日本の社会 5 震災悪徳ビジネスにご用心

日本の社会 5 震災悪徳ビジネスにご用心

熊本大地震で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。亡くなられた方とそのご家族の方々、怪我をされた方、永年住んできた家屋が全半壊したり、田畑や作物に大きな被害を受けた方々、飼育していた牛などの動物や畜舎に被害があった方々、謹んでお見舞い申し上げます。今までと同じような生活を取り戻すまでには長い年月を要すると思いますが、支援や援助を利用しつつ自助努力で立ち直ることを願っています。

1. マスコミの貧弱な報道

新聞やテレビの報道では被害の全貌がなかなかわかりません。国や自治体は組織を挙げて被害の全体像を把握すべく活動していると思いますが、マスコミの報道はピンスポット的で全体像がなかなかつかめません。最近の新聞で授業再開の記事を見ましたがやはり断片的です。

本来なら、それぞれの地域における被害状況、

例えば

  • 人命喪失やけが人の程度
  • 住民の避難の状態
  • 村落の孤立の程度とその理由
  • 地域ごとの家屋損壊状況
  • 道路・橋・トンネルの損壊程度と社会生活への影響
  • 陥没や地割れした田畑の割合
  • 家畜の被害状況
  • ガス・水道・電気の供給状態と復旧の見通し
  • ガソリンや食料などの販売状況
  • 小中学校の物的被害と授業再開の状況
  • 高校や大学の授業の再開状況
  • 警察や病院やバスなどの公共交通の活動状況

などです。

このほか、

  • 県や市町村の活動状況
  • 自衛隊や消防の活動状況
  • 住民への生活支援状況
  • 老人介護施設や幼稚園や保育園などの状況
  • 民間企業の被害状況や稼働状況
  • 温泉地の物理的被害と復興状況

などについて、情報を収集し報道してもらいたいものです。

それだけではありません。収集した情報を分析し、総合し、今後の被害者救済と復興へのビジョンについて各社の意見を示すべきです。断片的な報道に終始するなら単なる報道屋にすぎません。

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2. 政府の対応

政府は自治体のようには現地を知りませんから、大所高所から基本方針をきめ、詳細な実施は県と市町村に委ねるしかありません。その意味では補正予算を素早く組んだことは適切でした。

A. 補正予算の編成

熊本地震に対する補正予算を編成しました。あとは県や市町村と連携して早期に予算を執行することです。

B. 被災家屋の解体撤去と産業廃棄物の処理方針

震災で生じた廃棄物の処理と家屋の解体撤去についての政府方針は次のようです。なお、家屋の新築や修理補強には何らかの支援が必要ですが、国の基本的な考えは持ち主の自己負担です。政府の補正予算から県や自治体が補助の方法を考えることになります。

(1) 半壊以上と判定された家屋の解体費用の国庫補助

家屋の損壊の程度は、全壊、大規模半壊を含む半壊、一部損壊に分けます。全壊と判定された家屋の解体・撤去は「災害等廃棄物処理事業費補助金」の対象です。半壊と判定された家屋については、持ち主が利用困難と判断した場合は補助の対象となりますが、利用可能と判断した場合は持ち主の負担で修復します。廃棄物は修復を請け負った業者の責任で処理します。

(2) 家屋等の解体・撤去を行う場合の被災自治体の留意すべき事項

災害廃棄物処理事業によって損壊家屋等の解体・撤去を行う場合に被災市町村が留意すべき事項を指示しています。

・家屋の解体・撤去には所有者の同意を得るほか、所有者や隣接者の立ち合いを求めるなどして作業が円滑に進むよう努める。

・貴金属その他の有価物等の動産、位牌やアルバムなど個人にとって価値あると認められるものは、一時、または別途保管し、個人に引き渡す機会を設ける。

(3) 被災したパソコンの処理について

災害廃棄物の中から可能な範囲でパソコンを分別し、リサイクル可能なものは別途保管し、リサイクル業者がリサイクルを実施し、不可能なものは産業用廃棄物として処理する。

(4) 家電リサイクル法対象の品目

他の廃棄物に混在しているため分別できない場合は災害廃棄物として一括処理することも止むを得ない。分別できる場合は自治体が保管し、リサイクルの可否を判断し、可能な場合は家電メーカがリサイクルを実施する。不可能な場合は産業廃棄物として処理する。

3. 自治体の対応

被災した自治体には以下のように多くの仕事があります。被害の大きい自治体は大変な仕事量を消化しなければなりません。特に④を急ぐと共に、自宅の新築や修理をする場合の補助方法を早急に策定しなければなりません。

  • 避難所にいる住民の生活支援
  • 無人の家屋の火災や貴重品などの盗難への対処
  • 仮設住宅の建設
  • 家屋の損傷程度の判断
  • 家屋の解体・撤去
  • 災害廃棄物の処理
  • 水道・ガス・電気、道路などのインフラの復旧
  • 教育の再開
  • 農業・牧畜・林業の復興など
  • 商工業の復興

4. 悪徳業者の排除

東日本大震災では被災した住民の秩序ある態度が世界の人々を感動させました。しかし、被害者の弱い立場につけ込む悪徳業者は皆無でなかったようです。熊本地震でも被害の可能性があります。

A. 貴重品の盗難

避難して無人となった家にある金目のものを盗難から守らねばなりません。

B. 災害ボランティアを装う業者

ボランティアと同じような服装をして被災地に入り、ボランティアがするような作業をして高額な代金を請求します。被災者には本物のボランティアとの区別はできません。服装をはじめ身に着ける物などはどうにでもなるからです。

C. 住宅の修理

住宅の損壊の程度については自治体が判断して証明書が発行されます。応急修理に対する補助制度が設けられたようです。修理を早急に終わらせて避難所から自宅に帰ってもらうのが目的のようです。しかし、証明書がないと修理の着工ができないほか、損壊程度が半壊以上でないと補助の対象にならず、補助額も60万円程度と低額なようです。これで効果が出るのでしょうか。

修理対象の家屋の数は数万棟とも言われています。実際に修復する家屋の数はへるのでしょうが、地元の業者だけでは対応できないでしょう。たとえ自己資金で修理するにしても早めに修理可能なのでしょうか。

このような事情から悪徳業者が入り込む可能性があります。今後の余震によっては住めなくなる可能性もあるので工事は急がねばなりません。その弱みに付け込まれ、修理が不要な個所まで修理の対象にされて費用が増えたり、手抜き工事をされる可能性があります。

D. 耐震補強工事

被災した地域には木造の古い家が多くあるようです。シロアリの被害や腐食などで弱体化した家屋も少なくないようです。これまでの振動で劣化が進んでいるうえに、これからの余震で住めなくなるかもしれません。だれでも耐震補強をしたくなります。そこにつけ込まれて無理やりに耐震補強工事を契約させる業者が現れる可能性があります。

まとめ

熊本地震について、国、県、市町村、マスコミの対応を纏めてみました。県も市町村も人員不足と力不足のため被災した所帯への行き届いた支援が難しいと思います。

それぞれの所帯には自助努力を基本とした復興への行動が不可欠です。マスコミも人材不足のため、本来なすべき貢献ができないかもしれません。専門知識をもつ社会の各層がボランティアとしてどれだけ支援に参加できるかです。

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