなどの目的をそなえた施設でも有ります。
防護柵は、車両を対象とする車両用防護柵と歩行者を対象とする歩行者自転車用防護柵に区分されます。

車両用防護柵の設置が必要な箇所

車両用防護柵は下記に該当する区間または箇所は、道路及び交通の状況に応じて原則として設置する事となっています。

(1)車両の路外への逸脱により乗員の人的被害が発生するおせれがある区間

・盛土、崖、擁壁、橋梁、高架などで路外の危険度が高いと判断される区間
・海、湖、川、沼地、水路などに近接する場合で必要と判断される区間
・橋梁、高架、トンネルなどへの進入部あるいは近接する構造物などが有り必要と判断される箇所

(2)車両の路外などへの逸脱による第三者への人的被害の防止を目的とした区間

・道路が鉄道や他の道路と立体交差または近接する区間で、車両が逸脱した場合にそれらに影響するおそれのある区間
・走行速度の高い区間で縦断勾配や線形条件が厳しく、対向車線への逸脱を防止する必要があると認められる区間
・走行速度が高く、沿道の人家や歩行者への危険度が高いと判断される区間

(3)その他の理由で必要な区間

・事故が多発する区間で、防護柵を設置する事で効果があると判断される区間
・幅員や線形など、道路及び交通の状況に応じて必要と認められる区間
・気象条件により特に必要と認められる区間

以上ですが、特に橋梁や高架などで路外の危険が高い場所については、平成18年8月に発生した福岡市海上転落事故を受けて、水深3m以上を別途「重大被害区間」として追加設定している県や市町村も有ります。

車両用防護柵の種別

車両用防護柵と言えばガードレールを一番に思い浮かべると思いますが、その他にもガードパイプやガードケーブルといったものが有ります。
車両用防護柵は強度により7つに区分されていまして、弱い順に、C、B、A、SC、SB、SA、SSとなっています。
設計速度50km/h以下の県道などはCを使い自動車専用道路はAを使うのが一般的です。設計速度50km/h以下でも重大な被害が発生するおそれのある区間ではBを使う事も考慮にいれますし、自動車専用道路でそういう箇所が有ればSCやSBの使用を考慮します。
SAやSSは自動車専用道路で新幹線と交差したり近接する区間に使用されます。

「道のはなし」  Vol.15  視距を確保する事が道路では大事なことです!

視距の意味と役割

視距というのは何かと言いますと、自動車がその進行方向前方に障害物を認め、衝突しないように制動をかけて停止するか、あるいは走行しながら障害物を回避出来るまでに必要な長さの事です。
ある道路の一点から道路の延長に沿って測った制動停止または避走に必要な長さ以上が、視距として必要になります。
道路の幾何学的構造を規制する要素として、幅員や線形、勾配等の基準がそれぞれ設けられていますが、その中でも視距の占める割合は非常に重要のものでして、走行上の安全のためにも快適な運転のためにも大切なものなのです。
運転者は道路を目で追いつつ自動車を運転しますので、幅員や曲線半径、勾配等がいかに高度の基準によるものであっても、十分な視距が確保されなければその道路は安全性、快適性の面から好ましくないものになってしまいます。

視距を確保するとは?

視距の確保とは、道路構造令上では、運転者が車線の中心線上1.2mの高さからその車線の中心線上にある、高さ0.1mの物の頂点を見通すことが出来ることです。
曲線部において、コンクリートの高欄や切土のり面、分離帯などにより視距が確保されない場合は、路肩や側帯を広げるなどして視距の確保に努めなければいけません。また、防護柵や歩道の植樹帯などにより視距が確保されない場合は、防護柵の形状や植樹の種類の変更などにより視距を確保する事も考える必要が有ります。
更には、道路建設時には視距が十分に確保されていても、将来沿道に人家が建つなどの理由で視距が保たれないおそれのある場合には、曲線半径を大きくとるとか、必要な範囲を道路敷として確保しておくなどの配慮も必要です。

視距の基準値

道路構造令第19条により、視距は次の様に定められています。

設計速度20km/h~40km/hまでは、その速度数値と同じで20m、30m、40mとなっていまして、設計速度50km/hでは55m、60km/hで75m、設計速度80km/hでは110m、100km/hで160km/hと定められています。
以上の値は路面状況を湿潤状態とし、走行速度としては設計速度の85%~90%として、必要な値を計算して決定されていますので、設計速度で走行したらもっと計算値は大きくなります。また積雪寒冷地域で路面が氷結した状態では、更に計算値は大きくなります。
高速道路を走っていて、車間距離確認区間というのがところどころで設けてあるのはご存じですよね?
だいたい、50mの位置を危険距離、100mの位置を安全距離として印が付けて有りますが、視距の事を考慮して位置付けして有ると思います。ですので走行速度にもよりますが、少なくても100mの車間距離を取って走行するのが良いでしょうね。

「道のはなし」  Vol.16 道路の横断勾配の標準値と片勾配の付設

道路の横断勾配

道路の路面には、雨水などを路側の側溝に導くために勾配が付けて有ります。その勾配は排水に対して十分であるとともに、通行車両に対して安全で支障のないものでなければいけません。
横断勾配の標準値は1.5%~2.0%とされていて、直線区間や曲線半径が大きい場合は、道路中心をトップとして左右に標準値の横断勾配が施されています。
一般的に、排水上は横断勾配は大きい方が良いですが、自動車の走行上は横断勾配は小さい方が望ましいです。
横断勾配が2.0%以上になると、自動車のハンドル操作にかたよりが感じられ、凍った路面や濡れた路面では横滑りの恐れが出て来ます。
また、片側1車線の道路では、追い越しをする車両が走行車線と対向車線で向きの違う横断勾配上を走行する事になり、横断勾配の値が大きいとハンドルをとられる危険性があります。
そのような理由で、道路の横断勾配の標準値は1.5%~2.0%と決められています。

曲線部の片勾配

道路の曲線部には、曲線半径が大きい場合を除き、その道路の設計速度と曲線半径の値に応じて片勾配を付ける必要があります。その片勾配の値は同じ曲線半径であっても設計速度によって違いがあり、設計速度が大きくなるほど片勾配の値も大きくなります。
ちなみに片勾配とはどんなものかというと、自転車競技場(競輪場)のコースを思い出して下さい。自転車が走行する場所が斜めになっていますよね。道路に付ける片勾配はあそこまで斜めではありませんが、あれを緩くしたものが道路にも施されていると思って下さい。
鉄道でも同じで、曲線区間には片勾配が付けてあります。鉄道の場合は片勾配と言わずにカントと呼んでいます。
平成17年に死者107名を出した「JR福知山線脱線事故」は、確か、カーブを曲がりきれずに近くのマンションに突っ込んだと記憶していますが、あの場所も所定のカントが付けてあったはずです。
なぜ片勾配が必要かというと、遠心力に対抗するためです。道路の曲線部を走行する自動車は遠心力を受けますが、路面に付けた片勾配と、路面とタイヤの間の摩擦によって対抗し安定した走行を確保するのです。

以上の様に自動車走行の安全性と快適性の面から片勾配を付けるのが原則ですが、第4種(都市部)の道路においては、片勾配の値を減じたり、付けなくても許されることが有ります。
理由としては、市街地ではすでに家やビルが立ち並んでいたり交差する道路も多い事から、所定の片勾配を設けるとそれらと高低差が生じてしまい、乗り入れや排水などの問題に発展してしまうので、特例として許されています。

「道のはなし」  Vol.17  幅員の拡幅と緩和区間

幅員を拡幅するとはどういうことか?

車線の幅員は設計速度に応じて、設計車両の最大幅に余裕を加えた幅となっていますが、曲線部では自動車の前輪と後輪とでは違った軌跡で動くため、直線部の車線幅員では足りなくなります。そのために道路区分と曲線半径により車線の拡幅が必要となるのです。
自動車が曲線部を走行する場合には、後輪は前輪の内側を通るので、原則として拡幅は車線の内側に行います。また、他の車線を犯さないために車線毎に拡幅しなければいけません。

拡幅の設定方法とその値

拡幅はどのように設定してあるかというと、第1種、第2種、第3種第1級、第4種第1級の道路についてはセミトレーラーを対象として拡幅量が設定してあり、その他の道路では、道路構造令でいうところの普通自動車を対象にしてあります。拡幅量の値としては、1車線当たり0.25m~2.25mの範囲で曲線半径により設定されています。
1車線当たりという事は、4車線あれば4車線とも同じ値で拡幅する必要がありますが、6車線以上ある道路では、大型車の通行状況を勘案すれば、必ずしも全車線について拡幅を行う必要は無く、一方向につき2車線分だけ拡幅することとしても差し支えありません。
また、都市部の道路については、地形の状況やその他の特別な理由により、やむを得ないものについては、拡幅量の縮小や拡幅をしないことも出来るようになっています。
設定した拡幅量は曲線区間の起点から終点まで設置し、その前後で緩和区間において擦り付けを行います。

緩和区間とは

緩和区間とは、道路の曲線部の前後に設けるもので、その区間において片勾配や拡幅を擦り付けます。
緩和区間の長さは、設計速度に応じて決められていて、設計速度100km/hで85m以上、設計速度20km/hで20m以上と設計速度が高い順に短くなっていきます。
緩和区間には緩和曲線を設ける場合と設けない場合があり、緩和曲線の代表的なものがクロソイド曲線です。
日本の道路でも緩和曲線を設ける場合はクロソイド曲線を用います。クロソイド曲線の長さは緩和区間の長さ以上有れば良くて、その長さ中で片勾配や拡幅の擦り付けを行うのが原則です。
基本的に緩和曲線は必要なのですが、曲線半径が大きい場合は緩和曲線は省略可能です。省略できる曲線半径の大きさは道路構造令で設計速度毎に決められています。
また、設計速度の低い低規格の道路の場合や、工事用道路や仮設道路では曲線半径が小さくても緩和曲線は設けない場合が多いです。

「道のはなし」  Vol.18 最小曲線半径の規定値と望ましい値

最小曲線半径の規定値

道路の平面的な線形を決定する際は、地理的な条件は勿論、コントロールとなる施設や物件を避けなければいけません。
それと同時に、道路構造令で規定されている最小曲線半径というのを守る必要が有ります。
最小曲線半径というのは、設計速度ごとに規定されていまして、道路の曲線部を走行する自動車に加わる遠心力などの横方向の力が、タイヤと路面の摩擦によって与えられる限度を超えないように算定されています。また乗り心地の良さも考慮されています。

その値はどうなっているかといいますと、設計速度V=100km/hの場合の最小曲線半径はR=460mで、V=80km/hの場合はR=280mになります。またバイパスなどでよく用いられる設計速度V=60km/hの場合はR=150mとなっており、県道などで使用される設計速度V=50km/hとV=40km/hの場合はそれぞれR=100mとR=60mとなっています。
それらの値は道路計画を行う際には守る事が原則ですが、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない箇所については縮小することが出来ます。どの程度縮小可能かといいますと、だいたい最小曲線半径の値の8割くらいまでは可能です。

最小曲線半径の望ましい値

最小曲線半径が定められていると、地形上かなり余裕がある線形が設置可能であるにもかかわらず、設計者は規定値に近い曲線半径を安易に用いる傾向があります。
最小曲線半径の規定値は、設計速度で走行した場合でも安全性と快適性を保証するものですが、線形全体の調和や組み合わせが悪くならない限り、余裕のある線形を用いて設計することが望ましいです。そのために道路構造令では最小曲線半径の望ましい値を定めています。

その値を紹介しますと、V=100km/hの場合はR=700mとなっており、V=80km/hでR=400m、V=60km/hでR=200m、V=50km/mとV=40km/hでそれぞれR=150mとR=100mとなっています。

一般の道路の場合で、車両が車線を逸脱して起こした交通事故は、曲線半径が小さいほど死傷事故率が高くなる傾向にあります。このため最小曲線半径が規定されているからといって、小さな曲線半径を安易に用いて設計するのは避けるべきです。
したっがて、線形のバランスを考えて少なくても最小曲線半径の規定値の適用はなるべく避け、経済性、安全性、地形との調和を十分考慮した上で、最小曲線半径の望ましい値程度を用いて設計するのが好ましいです。

ただ、確かに以前は、この最小曲線半径の望ましい値を下限として線形検討を行っていましたが、最近の実状としては、通常の最小曲線半径の値を下限として線形を決定することが多いですね。
高速道路などでは望ましい値を使用することが良いと思いますが、地方の国道や県道あたりの現道改良工事では工事費を押さえたり、用地買収の関係で通常の最小曲線半径を使用することの方が多いと思います。

「道のはなし」  Vol.19 曲線半径適用の注意点と最小曲線長の確保

最小曲線半径の適用の注意点

ある設計速度が指定されている道路の設計で、既定の最小曲線半径を使用して計画した場合は、地形の状況により土工量が増大して工事費が膨らみ、施工するのが不可能になる場合もあります。
この様な場合は、設計速度を一段階落として計画することも必要になります。ただこの場合でも、制約を受ける一部分のみ低い設計速度を適用することは、運転者が突然、速度を低下させる必要があり事故に繋がりかねません。
よって、妥当と思われる区間に渡って設計速度を落とし、運転者が自然に速度調整出来るような道路を設計することが望ましいです。
また、低規格の道路では、ヘアピンカーブのような急な屈曲部を設ける場合がありますが、そのような場合は、運転者を突然、半径15~30mのような急曲線に遭遇させる様な事は避けなければいけません。線形計画の時から、徐々に曲線半径を小さくしていったり、急な屈曲部を前もって運転者に認知させるような線形の配置を考えておくべきです。

最小曲線長の確保

自動車が道路の曲線部を走行する場合、曲線部の長さが短いと、ハンドルを切ってまた直ぐに元に戻さないといけないなどの煩雑な操作となり、また、車内の人は横方向のショックを受けるので特に高速の場合は危険です。
そのような事から、最小曲線長は設計速度ごとに定められています。
どの様にして決められているかといえば、曲線部をハンドル操作に困惑を感じないで走行するためには、少なくても約6秒の通過時間が必要だと言われており、通過時間約6秒の曲線長を最小曲線長として定めています。
また、曲線長は先日お話しした緩和曲線長も含んでの長さになりますので、両側に設けるクロソイド曲線の長さと、円曲線の長さを足したものとなります。
ということで、二つのクロソイド曲線の間にある円曲線も、ある程度の長さを持っていることが望ましく、従来の経験からその円曲線の長さは、設計速度で約3秒以上走る距離が適当だとされています。少なくても2秒以上の円曲線を挿入するのが良いでしょう。
これは直線区間にも言える事で(土木の世界では直線区間はR=∞と表示します)、二つの円曲線やクロソイド曲線に挟まれた直線区間の長さも、ある程度の長さは必要でして、上記で説明したのと同じく設計速度で約3秒以上走る距離があれば望ましいですね。3秒が取れない場合は逆に直線区間は無くして、円曲線から反向する円曲線につないだり、クロソイド曲線から反向するクロソイド曲線に直接つなぐ線形とした方が良いです。

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