全国学力テストの数学部門はAとBの二種類ある

受験

全国学力テストの数学部門はAとBの二種類があります。

他の科目と同様に、Aは知識や技能を問い、Bは問題解決力や考える力を問うようです。当然のことですが問題文も長くなります。

数学Aの問題は数学の基本的な知識や技法を確認するという点で重要です。私は、まず数学Aの問題でよい成績をとれるように勉強すべきだと思います。

本稿では平成29年度に実施した試験の前半の8つの問題を提示し、解答例を示します。

1. はじめに

数学Aの問題は全部で15問あります。非常に基本的な問題ですので、答えを得るのに考える力は必要としません。知っていれば答えればよく、知らないならそれ迄です。計算は手の運動になりますし、方程式は手順通りに計算するだけです。

2.  問題1

次の設問1から設問4までの各問いに答えなさい。

2.1 設問1

分数のかけ算です。

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全国学力テストの数学部門設問1の問題文

5/9 × 2/3 を計算しなさい。

2.1.2  設問1の解答の検討

  • 分母は分母同士、分子は分子同士をかけ算します。
  • その結果は 5/9 × 2/3 =10/27 です。
  • 5/9の2/3という意味でもあります。

2.2 設問2

二数が負の場合に結果が必ず負になる演算はなにか。

2.2.1  設問2の問題文

a と b が負の数のとき,下のアからエまでの計算のうち,計算の結果が必ず負の数になるものがあります。正しいものを1つ選びなさい。

ア          a + b

イ          a - b

ウ          a × b

エ          a ÷ b

2.2.2  設問2の解答の検討

  • 乗算や除算の計算結果は必ず正になります。
  • 引き算は被減数の絶対値が大きいと結果は正になります。
  • 常に負になる演算は加算のみです。

2.3 設問3

割り算と引き算が混じった単純な式の計算です。

全国学力テストの数学部門設問3の問題文

10- 6 ÷ (-2)  を計算しなさい。

2.3.2  設問3の解答の検討

式の演算には順序があります。乗除算は加減算より先に計算します。この規則を変えたいならカッコで囲みます。カッコの中の計算は優先して行います。

10- 6 ÷ (-2) = 10 -(-3) = 10 + 3 = 13

全国学力テストの数学部門 設問4の問題文

下の表のAの段は,ある地点の5年間の桜の開花日を表しています。また,Bの段は,3月25日を基準にして,それより遅い場合には正の数,早い場合には負の数で,基準との日数の差を表しています。表の空白部分に当てはまる数を求めなさい。

2012

2013

2014

2015

2016

A

開花日

3.30

3.17

3.24

3.27

3.23

B

基準との日数の差

+ 5

– 8

– 1

+ 2

空白部分

5.2.2  設問4の解答の検討

  • 基準となる日は3月25日であることがわかります。
  • 3月23日は基準の日より2日早いので -2 を記入しなければなりません。

3. 問題2

次の設問1から4までの問に答えなさい。

全国学力テストの数学部門設問1の問題文

5 m の重さが a g の針金があります。この針金の1m あたりの重さは何 g ですか。a を用いた式で表しなさい。

3.1.2  設問1の解答の検討

aを5で割れば1メートルあたりの重さが得られます。a/5です。

3.2 設問2

文字式の意味に関する問題

全国学力テストの数学部門設問2の問題文

A と b の関係が 100-20a = bの式で表される場面を,下のAからEでの中から1つ選びなさい。

  1. 1個100円のガムを1個と,1個20円のあめを a 個買ったときの代金は b 円でした。
  2. 1個100円のガムを20円引きで a 個買ったときの代金はb円でした。
  3. 1個100円のガムと1個20円のあめを,それぞれ a 個ずつ買ったときの代金は b 円でした。
  4. 100円で1個20円のあめを a個買ったときのおつりは b 円でした。
  5. 100円で1個20円のあめを1個と1個 a 円のガムを1個買ったときのおつりは b 円でした。

3.2.2  設問2の解答の検討

bは100から 20aを引いた残りです。

3.3 設問3

文字式の計算

全国学力テストの数学部門設問3の問題文

(2x+5y )-(6x-3y )を計算しなさい。

3.3.2  設問3の解答の検討

(2x+5y )-(6x-3y )

= -4x + 8y = -4 (x–2y) = 4(2y–x)です。

3.4 設問4

yについて解く。

全国学力テストの数学部門設問4の問題文

等式 x + 4y =1 を y について解きなさい。

3.4.2  設問4の解答の検討

  • 両辺からxを引いて4で割ります。
  • y = (1-x) / 4 となります。

4. 問題3

以下の設問1から設問4までの各間いに答えなさい。

4.1 設問1

一次方程式を解く。

全国学力テストの数学部門設問1の問題文

一次方程式  4x =7x + 15 を解きなさい。

4.1.2  設問1の解答の検討

両辺から7xをひくと、-3x = 15になります。これから、x = -5 を得ます。

4.2 設問2

方程式をつくる。

全国学力テストの数学部門設問2の問題文

折り紙を何人かの生徒に配るのに,1人に6枚ずつ配ると16枚余ります。また,1人に8枚ずつ配ると4枚たりません。生徒の人数を求めるために,生徒の人数を x 人として,方程式をつくりなさい。ただし,つくった方程式を解く必要はありません。

4.2.2  設問2の解答の検討

紙の総枚数を主語にして、二つの記述をそのまま式で表します。

6x + 16 = 8x -4

要求されていませんが、xについて解けばx = 10になります。

全国学力テストの数学部門設問3の問題文

二元一次方程式 x+y=2 の解について,下のアからエまでの中から正しいものを1つ選びなさい。

ア:x=1,y=1の1組だけが,x+y=2 の解である。

イ:x+y=2 を成り立たせる整数x,yの値の組だけが, x+y=2 の解である。

ウ:x+y=2 を成り立たせるx,yの値の組のすべてが,x+y=2 の解である。

エ:x+y=2 の解はない。

4.3.2  設問3の解答の検討

解の候補は整数だけではありません。したがって正解はウです。

4.4 設問4

連立方程式を解く。

全国学力テストの数学部門設問4の問題文

連立方程式 x + y = 5 、x/6 + y/3 =1 を解きなさい。

4.4.2  設問4の解答の検討

  • x/6 + y/3 =1 の両辺に6をかけると、x + 2y = 6となります。
  • x + 2y = (x + y) + y = 5 + y = 6となるのでy = 1です。
  • Yの値が分かれば、x = 4 も容易に得られます。

5. 問題4.

次の設問1から設問3までの各間いに答えなさい。

5.1 設問1

任意の角の二等分線

全国学力テストの数学部門設問1の問題文

健太さんは∠XOYの二等分線を,次の方法で作図しました。

健太さんの作図の方法

図1. 2等分線の作図

この方法で∠XOYの二等分線が作図できるのは,上の図で点A,O,B,Pの順に結んでできる四角形AOBPがある性質をもつ図形だからです。その図形が,下のアからオまでの中にあります。正しいものを1つ選びなさい。

ア 直線OPを対称の軸とする線対称な図形

イ 直線OXを対称の軸とする線対称な図形

ウ 点Aと点Bを通る直線を対称の軸とする線対称な図形

工 点Oを対称の中心とする点対称な図形

オ 点Aと点Bを通る直線と直線OPの交点を対称の中心とする点対称な図形

5.1.2  設問1の解答の検討

アの直線OPを対称の軸とする線対称な図形が正解です。

5.2 設問2

三角形の移動に関する問題です。

全国学力テストの数学部門 設問2の問題文

下の図2の△ABCを,点Aを点Pに移すように平行移動した図形を, 解答用紙の方眼を利用してかきなさい。

図2. 図形の平行移動

5.2.2  設問2の検討

  • 点pは横軸の右方向に4、縦軸の上方向に2だけずれています。
  • B点とC点をその量だけ移動した点をQとRとします。
  • P点、Q点、R点を直線で結べば求める図形になります(図3)。

図3. 平行移動した図形

5.3 設問3

扇形の弧の長さを求めます。

全国学力テストの数学部門設問3の問題文

図4. 扇形の面積

半径が5cm,中心角が120°のおうぎ形の弧の長さを求めなさい。ただし,円周率はπとします。

5.3.2  設問3の検討

  • 円周は直径に円周率πを掛けて得られ、10πとなります。
  • 中心角が120度の扇敬の弧は、円周の3分の1ですから10π/3となります。

6. 問題5

次の設問1から設問3までの各間いに答えなさい。

6.1 設問1

直方体の辺と面の関係に関する問題です。

全国学力テストの数学部門設問1の問題文

次の図5の直方体には,辺CGに平行な面がいくつかあります。そのうちの直方体の面を1つ選んで書きなさい。

図5. 直方体

6.1.2 設問1の検討

面ABFE、面 DAEH、面CDHG、面BCGFはいずれも辺CGに平行な面です。

6.2 設問2

回転体についての問題です。

6.2.1 設問2の問題文

右の図6の円錐は,ある平面図形を直線のまわりに1回転させてできる立体とみることができます。直線 を軸として1回転させると,この円錐ができる図形が,下のアからエまでの中にあります。正しいものを1つ選びなさい。

図6. 円錐

図7. 円錐の候補となる図形

6.2.2 設問2の検討

アの図形を回転させます。

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6.3 設問3

6.3.1 設問3の問題文

右の図8は立方体の見取図です。この立方体の面ABCD上の線分BDと面AEFB上の線分BEの長さを比べます。線分BDと線分BEの長さについて,下のアからエまでの中から正しいものを1つ選びなさい。

図8. 立方体

ア          線分BDの方が長い。

イ          線分BEの方が長い。

ウ          線分BDと線分BEの長さは等しい。

エ          どちらが長いかは,間題の条件だけでは決まらない。

6.3.2  設問3の検討

直方体なのでどの面も同じです。

6.4 設問4

円柱の体積を計算します。

6.4.1 設問4の問題文

底面の半径が10cm,高さが15cm の円柱の体積を求めなさい。ただし,円周率はπとします。

図9. 円柱の体積

6.4.2  解答の検討

  • 円柱の体積は底面積に高さをかけて得られます。
  • 底面積は100πです。
  • これに高さの15をかけ、1500πが得られます。

7. 問題6

次の設問1,設問2の各間いに答えなさい。

7.1 設問1

錯角に関する問題です。

7.1.1 設問1の問題文

次の10で,2つの直線 ℓ、mに1つの直線 nが交わっています。このとき,∠ x の錯角について,下のアから力までの中から正しいものを1つ選びなさい。

図10. 錯角はどれとどれ

ア ∠ x の錯角は,∠ a である。

イ ∠ x の錯角は,∠ b  である。

ウ ∠ x の錯角は,∠ c  である。

工 ∠ x の錯角は,∠ d  である。

才 ∠ x の錯角は,∠ e である。

力 ∠ x の錯角は,∠ a から∠ e までの中にはない。

7.1.2  設問1の検討

  • 錯角の定義が分かれば答えは簡単です。
  • 平面上にある2直線ℓ、mが他の直線nと交差してできる角のうち、斜め向かい同士の関係にある角をいいます。
  • ∠ x の錯角は,∠ b です。

7.2 設問2

多角形の内角の和に関する問題です。

7.2.1 設問2の問題文

n角形の内角の和は,次の11のように,1つの頂点からひいた対角線によって,n 角形をいくつかの三角形に分けることで求めることができます。

図11. 多角形の内角の和

n 角形は,1つの頂点からひいた対角線によっていくつの三角形に分けられますか。下の(ア)から(オ)までの中から正しいものを1つ選びなさい。

  •  n + 1 (個)
  •  n (個)
  •  n - 1 (個)
  •  n - 2 (個)
  •  n - 3 (個)

7.2.2  設問1の検討

(エ) のn-2  (個)が正解です。

8. 問題7

次の設問1,設問2の各間いに答えなさい。

8.1 設問1

二等辺三角形の性質に関する問題です。

8.1.1  設問1の問題文

AB=ACである二等辺三角形ABCがあります。辺BCの中点をMとして,直線AMをひきます。このとき,∠BAM=∠CAMであることを下のように証明しました。

図12. 二等辺三角形

上の証明の xxxxxxxx に当てはまる言葉を書きなさい。

8.1.2  設問1の検討

①と②と③は、三つの辺の長さがそれぞれ等しいことを主張しています。

8.2 設問2

任意の平行四辺形を作図する問題です。

8.2.1  設問2の問題文

次の13のように,点A,B,Cがあり,点Aと点B,点Bと点C を結びます。

図13. 平行四辺形の作図

下の①,②,③の手順で点Dをとり,平行四辺形ABCDをかきます。

図14. 平行四辺形の作図法

①, ②,③の手順では,どのようなことがらを根拠にして平行四辺形ABCDをかいていますか。下のアからオまでの中 から正しいものを1つ選びなさい。

ア 2組の向かい合う辺がそれぞれ平行な四角形は,平行四辺形である。

イ 2組の向かい合う辺がそれぞれ等しい四角形は,平行四辺形である。

ウ 2組の向かい合う角がそれぞれ等しい四角形は,平行四辺形である。

工 1組の向かい合う辺が平行でその長さが等しい四角形は, 平行四辺形である。

オ 対角線がそれぞれの中点で交わる四角形は,平行四辺形である。

8.2.2  設問2の検討

点Aから辺BCの長さだけ離れている点のうち、点Cから辺ABの長さだけ離れている1点を求めるのです。

9.1  問題文

次の15の四角形ABCDについて,下のことがらが成り立ちます。

∠ABD = ∠CBD,∠ADB = ∠CDBならば, AB = CBである。

図15. 三角形の合同条件

上のことがら「∠ABD = ∠CBD,∠ADB = ∠CDBならば, AB = CBである。」の中で,仮定にあたる部分をすべて書きなさい。

9.2  解答の検討

  • 「なになにならば、何々である」の文では、「なになにならば」が仮定の文で、「何々である」が帰結の文です。
  • ∠ABD = ∠CBD,∠ADB = ∠CDB

10. まとめ

学力テストの数学Aは全部で15問あります。本稿では、そのうちの前半の8問を解説しました。

  • 問題数が多いことから簡単な問題ばかりです。計算などは、見たら答えがわかるもの、生徒によっては暗算で答えを出せる問題もあるでしょう。計算方法がわかっていることを確認するのであれば、計算は簡単でも十分なのです。
  • 基本的な知識を浅く広く確認ことを目的にしています。生徒はあたかも小走りで走るような状態で問題を解かねばなりません。
  • 以下は前半8問の主要な確認項目です。
    • 基本的な計算
      • 分数のかけ算
      • 負数同士の演算で必ず負数になる演算。
    • 1元1次方程式
    • 2元1次方程式
    • 事象の経時的な変化を表で表現する。
    • 面積や体積を計算する。
    • 扇形の弧の長さを求める。
    • 回転体と元の図形の
    • 任意の三点が与えられた場合の平行四辺形の作図方法
    • 三角形の合同の条件
    • 角を二等分する方法
    • 多角形の内角の和を求めるのに複数の三角形に分割する。

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