日通が中国~欧州物流ビジネスを狙う貨物列車の一帯一路とは!?

今回の注目記事は、日通が中国~欧州物流ビジネスを狙う貨物列車の一帯一路とは!?です

総合物流最大手の日本通運が中国・欧州間の鉄道輸送に乗り出す

日本通運は総合物流の国内最大手の企業ですが、日本国内だけでなく世界各国で鉄道輸送を利用して様々な輸送サービスを提供しています。その一環として、日本通運は2018年9月2日付けで、中国と欧州を結ぶ貨物列車の定期運航に乗り出すと発表しました。

近年、鉄道輸送は二酸化炭素削減に効果的な輸送手段として注目を集めています。航空輸送と比較した場合にはより低廉な運賃、海上輸送と比較した場合には所要時間を大幅に削減することができます。また、定時性の確保、セキュリティの高さも注目すべきポイントです。

日本通運は世界に物流のグローバルネットワークを持っていますので、鉄道輸送を中心にして、海上輸送、トラック輸送、航空輸送と組み合わせてシームレス(継ぎ目のない)一貫した国際輸送サービスを提供できます。

日本通運の国際鉄道輸送サービスは「ユーラシア・トレイン・ダイレクト」と名付けられ、中国・欧州発着グループと、日本発欧州着グループと、日本の地方港発モスクワ向けグループの3つに区分されます。そのうち中国・欧州発着のグループは、中国のCHINA RAILWAY EXPRESS(中欧班列)を利用し、アジアから欧州間を双方向で輸送するサービスです。

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一帯一路構想と中欧班列

「一帯一路」とは2014年11月10日に中国の北京市で開催されたアジア太平洋経済協力会議首脳会議で、習近平総書記が提唱した経済圏構想です。「一帯一路」の「一帯」は中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパに繋がる「シルクロード経済ベルト」を意味し、「一路」とは、中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸部を結ぶ「21世紀の海上シルクロード」を意味します。

一帯一路構想の中心は「中欧班列」で、これはここ数年で開通された中国・欧州間の国際的貨物列車の定期運航便を意味します。「中欧班列」は、2011年に最初の路線、中国の重慶からドイツのデュイスブルグが開通しました。その後、2015年12月までには、中国の16都市から20路線以上の「中央班列」が運航されています。

「中欧班列」はユーラシア大陸における新しい国際物流の期間ルートになるかどうかが、注目を集めています。そしてこの「中欧班列」には、ヒューレット・パッカードやBMW、日本の伊藤忠商事やここで取り上げている日本通運なども参加しています。

一帯一路で欧州には中国鉄道貨物が押し寄せている

中国からの貨物列車がポーランドのマワシェビチェに到着し始めたのは約10年前ですが、その頻度は月1本程度と非常に少ないものでした。しかし、2017年から2018かけて中国の提唱した「一帯一路」構想の影響で貨物列車の運行本数が急増し、多い月では1月に運行本数が200本以上のとなることもあり、当局が対応に追われているといいます。

列車貨物に対応する設備が十分でないことと書類などの不備が原因で、中国と欧州の双方の物流拠点で10日以上も貨物が留め置かれていることも稀ではないとされます。現在、中国西部と欧州の各都市を結ぶ国際定期貨物列車である「欧州班列」の一部の拠点都市では、中国から押し寄せる列車貨物で大渋滞となっています。

中欧班列の運行本数は2011年には僅か11本でしたが、2016年には1,702本、2017年には3673本と大幅な増加を示しています。中国当局は2020年までに運行本数を5,000本までに増加させることを目標にしていると発表しており、運行本数の増加は今後も止まらない見通しです。

中欧班列が運行する欧州の各都市で列車貨物の大渋滞が起きていることは、一帯一路が部分的に成功を収めていることを意味しますが、同時に増大する貨物に対する相手国の対応が追い付いていないという現状も示唆しています。

中欧班列の今後の課題について

中国から欧州に向けて運ばれている主な貨物は、衣料品の他、ノートブックパソコンをはじめとする電子製品やその部品、ディスプレーモニター、自動車などです。最近では中国で栽培された花きや鉢植えなどの草花も増加しています。

一方、欧州初のコンテナには、ドイツ製自動車、肉製品、家具、フランス製ワインとなっています。特に、中国で人気の高いドイツ製自動車については、港のある上海や天津ではなく、内陸部の重慶で自動車を受け取れると中欧班列が高く評価されています。

2017年1月から3月までに、中国から欧州に向かう中欧班列の本数は593本ですが、反対に欧州から中国に向かう本数は3分の1程度の198本となっています。従って、今後は、欧州から中国に向かう本数をどうやって増やすかが課題となります。

2018年6月にはアメリカのトランプ政権が中国からの輸入品340億円相当額に対して25%の追加関税を課税すると発表しましたが、近年は中国と各国の貿易摩擦が大きな問題となっています。このまま、中国が一方的に欧州に商品を輸出し続けると、貿易摩擦が起こり、中欧班列による貨物輸送が停滞する可能性があります。欧州から中国に入る貨物コンテナの数を増加させることは喫緊の課題と言えます。

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