アメリカのグーグルなどIT企業に課せられる「デジタル課税」とは!?

アメリカのグーグルなどIT企業に課せられる「デジタル課税」とは!?

みなさんは、この税金について聞いたことがあるでしょうか?

一般的にあまり聞きなれない税であることは確かです。

しかし、日本ではすでに国会審議を終えて実施されるのを待つばかりとなっている課税項目になります。

一般の私たちには、直接関係ない課税だということで、マスコミなどもあまり騒がなかったせいもあり、注目されなかった経緯があります。

では、この「デジタル課税」とはどういった税なのかをご紹介したいと思います。

私たち一般人には、直接的に課税されるわけではないのですが、間接的に巨大IT企業が提供するサービスやEC分野で課税分が配賦され上乗せされる可能性もあるので注目しておきたい税であることは確かです。

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そもそも、「デジタル課税」が出来た理由と未実現だった理由

デジタル課税とは、簡単に言ってGAFAを対象にした課税であることが上げられます。

このGAFAとは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの各企業をまとめたものを示します。

超巨大IT企業群を対象にした課税と言うことになります。こうした企業はEUを中心に売上高(主に広告料収入)が世界で7億5千万ユーロ以上、EU域内で5千万ユーロ以上あることに対して考えられた税になります。

欧州員会がそれら売上高の3%を課税しようと具体的に公表したことに端を発しています。

これは、超巨大IT企業と従来型の企業との課税に対する不公平感から発しており、IT企業の場合税率の低い国で納税し、税率の高い国では納税しないというような事態が平然と行われ、目につき始めてきたことにあります。

こうした国際的な課税逃れの事をBEPS(ベップス:税源浸食と利益移転の略)と呼んで、これを食い止めるために提案された課税方法です。

一方「新しく今までにない税負担を企業に課することは、世界経済と言う視点から、その経済成長を阻害する恐れがあり、最終的には労働者、消費者の損害に繋がる可能性が高い」と言う理由で阻止されてきた経緯があります。

しかしながら、こうした未実現の課税であるにかかわらずGAFAにおける売り上げ拡大は長足の発展を遂げていることから、実現に向けて動き出したと言ってよいでしょう。

GAFAに課税できなかった大きな理論的原因

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)等の大規模IT企業に対して課税の不公平感が出ている大きな理由としては、国際課税の原則に起因しています。

この原則とは、支店や工場などの恒久的施設(PE:Permanent Establishment)が存在しない国では法人税を課税しないという基本的な原則があります。

つまり、例えば、営業マンが社命に従って、A国に入国し商取引を行った結果、商談成立した場合、その法人に対してA国は法人税を課税できない(しない)という一般基本ルールです。

この事は、その国に倉庫が存在するとしても商品保管、商品授受だけを行う場所と言う位置付けで、恒久的施設に含まないこととされています。超巨大IT企業では、既にその影響範囲がボーダレス(国境が無い)になっており、全世界規模で進展していることが現実問題として発生しています。

一方、法人税率は国ごとに異なるということになっているため、低い法人税率の国で納税しさえすれば良いと言うジレンマに陥っています。

デジタル課税の本質論議

上の理由から、EUにおいて、通常の法人課税制度とは別建てで、「その企業の売上高に対して一定の率で課税する」案が出てきました。

この「売上税」とでもいうべき案に関しては非常に劣悪な税制と言う専門家の意見が多く、例えば「物品を100で購入し、150で販売したとした時に、その150に課税されることで、仕入れ価格の100が考慮されていない分、逆に不公平感が出て来てしまう」という欠点があります。

そこで、浮上して来るのが日本では既に行われている消費税の課税方法である「付加価値税」方式で課税するという議論が出ています。

この付加価値税は、売り上げの時に課税は行いますが、仕入時に支払った税額を相殺して納税することが出来る制度であり、先程お示しした単純な売上高に課税する方法とは異なり論理的な方法と言えます。

今後のデジタル課税の行方

デジタル課税は、EUにて頻繁に論議されていますが、EU全ての加盟国が賛成しなければ成立しないというルールで、成立には非常に困難さを伴っています。

中でもルクセンブルクやアイスランド行った低法人税率を設定しているような国々では反対の意見が強いようです。

そこで、EU域内では、「売上高税というデジタル課税を牽制球として利用する一方で、PE(恒久的施設)の概念を変更することで、課税できるようにすれば良い」との意見が出されています。

つまり、「デジタル課税問題は、恒久的施設の定義見直しを通じて、ネット企業と他形態の企業との間の課税上の不公平感を、どう是正できるかにかかっている。」と言われています。

一方、わが国での法改正については、外国企業に直ちに適用できない場合があります。

これは、日本と対象国との間に結ばれた租税条約における規定が国内法よりも優先事項として取り扱われるためです。

特にアメリカとの日米租税条約では、PEの定義変更を認めていないこともあり、今回の法改正が我が国におけるアメリカ企業の事業に対し、直ちには適用されないという点は注意したいと思います。

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