物品貿易協定(TAG)交渉とは!?2019年1月

アメリカ

2019年1月に行う物品貿易協定(TAG)交渉とは!?

 

2018年9月、日米首脳会談が実施され様々な分野での話し合いが持たれました。

その中でもこの物品貿易協定(TAG)についての交渉が最も耳目を集めた交渉となっています。

政府の外交姿勢や安倍首相本人に対する対決姿勢を強めている野党側にとっては、比較的攻めやすい外交問題であることが、さらに話題を提供してくれています。

この物品貿易協定(TAG)については、2019年1月にも再交渉が持たれるとの予測で、その時の経緯に注目されています。

そこで、物品貿易協定と訳されるTAGとはどういった協定なのかを、日米間で結ばれる、又は結ばれなかった最近の協定を交えてご紹介したいと思います。

なお、特にアメリカとの関係で、英文字の略号を用いることが多く、英略号に弱い方は十分気を付けて読んでみて下さい。

 

 

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そもそも、この物品貿易協定とは何?

さて、2018年9月に話し合われた内容について、「物品貿易協定」と名付けられたそもそもの文言からの論議があります。

つまり、アメリカとの協定ですので全て英文で交わされることになっていますが、ここに明治時代でもあまり例を見ない誤訳(意訳)が出て来ています。

この「物品貿易協定」と訳され、英略文字でTAGとされている原文は、「Trade Agreement on goods as well as other key areas including services」となっています。

さて、皆さんはこの英文を見てどのように訳されるでしょうか?また、英略文字をどのように付けられるでしょうか?

当然、日本政府の担当者も当事者の政治家もより良い訳語を見つけることに努めるわけで、長々とした名称は嫌われます。

しかし、原文が長いので、それを「超訳」して良いと言うことにはなりません。

つまり、原文通り訳せば、「サービスを含めた重要領域及び(と同様に)物品に関する貿易協定」という訳し方になります。

それを、「物品貿易協定」と単純に一部を無視してこの協定名を発表しています。

そこで、この「サービス」と言う文言を敢えて取り除いた意図や、その他重要領域を訳さなかった意図とは何かを次項でご紹介したいと思います。

ここで、「Service(サービス)」と言うものが何を指すのかと言えば、一般的には金融サービス、証券サービス等を指すことが一般通念になっています。

 

協定名を超訳した理由

日本が海外との協定で、過去EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)があります。

その他、環太平洋パートナーシップ協定であるTPPと言うものも結ばれていますが、アメリカはこのTPPに参加していません。

つまり、アメリカとしては後進国や発展途上国と同じ土俵の上での協定には反対で、各々2国間で協定を結びたいとの思いから、日本に対しては広範囲な協定であるFTAを求めています。

ここで、日本はアメリカとのFTAを結ぶことはTPPを結んだ各国との関係上、あくまでも拒否しています。

なぜなら、このFTA交渉は物品の貿易関税の問題だけでは無く、サービスも含む広範囲性が有るためです。

そうした姿勢を貫くために、今回の協定話し合いの発表で、協定名に「サービス」と言う意味合いを含ませず、物品のみに焦点を当てたい意図が見え隠れします。

アメリカ側も、この意図を分かっており、アメリカ側は、物品もサービスも共に協議のテーブルにあるとし、日本側の訳した「物品貿易協定」という言葉に違和感を示しています。

逆にこの「物品貿易協定」を英訳して見ますと、単に「Trade Agreement on Goods」となるでしょう。

さらに、ここで示した「Goods」と頭文字を大文字とすることで、TAGと英略名が完成しますが、上にご紹介した正式な英文「Trade Agreement on goods as well as other key areas including services」」では、「goods」と頭文字は小文字で、到底そのような略号にはならないと思えます。

 

野党の批判は正しいか

では、こうした外務省による故意的とも思える和訳に関して野党側からは、安倍首相の指示に基づき、対米FTA交渉(つまり、広範囲な関税に関する協定)を行わないとしていたこともあり、ここでサービス領域をも含む広範囲な関税協定を協議するとは言えないとし、敢えて国民を欺くために「物品貿易協定」とあくまでも「物品」だけの関税協定だとしているのではないかと非難しています。

そういう側面もあるかもしれませんが、他方では、政府方針に反するアメリカとの2国間で行うFTAに反対の政府としては、米国と結ぶ協定名に抵抗を示し、敢えて、「サービス」や「その他の重要領域」という文言を削り、日本国内の世論形成を図ったとも考えられるのではないでしょうか。

 

まとめ

2019年1月に再び「物品貿易協定(TAG)」の交渉が始まりそうです。トランプ政権の「自国第一主義」に振り回されている様相のアジア諸外国と同列で扱われることの無いよう、高度な外交手法を用いて、日本の不利にならないように協定締結を行って頂きたいものです。

また、最悪の場合、現在繰り広げられている中国とアメリカの関税戦争にもなる可能性が僅かでもあると考えられるならば、日本ももう少し考え方を改めて行かないと不利を被る結果になってしまうと思います。

どの国にとっても貿易戦争で得をする国は無いと言われますが、それは間違いで、「漁夫の利」と言う言葉もある通り、第三国の出現により当事者国間ではお互い不利なシチュエーションなだけで、ほかの国にとっては喜ばしいと言うこともあるということを忘れてはいけません。

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