昭和56年に改正された旧耐震基準と新耐震基準の違いとは?

今回の注目記事は、昭和56年に改正された旧耐震基準と新耐震基準の違いとは?です

耐震基準とは

耐震基準とは、建築物や土木構造物を設計する際にそれらの構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、許可する基準のことです。住宅を建築する際その工事に着工する前に建築確認を受けます。建築確認の際に建てようとする住宅が耐震基準をクリアしていないと許可が下りず建築工事に着工できません。

建築確認とは建築基準法に基づき建物などの建築計画が建築基準基準令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを審査する行政行為です。

住宅に関して建築物の工事に着工する前に建築確認が必要なものは以下のとおりです。

・3階建て以上の木造構造物

・延べ面積500㎡超の木造構造物

・高さ13mを超える木造構造物

・軒の高さが9mを超える木造構造物

・2階建て以上の木造以外構造物

・延べ面積200㎡超の木造以外構造物

・都市計画区域又は準都市計画区域内における新築(大きさや延べ面積等を問わない)

・都市計画区域又は準都市計画区域内における増築(延べ面積10㎥以内の増築を除く)

・防火地域又は準防火地域内での新築・増築(延べ面積10㎥以内の増築を除く)

上記の基準に該当する住宅であれば建築基準法が施行された1950年から1980年5月までに着工されたものであれば旧耐震基準を、耐震基準に関する改正があった1981年6月以後に着工されたものであれば新耐震基準を、それぞれクリアしていることになります。

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旧耐震基準と新耐震基準の違いについて

耐震基準をクリアしているかどうかは建築確認の際の審査内容の一部となりますから、耐震基準も建築確認全体を規定する建築基準法や建築基準法施行令で定めらます。耐震基準に関わる建築基準法や同法施行令は昭和56年(1981年)に大規模な改正があり、それ以前の基準を旧耐震基準、それ以後の基準を新耐震基準と言います。

旧耐震基準と新耐震基準の最も大きな相違は、旧耐震基準では、震度5程度の地震で建物が倒壊しない程度の耐震能力があれば建築確認の許可が下りました。震度6~7の地震の関する基準は特にありませんでしたから、旧耐震基準では震度6以上の地震で倒壊する可能性が高い建物でも建築が可能でした。

一方で、1981年6月以降に着工された住宅等には新耐震基準が適用されることになるわけですが、この基準だと震度5程度の地震で建築物に軽度のひびが入る程度の被害に止まる程度の耐震性能、震度6~7の地震で倒壊しない程度の耐震性能をそれぞれ保有する住宅等しか建築確認の許可がおりません。

旧耐震基準と新耐震基準に違いは、新耐震基準の方がより耐震性能の高い建築物しか建築確認の許可がおりなくなったということになります。建築確認の許可が下りないと、一部の小規模な住宅等を除いて建築ができませんから、1981年6月以降に着工された建築物の大部分は新耐震基準を満たしているものであるということになります。

大地震と耐震基準

1995年1月に発生した阪神淡路大震災について国土交通省が発表した「阪神淡路大震災による建築物等に係る被害」によると、震災による死者の88%が家屋、家具類等の倒壊による圧迫死と推測されるということです。また、旧耐震基準の建物の70%近くが小破から大破の被害を受けたのに対して、新耐震基準ではその割合は30%程度まで抑えられたということです。この結果から、大震災を想定して導入された新耐震基準は一定の成果を上げたと考えられます。

2016年4月に発生した熊本大地震について国土交通省が発表した資料によると、最も被害の大きかった益城町中心部では、次のような結果が確認できました。

・旧耐震基準による建物702棟のうち225棟が倒壊した

・新耐震基準による建物1042棟のうち80棟が倒壊した

旧耐震基準の建物の倒壊率は32.1%であるのに対して新耐震基準の建物の倒壊率は7.6%になっています。熊本大地震での被害結果の調査からも、新耐震基準が大地震の被害を抑止する一定の効果があったことがうかがえます。

建物が新耐震基準によるものか旧耐震基準によるものかの見分け方

建築基準法の改正によって新しい耐震基準による建築確認が実施されたのは1981年6月1日からですから、住宅の着工から竣工まで3~4か月程度の期間が必要だとすると、住宅の建築年月日が1981年9月~10月以降となっている住宅であれば新耐震基準による住宅であると考えることができます。

集合住宅(アパート)などであれば、着工から竣工まで1年~2年程度必要ですので、建築年月日が1982年6月~1983年6月以降の集合住宅であれば新耐震基準による建物であると判断することができます。

旧耐震基準の住宅であるか新耐震基準のそれであるかによって、大地震が起こった時に住宅が倒壊するかどうかの確率が随分変わってきます。中古住宅を購入する場合や中古アパートに引っ越す場合には、建物の建築年月日を確認してできるだけ新耐震基準を満たすものを選ぶようにしたいものです。

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