カナダの年金事情と健康保険制度、仕組みと問題は?

カナダ

カナダの年金事情と健康保険制度、仕組みと問題は?

日本から海を越えて約8000km。

北アメリカ大陸北部に位置する国、それが「カナダ」です。

面積はロシアに次いで世界2位、実に日本のおよそ27倍にもなるその土地に、約3671万人の人々が暮らしています。

首都はオタワですが、2010年に冬季オリンピックが行われたことにより、バンクーバーという地名を記憶に留めている人も多いでしょう。

2017年に発表された「ワールド・ハピネス・リポート」という報告書では、世界156カ国を対象に「その国の幸福度」を調査した結果、カナダは第7位にランクインと、世界的にみて暮らしやすい国であることが推察されます。

ちなみに日本は51位でした。

そんなカナダですが、2016年の国勢調査で、初めて65歳以上の人口(590万人)が、14歳未満の人口(580万人)を上回る結果となり、高齢化の現状が明らかになりました。

高齢化と聞くと、日本もまた無視のできない問題で、対岸の火事のように眺めているわけにはいきません。

高齢化の一途を辿る社会においては、高齢者の生活をいかに支えるかが課題となります。

そしてその柱が、「年金制度」と「健康保険制度」と言えるでしょう。

今回のテーマは、カナダの年金制度と健康保険制度、日本とは違うその仕組みと問題点についてです。

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 カナダの年金制度とは?

カナダの年金には、メインとなる2つの制度があります。

その一つが「老齢年金」と言われるもので、「Old Age Security」略して「OAS」と呼ばれます。

OASは65歳から支給される年金で、働いていたときに年金を支払ったかどうかとは無関係に、条件さえ満たせば支給されます。

その条件というのが、「給付の申請をする時点で、カナダの市民権、もしくは法律上の居住資格を持っている」かつ、「18歳以降、少なくとも10年はカナダに暮らしている」ことが必要となります。

(現在カナダに住んでいない人でも給付の申請は行うことができ、実際に受け取ることもできますが、条件が少し厳しくなります)

支給額ですが、18歳以降40年をカナダで暮らしていると満額の給付を受けることができ、その額はおよそ「570カナダドル(ちなみに1カナダドルは日本円で84円前後。

つまり48,340円くらいになっています。

また、OASの額が少ない人には、「GIS(Guaranteed Income Supplement)」という年金もあり、こちらはOASを補助するように給付が行われています。

そしてもう一つの年金制度として、カナダ年金{CPP(Canada Pension Plan)}があります。

こちらの方は日本の年金のイメージに近く、働いている人が納めていき、高齢者の生活を支える形となっています。

CPPは18歳以上70歳未満の人が就労したときに払わなければならず、自営業者の方は全額負担、サラリーマンの方は会社が折半してくれるようになっています。

給付は65歳からというのが基本ですが、70歳からに遅らせたり、もしくは60歳からに早めたりすることも可能です(給付額はその分で増減します)。

満額の給付でおよそ「1000カナダドル(84,000円)」となり、OASとの合計で「1570カナダドル(132,340円)」を受け取ることができる計算です。

132,340円という金額は、決して暮らしに余裕の持てる金額ではありませんので、さらなる備えとして、個人年金や企業年金といったシステムもあり、多くの人に利用されています。

以上をまとめると、まずベースとして「OAS(とGIS)」で最低限の年金を用意した上に、就労期間中に「CPP」を積み立てていき、さらなる補助として個人年金などで備えをする、といった、いわゆる「3階建て」の構造がカナダの年金制度と言えるでしょう。

カナダは実は移民の割合のとても多い国で、人口の約20%が移民との統計があります。

そのため、高齢化しにくいと考えられてきましたが、やはりどうしても、これからは高齢化が進んでいくものと予想されます。

年金と高齢化の問題は、日本が身をもって知るように、非常に密接した関係にあり、早期の対策が必要です。

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カナダの健康保険制度

日本で体調が悪くなったとき、あるいはどこかを怪我してしまったとき、恐らく多くの方は、腹痛なら内科、外傷なら外科、という風に病院を使い分けることをするでしょう。

しかしカナダでは医者が必要な場合、まず「ホームドクター」の元を訪ねます。

ホームドクターとは「かかりつけ医」のことで、最初にホームドクターに診察してもらい、そこから必要に応じて専門医へと案内される流れになります。

また、カナダでは「メディケア」という国民皆保険制度を導入していて、歯科治療や薬代などを除き、基本的に医療費は無料となっています。

医療費が無料で、かかりつけ医であるホームドクターも得やすい、とメリットばかりのようにも思えますが、いくつかの問題点もあります。

一つは、医師の人数が少ないこと。

これは上記のメディケアと関連していて、メディケアを実施していく必要から、カナダの税金は比較的高額です。

所得税なども例外ではなく、医師など高収入な人は、税金の徴収額も多くなってしまいます。

それを回避するため、隣国であるアメリカに職場を移す人も少なくなく、結果的に慢性的な医師不足を招いてしまっているわけです。

もう一つは、治療に時間がかかる点です。

カナダの医療機関では、治療の緊急性が重視されるため、軽い病状だと治療は後回しにされる傾向にあります。

それに加えて上記のように医師の数は不足がちで、遅延に拍車がかかっているのが現状です。

以上のように、年金制度においては「高齢化」、健康保険制度においては「医師不足と治療の迅速性」が課題として挙げられます。

社会制度があらゆる個々人を相手にしなければならない点から、「万人にとって素晴らしい」という仕組みは難しいと思われますが、より多くの人に優しい社会であるように、日本とカナダ、相互に参考にしながらのブラッシュアップが望まれます。

まとめ

住みやすいと言われるカナダの「年金」と「健康保険」の制度について、現状と問題点が分かるようにまとめました。

※OASやCPPの「満額の給付額」については、最新の情報ではない可能性もあります。

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