日本の有給休暇取得率は世界と比べてどうなのか?

今回の注目の記事は、日本の有給休暇取得率は世界と比べてどうなのか?です

日本の平均有給休暇消化率は49.4%

厚生労働省の調査によると平成28年度の日本の平均有給消化率は49.9%と諸外国に比べて非常に低い数字になっています。平均有給使用日数は9日となっており、こちらも非常に低い水準となっています。厚生労働省は「過労死等の防止のための対策に対する大綱」で平成32年までに年次有給休暇の消化率を70%以上に向上することを目標に掲げていますが、現在の消化率の動向を考えると難しい情勢となっています。

エクスペディア・ジャパンが2017年に行った有給休暇の取得に関する調査によると、日本人が有給休暇を取らない理由として以下のようなものが上げられます。

①緊急時のためにとっておく

②人手不足

③職場の同僚が休んでいない

また、同調査では日本人は有給休暇の取得について全体の63%が罪悪感を感じているという結果が出ており、このことも日本人の有給消化率が低くなる大きな原因と考えられます。有給休暇取得率を向上させるためには、有給休暇取得で業務に支障が出ないような職場環境の構築も重要ですが、まず第一に、働く方の有給休暇取得に対する罪悪感を無くしていくような努力が必要になります。

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日本と海外の有給消化率の比較

平成29年度の有休消化率の国際比較を表示すると次のようになります。

第1位 ブラジル     100%(30日/30日)

第1位 フランス     100%(30日/30日)

第1位 スペイン     100%(30日/30日)

第1位 オーストラリア  100%(25日/25日)

第1位 香港       100%(14日/14日)

第6位 シンガポール   93%(14日/15日)

第7位 メキシコ     86%(12日/14日)

第8位 アメリカ     80%(12日/15日)

第9位 イタリア     75%(21日/28日)

第10位 インド      75%(15日/20日)

第11位 韓国       67%(10日/15日)

第12日 日本       50%(10日/20日)

※()内は(有給休暇付与日数/有給休暇消化日数)となっています。

南米や欧州の国の一部では有給休暇は100%消化するのが当たり前のようになっている国がある一方で、日本ではその半分程度しか消化していません。日本はこの調査で2009年から5年間連続して最下位、2014年と2015年が下から2番目、2016年と2017年が最下位と国際比較において有給休暇消化率が最も低い国となっています。

有給休暇の取得について罪悪感を感じる人の割合が高い国ほど、有給休暇消化率が低くなる傾向があり、先ほどのエクスメディア・ジャパンの調査によるとイタリア、スペイン、オーストラリア、メキシコなど有給休暇消化率が100%に近い国々では、有給休暇取得に罪悪感を感じる人の割合が全体の20%未満と非常に低い数字となっています。

この結果も有給休暇取得率の向上には、有給休暇取得に対する罪悪感を無くしていくことが非常に重要であることを示唆しています。

2019年4月から5日以上の有給休暇の取得が義務化

2018年6月に働き方改革関連法案が成立し2019年4月から施行されることになりましたが、これによってすべての会社で年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得すべき日を指定することが義務付けられました。この制度の対象となる従業員は年10日以上の有給休暇の権利がある人ですが、この制度の導入によってほとんどの人は年5日以上の有給休暇を取得できるようになります。

有給休暇所得日の指定義務化に対して企業側としては2つの選択肢があります。1つ目は年間の有給休暇取得日が5日未満の従業員に対して、企業が有給休暇取得日を指定して休暇を取得してもらう方法です。もう1つは労使協定などで各従業員に対して年間5日以上の有給休暇日を付与することを、事業年度の開始前にあらかじめ決めてしまう方法です。

前者を「個別指定方式」といい後者を「計画年休制度」と言います。従業員の大部分が企業側からの勧奨がなくても年間5日以上の有給休暇を取得している場合には、「個別指定方式」を採用したほうがいいでしょう。反対に、従業員の大部分が年間有給休暇の取得日数が5日未満であるというような場合には「計画年休制度」の方が優れています。

いずれにしても、有給休暇所得日の指定義務化によって多くの方が年間有給休暇取得日数が5日以上となるので、日本の平均有給休暇消化率は向上するでしょう。また、政府が有給休暇消化率向上の旗振り役を担うことで、日本人の有給休暇取得に対する罪悪感の払拭にも貢献するでしょう。

有給休暇消化率の高い日本企業はどこか

「CSR企業総覧」に掲載されている2017年の有給休暇消化率の高い起業のベスト5を上げると、以下のようになります。

第1位 ホンダ自動車     99.6%

第2位 ティ・エス・テック  99.5%

第3位 ケーヒン       99.1%

第4位 アイシン電気     98.2%

第5位 トヨタ自動車     97.4%

第2位のティ・エス・テックと第3位のケーヒンは、いずれもホンダ自動車系列企業なので、本ランキングでは上位3位をホンダ自動車の関連企業が独占した形になります。4位のアイシン電気も自動車関連企業ですので、本ランキングの上位5位はすべて自動車関係の企業が占めています。

日本の平均有給休暇消化率は49.4%程度と非常に低いですが、企業によっては100%近い実績を上げているところもあります。本ランキングの上位を占めている会社は一流企業がほとんどですから、その結果は、有給休暇の取得率が高いと企業の業績が悪くなるということはないということを示唆しています。

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