TPP11と日欧EPA食卓への影響とは!?

政治雑学

TPP11と日欧EPA、食卓への影響は?

例えば、日本に何かモノを輸入しようとして、仮にそれが現地では100円で売られているモノだとしたとき、それはそっくりそのまま、100円で輸入することができるでしょうか(輸送料や為替などは考慮しないものとして)。

答えはもちろん「NO」です。

では何によって値段が変わってくるかというと、それは「関税」によってとなります。

国と国の間をモノが行き来するときにかけられる税金、それが関税で、自国内の産業を保護するなどの働きがあります

もし、ある国で小麦が大量に作られていて、そしてそれが安価だとして、そこに関税が無ければどういったことになるでしょうか。

安い小麦が欲しい企業はその小麦ばかりを使うことになり、結果、日本国内の小麦農家は作っても売れず、大打撃を被ることとなってしまうわけです。

しかしこの関税も、あればあるほど良いというわけでは、もちろんありません。

輸出の多い産業にとって相手国の関税は、大きなブレーキとなってしまうのです。

このように、よりグローバルな方へと向かっている世界経済においては、他国との連携を上手にしなければ自国の発展にも限りができてしまいます

そこで結ばれるのが経済連携協定(EPA)であり、特に日本にとって重要な経済連携協定が「TPP」と「日欧EPA」です。

ついに発効したTPPと日欧EPA。

その内容や、私たちの生活に及ぼす影響など、わかりやすくまとめていきます。

日欧EPAとは!発効が確定!
2018年12月8日に日本で「日欧EPA」協定が国会承認されました。その直後の12月12日には欧州議会本会議で同協定が可決され、20日に理事会で承認されました。これを受けて、2019年2月1日から本協定が発効します。これによって、世...
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TPP11と日欧EPA

TPP11とは、環太平洋パートナーシップ協定(Trans Pacific Partnership)の略で、現状11カ国が加盟していることから、11という数字が付されています。

当初はアメリカも含み、12カ国でのスタートを予定し大筋合意までこぎつけていましたが、2017年1月にトランプ大統領がTPPからの離脱を正式に決定し、現在は以下の11カ国での協定となっています。

オーストラリア、ブルネイ、チリ、カナダ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、そして日本です。

TPP11は、「環太平洋地域の国々による経済の自由化、加盟国の戦略的提携によって、マーケットにおけるプレゼンス(存在感)を上げる」ことを目的とした多角的な経済連携協定で、2018年12月30日より発効となりました。

世界的に見ても規模の大きな経済連携協定で、参加11カ国の合計5億人による国内総生産は、10兆米ドルにもなり、これは世界経済の13%にもあたります。

ここで、そもそも経済連携協定(EPA)とは何か、というところを説明しておきましょう。

経済連携協定とは、関税の撤廃や非関税障壁(関税以外の方法によって貿易に制限を加えること。

(数量の制限などがある)の緩和など、モノの行き来を円滑にすることだけでなく、相手国との経済制度を調和させ、サービスや投資など、経済の色々な面においての連携強化を目的とした協定を言います。

EPAを結ぶことにより、相手国との貿易が容易になり、様々な産業で市場を広げることができます。

このEPAですが、TPP11ともう一つ、大きなものとして「日欧EPA」があります。

その名の通り、日本と欧州連合が締結した、非常に大規模なEPAとなっています。

その規模、日欧を合わせた国内総生産は、世界経済の実に30%、金額にして20兆米ドル以上にもなり、まさに世界最大規模のEPAと言えるでしょう。

政府によると、TPP11により国内総生産は「7兆8千億円/年」増加、46万人の雇用創出、日欧EPAでは「5兆円/年」のGDP増加、29万人の雇用創出となっていますが、では、具体的に私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか。

大規模EPA、生活への影響

EPAの取り組みの柱として、関税の撤廃があります。

関税とは、モノが国家間を行き来するときに発生する税金のことで、これが撤廃されると、貿易はもっと自由となります。

前述の小麦の例をもう一度持ち出しますと、EPAの相手国により安い(あるいはより良い)小麦があるのであれば、関税がブレーキにならない分、輸入の検討はもっと前向きなものとなるわけです。

その結果、小麦を安く輸入できるようになった外食産業などの恩恵が、商品の値段に反映され、私たちはより安価で商品を買い求めることができるようになります。

また、小麦などの素材だけでなく、チーズやワイン、ブランド品など、ヨーロッパが本場の商品も今より安く買えるようになるでしょう

すでに流通大手の「イオン」では、昨年(2018年)の12月から、牛肉を100グラムあたり「20円から130円」の値下げとしていて、TPPを見据えた戦略をとっています。

もちろん輸入だけに限らず、輸出の多い産業(自動車産業など)では、相手国からの注文が増えることにより、売り上げの増加、市場の拡大などメリットが見込めます。

なお、残念ながらこれらの大規模EPAでは、良い面ばかりではなく、デメリット、もしくは不安視されている点もあり、農林水産業への影響がまさにそれと言えます。

海外のモノが入ってくるということは、すなわち国内の農林水産業者にとっては競合相手が増えることでもあり、価格での対抗は厳しいと言わざるを得ません。

農林水産省によると、適宜セーフガードを措置するなどして対策する予定ですが、試算では主要33品目で「最大1500億円」程度、生産額が減少するとみられています。

発効してまだ間もないTPP11と日欧EPA。

関税の撤廃は、即時のものもあれば、段階的なものもあり、まだ私たち国民の生活にはさほどの実感をもたらしていません。

安倍首相はTPP11の発効を受けての記念式典にて「自由貿易の歴史に新たな章を開いた」と述べています。

TPPは、加盟に興味を示している国も多くあり、これからさらに規模を拡大する可能性もあります。

世界経済のなかで日本という国がどのように立ち回るのか、注目が集まります。

まとめ

TPP11と日欧EPAについて、概観がつかめるようにまとめました。

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