1991年の雲仙岳噴火と2014年の御嶽山噴火とは?

火山

火山の不思議 ~1991年の雲仙岳噴火~

2014年の御嶽山の噴火が起こるまで、雲仙岳は戦後最大の死者を出した火山災害でした。
どんな山か?
雲仙岳は長崎県の島原半島の中央に位置する火山です。

最高点は1991年の噴火により新しく形成された「平成新山」の1486m。

山頂への登頂は現在でも禁止されています。

粘性の強いマグマが湧きあがっているため、溶岩は山体からあまり流れ出ず、

溶岩ドームという構造が山頂に作られています。

ちなみに私の執筆している火山シリーズのアイキャッチ画像は雲仙岳のものです。

山の上部に溶岩が固まっているのが見て取れるかと思います。

この火山は近世から急速に活動している山で、

江戸時代には「島原大変肥後迷惑」という大災害を起こしています。

これは、火山活動に伴って雲仙岳近くの「眉山」という山が崩壊したことによるもので、

崩壊した土砂が海へなだれ込み、大波を起こしました。

熊本県に達した波の高さは20mになったといいますから、甚大な災害だったことが分かるでしょう。

こちらの火山災害は、有史以来での最大の死者数を出しています。

一方、雲仙岳は温泉など資源を育む山でもあるのです。

雲仙温泉を初めとして、湾岸には小浜温泉もあり、年間を通して多くの観光客で賑わっています。

2009年には日本で初めてとなる世界ジオパークに指定されました。

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1991年の雲仙岳噴火

雲仙岳噴火では死者のほとんどが火砕流に巻き込まれる形で被害を受けました。

なぜここまで被害が拡大してしまったのかというと、以下の原因が挙げられます。

・当時日本でも火砕流に対する認知が低かった

・3日以前に小規模な火砕流が続いており、人々の間に油断が生じていた

・危険区域でも「避難勧告」までしか発令されず、避難をしない人もいた

・報道陣が危険区域へ立ち入り撮影を試みていた

・報道陣を監視するための消防団や警察官たちが何人も危険区域へ入っていた

この結果、6月3日の火砕流で43名の死者と9名の行方不明者を出す事態となったのです。

その中には火山学者のクラウド夫妻もいました。

雲仙岳の火砕流は「ムラピ型」と呼ばれるもので、

噴火により形成された溶岩ドームが次の噴火で押し出され、崩壊することによって

他の火山噴出物とともに流れ下る様態のものです。

火砕流が映像として鮮明に捉えられたのは、世界初でした。

現在、雲仙岳の活動は完全に休止している訳ではありませんが、おおむね落ち着いています。

しかし、この山の災害が生んだ教訓は非常に大きなものです。

当時から数えて24年の月日が経ちましたが、この教訓を忘れないでいたいものです。

火山の不思議 ~2014年の御嶽山噴火~

2014年9月、御嶽山が突如噴火し多くの犠牲者を出しました。

どんな山なのか
御嶽山は標高3067mの火山です。

北アルプスに含むとの意見もありますが、アルプスとの間に川が流れているため、一般には独立峰とされます。

3000m峰では最も西に位置し、霊山として古来より信仰されてきました。

裾野はとても大きく、日本の独立峰では富士山に次ぐ体積を誇っているとのことです。

四季の移ろいを感じられる山であり、噴火当時も紅葉を眺めに多くの登山客が御嶽山を訪れていました。

麓からはロープウェーがのびており、子供でも山頂近くまでアクセスすることが可能です。

この御嶽山なのですが、元々は一般に死火山と認知されていました。

しかし1979年に突然活動を始め、日本の活火山の定義見直し・「休火山」「死火山」の用語の廃止という措置がなされたのです。

そして御嶽山の脅威が忘れかけられた2014年、悲劇は起きました。

2014年9月の御嶽山噴火

御嶽山の噴火により最終的に63名の死者と行方不明者が出ました。

これは雲仙岳の噴火による被害を上回り、戦後最悪の火山災害となりました。

なぜこのような事態になったのか?

以下のような原因が挙げられます。

・紅葉シーズンの土曜日、加えて快晴だった

・昼間だったため、山頂付近に多くの登山客がいた

・噴火の様子を撮影していた人が逃げ遅れたケースが目立った

・直近に火山性地震が増加していたが、噴火の予兆と呼べるほどではなく、登山客に周知されなかった

やはり最も大きな要因は「間の悪さ」だったのでしょう。

噴火の大きさにはVEI(火山爆発指数)という指標が用いられます。

地震におけるマグニチュードのようなものだと考えて下さい。

このVEI、御嶽山の噴火では最小の1でした。

雲仙岳の噴火はVEI3だったため、あまり大きくない噴火だったということが窺えると思います。

にも関わらず、これほどの犠牲者が出たのは頃合いの悪さ以外の何物でもありません。

火山噴火予知連にも落ち度がなかったとは言えませんが、彼らは「災害の大きさで被害の大きさが決まるものではない」と述べています。

また、この噴火は水蒸気爆発でした。

火口付近が爆発するため、大規模な火砕流は発生せず噴石などが飛び散るタイプです。

噴石の速度は時速300km。

カメラを手に取らず逃げていれば助かったかもしれない、という方も大勢いらっしゃったようです。

この火山災害がもたらした教訓は「活火山の恐ろしさ」だったでしょう。

火山はいつ噴火するか、今の技術で予測するのは困難です。

活火山に登る際は事前に情報を収集し、万が一に備えましょう。

そして活火山に限らず「登山届」を出すようにして下さい。

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