MUSCA(ムスカ)とは エリートハエが食糧危機を救う

食糧危機問題

今回注目の記事は、世界的食糧危機を救うエリートハエMUSCA(ムスカ)とはです。

現在、日本を初めとした先進諸国では、人口減少が継続的に発生しています。

中国なども産児制限(一人子政策)等で、将来のある一定の時期までは人口が減少し続けています。

しかし、我々日本人には実感として湧かないかもしれませんが、世界規模では人口爆発とでも言うべき人口増加が続いています。

国連による人口統計では、推計として2050年迄には世界人口が90億人に到達するとされています。

2019年現在で75億人との国連発表もあるように、30年後には15億人が増えていることになります。

そこで問題になる基本的な問題は「食糧危機」になります。

現在でも、全世界的には9人に1人の割合で飢餓状態にあると言われています。

異常気象、自然破壊等で不作や不漁が断続的に続いているせいでもあります。

そこで登場するのが、究極の生態系を応用利用した生物循環システムが注目を浴びています。

その主人公とでもいうべきものが、MUSCAで、ハエの学名「ムスカ・ドメスティカ」から取られた俗称になります。

日本名では「イエバエ」と訳されています。

そこで、一般的に嫌がられている「ハエ」であるMUSCAに関して、どうして食糧危機を救うエリートハエなのかをご紹介したいと思います。

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究極の生物循環システムを行うMUSCA

過去から、ハエと言うと「不衛生」の象徴のように言われてきましたが、その生命力や繁殖力は他の生物には見られないものがあります。

ハエの起源は古く、1億年以上も前の白亜紀の時代の琥珀から、閉じ込められたハエが見つかっています。

そのハエは、旧ソビエト連邦での宇宙開発に絡んで、ストレスに強い種のハエとして、このMUSCAが注目されていた時代もあります。

つまり、水、食料の無い宇宙空間で効率的に食料を得る目的に使用できないかとの発想から品種改良されたわけです。

そもそも、ハエが嫌悪されるのは、汚物に集って汚物に含まれる細菌等をばら撒くことから悪疫の根源とされたことから始まります。

しかし、純粋培養され、何十世代と品種改良がなされたMUSCAは、昆虫として家畜の糞尿を飼料や肥料に100%のリサイクルを可能にするシステムの担い手として登場しています。

このため、農作物のみならず養殖魚への飼料としても非常に有望視されています。

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生物循環システムとしての主役の活躍

MUSCAのゴミ処理能力と言うのは、今までに数多くの物理的、化学的処理を加えた場合よりもはるかに効率よく、無害で迅速に実行されています。

つまり、具体的には、MUSCAは産卵してから、ハエとして孵化するまでの時間が非常に短く8時間と超短時間で孵化します。

さらに1週間もすれば、幼虫から蛹(さなぎ)に変化します。

超高速な生物サイクルを持っていると言えます。

また、雌のMUSCAは生涯に500個程度の卵を産みます。

つまり、単純計算にはなりますが、1対のMUSCAが全て生存し続ければ、4ヵ月程度で20万匹のMUSCAが登場することになります。

そのMUSCAに家畜の糞を分解させた場合には、短期間に農業用の有機肥料が出来上がると言うことになります。

農業用肥料を作る一方で、MUSCAの幼虫自体を収集した場合には、養殖魚に適した飼料になります。

前者の場合、家畜の糞を堆肥化するには今までであれば3ヵ月~半年を必要としましたがMUSCAの場合ですと、僅かに1週間で出来上がってしまいます。

さらに後者の場合、養殖魚に与える飼料は経済的パフォーマンスも良いとされています。

具体的には、2000年初頭に1Kgの飼料が50円以下でしたが、2017年では、300円前後にまで高騰しています。

これは、養殖魚の飼料の原材料である、カタクチイワシやアジが枯渇し始めていることに起因していると言われています。

そうした飼料高騰にもMUSCAでは安価に済んでしまうこともメリットの一つとして上げられています。

さらに、MUSCAによる飼料を与えた真鯛の養殖結果では、成長が早く、色味も鮮やかになることが実証実験で明らかにされているとの報告もあります。

究極の食糧危機打開策としてのMUSCA

以上のように、農作物肥料、養殖魚飼料として安価に迅速に製造できるMUSCAは、近い将来起こるであろう飢餓人口の爆発的増加に対抗しうるものになると考えられています。

有用な繁殖環境や隔離された工場などでの製造であれば環境問題も無く、安全に生産できることになります。

嫌悪感をもって「ハエ」を見るのではなく、自然界に存在するリサイクルエンジンとして考えると、今後将来にわたって、この領域の市場が拡大していくものと考えられます。

飢餓環境は、経済的理由によるものが多いことから、安価に且つ栄養豊富な肥料、飼料が生産されることで、手の届く食糧生産体制を敷くことが出来ると考えられます。

世界人口の急増に対応する打開策として、今最も注目を浴びている生物になると思われます。

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