日本の教育 福島県算数オリンピック「掛け算穴埋め問題に挑戦」

日本の教育 福島県算数オリンピック「掛け算穴埋め問題に挑戦」

福島県が毎年行っている算数・数学ジュニアオリンピックの小学生の部の問題は大人でも簡単ではありません。本稿では掛け算と割り算の穴埋め問題を紹介します。理詰めで未知数を求めるためのよい訓練になります。ぜひ挑戦してください。

問題2-1 掛け算穴埋め問題に挑戦

下の掛け算の未知数(aから,j)を求めなさい。

kakezan1                                                 図1. 掛け算の穴埋め問題

解答の例

ひとつの解答例を示します。

(1) まず相手を観察します

まず計算式をじっくり眺めます。必ずとっかかりがあるはずです。観察をすすめるためにわかる数値から式に記入します。

  • g + 5 = 11なのでg = 6です。そしてh = 5 です。
  • i = 1です。100の位からの桁上げと合わせて積の千の位が2になるのです。
  • cとeの積、cとd の積の1の桁はいずれも5です。それを満たす場合とは、cが5 でdとeが奇数の場合と、dとeが5でcが奇数の場合のどちらかです。
  • ここまでに分かったことを反映させると図2の右側の計算式になります。そこで右の図の計算式で考えをすすめます。

kakezan2

図2. 容易に得られる数を考慮した計算式

(2) 未知数を求める

さらに未知数をわからせていきます。

  • iが1ならdも1でなければなりません。数abcとdの積の100の位が1になるのはdが1の場合しかないからです。
  • dが1なら、cは5でaは1でなければなりません。
  • 計算式は次の図3になります。

kakezan3

図3 未知数を絞り込んだ計算式

(3) bとeの関係

次にbとeとの関係を考えます。1b5とeの積の10の位は6です。またbとeの組み合わせは f + b = 9を満たさねばならないほか、1b5とeの積の1000の位は0でなければなりません。eは奇数でしたので、以下ではeが1、3、5、7、9の各場合について考えます。

  • eが1の場合
    bは6でなければなりません。このためfは1 となりますが、これではf + b = 9にはなりません。また、b=1,2,3,4,5,7,8,9のどの場合についてもg=6が成立しません。したがってeは1ではありません。
  • eが3の場合
    bは5でなければなりません。そして、bが5ならfは4となり、f + b = 4 + 5 = 9を満足します。これが正解と思いますが、残っているeの場合についても調べてみます。試験ではここでやめるべきです。他に正解があるとは思えないからです。
  • e=5の場合
    b=1,2,3,4,5,6,7,8,9のすべての場合について gが6になりません。したがって、eが5では計算式が成り立ちません。
  • eが7の場合
    b=1,2,3,4,5,6,7,8のすべての場合について g=6が成り立ちません。またb=9の場合は195と7の積は4桁の数になってしまいます。したがって、eは7ではありません。
  • eが9の場合
    b=1,2,3,4,5,6,7,9のすべての場合について g=6が成立しません。また、bが8の場合は185と9の積は4桁の数になります。したがって、eは9でもありません。

結局、bは5でeは3であることがわかります。正解は155と13の積となります。

日本の教育 福島県算数オリンピック「9の倍数で4〇〇5を満たす数を求めます」

日本の教育 その6  福島県ジュニア数学オリンピック問題 第4問の問題解答

スポンサーリンク
広告代

問題2-2 割り算穴埋め問題に挑戦

下図4の左の割算のすべての未知数を求めなさい。

warizan

図4. 割り算の穴埋め問題

考え方

まず、じっくりと計算式の全体を眺めます。解くカギがあるはずです。図の右の計算では、問題で与えられた具体的な数を赤色、容易に得られる数を青色で示しました。この計算式で以下を考えます。

  • 除数の2015に着目すると100の位は0なので下位桁が上位桁に影響しにくいことがわかります。7倍以上でないと100の位に影響しません。
  • q1は4以下です。5以上なら2015との積が5桁になるからです。しかも2015とq1の積の10の位が6です。このことからq1は4で確定です。したがって、a1 a2 6 a3 = 8060 となります。
  • n1 n2 n3 n4 – 8060 = b1 4 b2 b3 の計算から判断するとn2は4か5です。n3が6より大きければn2 は4、そうでなければn2は5です。
  • b1は非0です。ところがa1=8ですから,n1は9以外にはありえません。そしてb1は1となります。
  • 1 4 b2 b3 0 – c1 c2 c3 c4 c5 = d1 2 d2 から、c1 c2 = 14で商q2は 7 です。
  • q2が7なので、1 4 b2 b3 0 – c1 c2 c3 c4 c5 = 1 4 b2 b3 0 – 1 4 1 0 5 = d1 2 d2 となります。引き算の結果の上位2桁は0ですから、被減数と減数の上位2桁は同数で、c1 c2=14です。また、下位の3桁はb2 b3 0 – 105 = d1 2 5となります。これから、d2が5であることがわかるほか、b3は2に1を加えた3になります。さらにn4はb3に等しいのでn4も3です。
  • これまでに分かった数を割り算式に反映すると図5になります。残っている大物はq3とq4です。

warizan2

図5 わかったことを反映した割り算式

  • q3の検討
    d1 2 d2 d3 = d1 2 5 4を2015で割った商はq3ですが、q3 に2015をかけた4ケタの数で1の位が5になる場合とはq3 が1か3の場合です。q3が1の場合のd1は3、d2は2になります。そして3の場合は、d1は7、d2は5です。計算式ではd2は5なのでq3は3が正解です。そしてe1 e2 e3 5=6045になります。
  • q4の検討
    d1 254 – 6045 = f1 f2 f3 f4の計算結果の1の位(f4)は4から5を引くので9です。次に、2015をq4倍した5桁の数のうち1の位は0にならねばなりません。偶数の6と8がその候補です。6の場合は2015を6倍した12090、8の場合は16120がg1g2g3g4g5の候補です。しかしf4は9ですからq4は6でなければなりません。すなわちg1 g2 g3 g4 g5 は12090になります。
  • 全体のまとめ
    q1q2q3q4=4736を得ました。4736に2015を掛けて9543040を得ます。n1は9、n2は5、n3は4、n4は3です。図6は未知数をすべて求めた後の割り算の計算です。

warizan3                図6 割り算の穴埋め問題の正解

追記 n2とn3を別の方法で求める

除数が2015なのでf1は1でなければなりません。e1は6ですからd1は7であり、b2は8です。そうするとn3は4、n2は5に確定します。

まとめ

福島県の算数オリンピックの平成27年度の問題のなかから掛け算と割り算の穴埋め問題の解答例を紹介しました。例題で練習している小学生なら慣れていることが後押しするかもしれませんが、具体的な推論が必要なことは誰でも同じです。問題に初めて接する場合は社会人でも苦労するのではないでしょうか。

スポンサーリンク
広告代
広告代

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする