シンガポールの老後の年金制度と健康保険は、どのような仕組みで貰えるのか?
住みやすい都市No.1のシンガポール!社会保障はどのようなものなのか?
イギリスのECAインターナショナルによると、シンガポールは16年連続で「世界で最も住みやすい都市ランキング」で1位を獲得しています。
なぜかというと、シンガポールはこんな街だからです。
■治安が良い
・日本よりも治安が良いと言われています。シンガポールは犯罪件数も日本より低いですし、日本の暴力団のような組織も存在しません。また法律・罰則が厳しく、麻薬の密売は死刑になるとのことです。
■街がきれい
・ゴミのポイ捨てなどは罰金が課されるなどの衛生的な国です。
■過ごしやすい気候
・常夏ですが、緑が豊富で海からの風もある為、日本の夏よりも快適に過ごせると言われています。また台風や地震もありません
■雇用が安定
・ほぼ雇用ができているとのことで、職につけない人は日本のように多くはないです。
■ワークバランスが取りやすい
・日本ではサービス残業で帰れないとか、有給をなかなか取らせてもらえない等の声がきかれますが、シンガポールでは残業は多くなく、平日も夜は友達や家族で食事を楽しむ人も多いそうです。
さて、このようなシンガポールですが、社会保障である「年金制度」と「医療保険制度」はどのようになっているのでしょうか?
では早速見ていきましょう!!
シンガポールの年金制度は強制積み立て?
シンガポールの年金制度は、日本とはかなり異なります。
日本の年金制度は「世代間扶助」と呼ばれるもので、現役の人々が支払ったものを、現役を退いた年金受給者に支払う制度です。
シンガポールの年金制度はそれとは異なり、CPF(Central Provident Fund)中央積立基金に積み立てをします。この制度は下記のような仕組みになっています。
■各自の年金用の口座を用意(国が管理)
■上記口座に強制的に貯蓄
■本人が給与の約20%を貯蓄し、雇用主が約13%を貯蓄
■受給できる時期に、貯蓄した口座から引き落としが可能になる
このことから、日本のように自分達が実際に年金をもらう時に、納めていた金額より少なくなるという事態にはならないのです。
日本でいうと個人年金保険のようなものです。個人年金保険は年金受給年齢に達しなくても解約していくらかお金を手にすることができますが、シンガポールではこれを国が管理しているので、受給年齢に達するまではおろせないようになっているのです。
何故シンガポールではこのような制度を取り入れているかというと「自身の老後の資金は、自身のお金で守って下さい」という考えだからです。
またこの年金用の口座にためているお金には、下記のようなメリットがあります。
■2.5%以上の利子がつく
■積立金及び利子は非課税
■積立金残高は、個人ごとにインターネットから確認可能
日本の定期預金の利子は0.6前後なのに対し、シンガポールは2.5%以上の利子がつくのはすごいことですよね。
受給できる年齢まで生きているか分からないから、貯めないでほしいというシンガポール人もいると思いますが、個人的には日本もこのような制度になってほしいです。
シンガポールの年金制度。受給資格は?
シンガポールの、年金の受給条件及び受給開始年齢は下記の通りです。
【受給条件】
中央積立基金に積み立てをしていた
※働いている人でないと積み立てはできません。
【受給開始年齢】
■55歳
55歳に満たない場合でも、事情があれば引き出すことができます。例えば住宅ローンの返済等です。
シンガポールの医療保険制度は年金と同じく積み立て?
前項では、シンガポールの年金制度について取り上げました。そこではCPF(中央積立基金)の話を取り上げました。
実はCPFでは年金も含め、各個人に下記3つの口座が用意されています。
- 普通口座
- ・住宅、保険、教育などの積立
- 医療補助口座
- ・医療費、入院費
- 特別口座
・老後の資金
年金は③の口座で、日本の医療保険に一番近いものは②の口座です。
この②の特徴は下記の通りです。
■各自の医療用の口座を用意(国が管理)
■上記口座に強制的に貯蓄
■本人が給与の約20%を貯蓄し、雇用主も約20%を貯蓄
■通院したり入院費が必要な時に、貯蓄した口座から引き落としが可能になる
この医療補助口座への貯蓄は強制です。しかし、現在では他に任意の保険への加入も推奨されているそうです。メディシールドというものがそれに該当します。
《メディシールド》
大病などで、多額の医療費が必要になる場合に備えて加入します。
なぜシンガポールではCPF(中央積立基金)という制度ができたのか?
CPFで積み立てをするには、働くことが前提の条件となっています。
シンガポール政府は働いていない人にも社会保障を手厚くすると、国民の勤労意欲を低くするという考えと、保障を手厚くしすぎて、結局大きな税金が国民にかえってくるのは良くないという考えからCPF制度を導入しました。
日本でひと昔前に話題になった「働けるのに働かず、生活保護をうけて暮らす人」というのはシンガポールでは存在しないのです。
シンガポールでは「自分のことは自分で責任を持って」ということですね。
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