大正製薬HDが約1820億円で買収するフランスの「UPSA」とは!?

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今回の注目記事は、大正製薬HDが約1820億円で買収するフランスの「UPSA」とは!?です。

 

「鷲のマークの大正製薬」のフレーズで有名な大正製薬ですが、現在は競合激化や国内市場の飽和で看板商品である感冒薬の「パブロン」や栄養剤「リポビタンD」が伸び悩み、成長に限界がみられています。

それを打破するために、同社は東南アジア市場や欧州市場で積極的に展開しています。

今回、大正製薬はフランス製薬会社UPSA社を買収しましたが、これもその一環です。

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大正製薬がフランス医薬品製造販売会社UPSAを買収

 

大正製薬HD(ホールディングス)は、連結子会社である大正製薬が、アメリカの製薬会社ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)を通じて、その完全子会社であるフランスの医薬品製造販売会社UPSAを約1820億円で買収すると発表しました。

買収手続きが完了するのは2019年6月頃と予定されています。

フランスUPSA社は、1935年に設立された会社です。

本社はパリで、現在はアメリカの製薬会社BMSに株式の100%を保有される同社の完全子会社となっています。本社はパリ近郊に所在し、フランス南部のアジャン市に2工場を保有しています。従業員数は約1,600人で、2017年の業績は、売上高が日本円で約540億円、営業利益が同じく約100億円となっています。

フランスのOTC市場では、第2位のシェアを誇ります。

ちなみにOTCとは、処方箋を必要としない一般用医薬品のことを言います。

解熱鎮痛消炎剤、総合感冒薬、睡眠補助剤、胃腸薬、ビタミン剤などを取り扱っています。このうち、中心は解熱鎮痛消炎剤と総合感冒剤です。

大正製薬HDがフランスUPSA社を買収した目的は、確立されたブランドを入手することで欧州市場に同社が進出する足がかりを作ることです。

そして、現在進出中の東南アジア市場に、欧州市場を加えることによる2極体制を構築し、海外事業の拡充を図り、持続的な成長の現実を目指します。

UPSA社が保有するブランドについて

UPAS社が保有する主要ブランドの1つ目は、解熱鎮痛消炎剤「ダファルカン」です。販売地域はフランス、ベルギー、スイスの3か国です。

2つ目は同じく鎮痛剤「エファラルガン」です。

販売地域はフランス、イタリア、スペイン、ロシア、ベトナム、東欧各国、アフリカです。こちらは同社の鎮痛剤「ダファルカン」よりもより広い地域に流通しています。

3つ目は総合感冒薬「フェルベックス」です。

販売先は、フランス、ロシア、東欧、中欧、アフリカとなっています。UPSA社の売上構成比は「鎮痛剤」と「感冒薬」で全体の約90%となっており、同社は鎮痛剤と感冒薬の製薬会社ということが分かります。UPSAの薬品は進出各国で高い認知度を有しており、このブランドを取得した大正製薬は、欧州進出の確実な足掛かりをつかんだことになります。

大正製薬では、欧州市場と東南アジア市場での同社のOTC事業の展開が、今後の同社の成長力を高める重要な要素であるという考えを発表しています。

同社では、今回取得したUPSA社のブランドやその他の資産をベースとして、欧州地域と周辺国における基盤の強化に積極的に取り組み姿勢を示しています。

大正製薬では、競合激化や国内市場の飽和で看板商品である感冒薬「パブロン」やドリンク剤「リポビタンD」、毛髪用剤「リアップシリーズ」の販売が伸び悩んでいると言われています。

そこで、停滞する国内市場に活路を求めるのではなく、海外市場への進出に会社の将来を託しているようです。今回の大型買収もその一つとみることができます。

大正製薬の海外展開について

大正製薬グループは、1963年からドリンク剤のリポビタンシリーズを軸とした海外展開を行っています。

現在、現地法人を構えているのは、香港、台湾、マレーシア、タイ、ベトナム、中国です。

このうち、台湾、マレーシア、フィリピン、ベトナム、上海では、現地工場も有しています。

また、最近ではドリンク剤に加えて、今後の経済成長が見込まれるOTC医薬品事業を中心とするセルフメディケーション分野でも積極的な海外進出を行っています。OTC医薬品分野での大正製薬の海外進出方法は、現地の企業を買収して、その買収した企業のプラットフォームを活用して、その国に自社の製品を浸透させていくというものです。

2011年にはマレーシアのHoe製薬ホールディングスの全株式を取得し完全子会社化。2012年にはメキシコの製薬グループCICSA社の全株式を取得。2014年にはフィリピンの消炎鎮痛剤「Flanax」ブランドの販売権を取得しました。進出先の国のセルフメディケーション事業で有力な企業やブランドを積極的に買収しています。

今までの大正製薬のOTC事業は、海外進出は東南アジアを中心としていたのですが、今回のフランスUPAS社の買収によって、今後は東南アジアの他、欧州も加え、2極体制で海外進出を拡大していくことが計画されています。UPSA社はOTC事業ではフランス第2位の実力企業であり、欧州各国に浸透しています。

大正製薬の欧州進出の拠点としては買収するには好適な企業と言えます。

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